本部の二大美魔女と、全社最強マウント合戦
午前の応援を終えて本部から駆けつけた「悪魔」こと神崎葵統括課長と「シュガーさん」こと等々力環奈! 旦那の神崎誠が勝ち誇る物販&資格講習(登録販売者・漢方・小児・腎臓)の圧倒的マウントに対し、シュガーさんが「化粧品&助け合い」の包容力と「ファンクラブ」実績で爆速カウンタートップ! 葵VSシュガーの全社トップ美魔女対決へ発展し、果敢にも止めに入った涼香まで巻き込んで「拓海エキスでツヤツヤだなコラァ!」「そうですぅ!!」と大混乱のポコポコ大激突!
カツカツカツ……!
洗練されたハイヒールの音を全社セミナー会場の絨毯に響かせ、午前の店頭ラッシュ応援を終えた本部の幹部二人が戻ってきた。
本部の悪魔――神崎葵統括課長と、ビューティースーパーバイザーのシュガーさん(等々力環奈)である。
会場に入るやいなや、葵の夫である神崎誠が「ジェネラリストチームこそが全社の高度医療を支える物販の覇者だ!」と、等々力隆弘ブロック長相手に大威張りで勝ち誇っている光景が目飛び込んできた。
葵はニヤリと不敵に口角を上げた。
「フフフ……シュガー!! 私たちが駆けつける間もなく、誠が勝っていたようだな!!」
「ちょっとちょっと〜♪ なにがあればこんな事になるわけぇ〜♪」
二人は目を丸くしつつも、面白がって事態を見守る。
「ちょっとなぁ〜! 誰のおかげで専門薬剤師を目指せるのか、専門チーム共へレクチャーしてあげてた訳だ!!」
誠が胸を張って言い放つと、敗北を喫した等々力隆弘は「グッ……」と声を詰まらせて言い返せない。
そこへ、葵が容赦のない追い打ちをぶち込んだ!
「フハハハハッ! そうだろうそうだろう! 私たちの物販パゥワー! があるからこそ、お前たちがのびのび専門医療をやれるということを思い知ったかぁーーーーーっ!!」
「グググ……っ!」
「さらに言っておくが! 我がジェネラリストチームはただの物販バカではないぞーーーーーっ!! 漢方・生薬認定! 小児科認定! 腎臓病認定! さらーーーに!! 店舗運営本部と強力に連携し、この私様が登録販売者の資格取得のために全社講師をやっているのだーーーーーっ!! 私たち神崎夫婦の勝ちだな、等々力夫婦よ!! フハハハハハッ!!」
「なっ……なん……だと……っ!?」
完璧すぎる実績とロジックを突きつけられ、等々力隆弘ブロック長はその場に崩れ落ちた!
しかし――その横で、シュガーさんが優しく微笑みながら夫の肩に手を置いた。
「フフフ……何も落ち込むことはないわよ〜、隆弘さん♪」
「!!?」
シュガーさんはくるりと葵に向き直ると、甘い毒を含んだ極上の微笑みを浮かべた。
「だってぇ〜♪ 葵ちゃんたち、化粧品や美容の専門知識のことはさほど知らないでしょうしぃ〜♪ ジェネラリストチームがいくら物販で売上を出したとしても……がんチームや専門チームがなければ、流石に『高度医療機能薬局』の認定は取れないでしょ〜♪ 会社経営は勝ち負けじゃなくて『助け合い』なんだからぁ〜♪」
「なっ……何い!? 私の勝ちだっつーの!! 私が教える登録販売者講習なんか、若手社員に人気すぎてやべーんだぞコラァ!! 講師(私)が美人過ぎて社内にファンクラブがあるんだぞコラァ!!」
「自分で『美人』とか普通言うかしら普通!! でもねぇ〜、店舗の化粧品コーナーだって人気が出過ぎて、私のファンクラブもあるもーん♪ 店舗運営本部の美容部門で言ったら、私に分があるわねぇ〜♪ 調子に乗っちゃった? 甘いわねぇ〜♪ ……素直に『調剤運営本部』の枠組みで勝負した方が良いんじゃないかしらぁ〜? 私に勝てるわけないでしょ〜、葵ちゃんが……♪」
「なっ……私の勝ちだもん!! 調剤も合わせたら絶対に私が勝ってるしぃーーーーーっ!!」
「はーん♪ 調剤まで入れると、そこのスケベ薬局長(涼香)だの、イケメン侍らせ薬局長(天音)だの、ほのかちゃんや結衣ちゃんまで居て……葵ちゃん個人の人気なんて完全に分散しちゃうわねぇ〜♪?」
「はぁ!? そっちの美容部員だって可愛いのがゾロゾロ居るだろうがぁーーーーーっっ!!」
「ちーがーいーまーすー!! 私たちは仲良し『チーム』なんで(笑)。葵ちゃんみたいに『私がー! 私がー!』とか自己主張しまくったりしませんから〜♪」
「なにおーーーっ!!」
ぽこぽこ、ポコポコ……!!
ついに本部の二大美魔女が、お互いの肩や腕を叩き合うポコポコ大喧嘩へ突入! 圧倒的な二人の迫力と美貌を前に、夫である神崎誠も等々力隆弘も、他の男性幹部たちも完全に呆気にとられて引き下がっていた。
そこへ――
「ちょちょちょ! お二人とも落ち着きなさいな!!」
専門チーム講義を終えた氷室涼香が、果敢にも二人の間へ止めに入った!
「「うるせーーーーーっ!!」」
「なにおーーーっ!!」
ぽこぽこ、ポコポコ……!!
巻き込まれて一緒にポコポコ叩かれ始める涼香!
葵は涼香の顔をジロリと睨みつけると、大声で噛みついた!
「お前!! 今日は拓海のエキスを吸って随分ツヤツヤしてるじゃねーか!! コラァ!!」
「えぇそうですぅ!! そうですが何か問題でもーっっ!!??」
シュガーさんも乗っかる!
「スケベねぇ〜……♪ ちゃんと専門領域の勉強はしてるのかしらぁ〜!?」
「してますーーっっ!!」
「うるせー!! ウチ(店舗&物販)が全社最強だぁーーっ!!」
「「まだ言うかーっっ!!」」
ぽこぽこ、ポコポコポコ……!!
……会場の隅で見守る一ノ瀬蓮、神楽坂エリア長、天音ちゃん、そして受講生の薬局長たち。
(((((周りはどうしてこうも自己主張が強すぎるのだろう……。黙っていれば全員が間違いなく絶世の美女なのに……)))))
あまりの威圧感と美の暴力、そして不毛すぎる全社最強争いに、周囲の人間はただただ引き倒されるばかりの店長セミナーの午後であった。
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