↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美人だらけのドラッグストアで胃薬が止まらない件  作者: 薬師寺 あかね


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
125/137

健康フェスの大成功と、覚悟のタイムリミット

大盛況のうちに幕を閉じた「秋の健康フェス」と「デュエール完売」の偉業! 測定器の店舗贈呈を受け、本部の悪魔(神崎葵)とシュガーさんが妖しく笑いながら去っていく中、実習期間を終えたあげはと結衣の温かな巣立ち、そして悪魔によってバラされた「ヒロインたちの結婚後の生々しいマネープラン(NISAや株)」の事実!

「ハイハイハイッ……皆、本当にお疲れ様!! 今回の秋の健康フェス&『デュエール』全品完売、大・大・大成功よーーーっ!! 血圧計だの骨密度測定器だのの特設什器も、本社からの特別措置としてそのままこの店舗に贈呈してやろうじゃないの! フハハハハッ!!」

バックヤードに響き渡る、本部の悪魔――神崎葵統括課長の豪快な高笑い。

その傍らで、ビューティースーパーバイザーのシュガーさん(等々力環奈)も優しく微笑みながら頷いた。

「ほんと、見事な数字だったわ。また何か新しい販促の機会があれば応援に来るわねぇ〜。……ま、次は拓海君の隣に、誰か『一人の奥さん』として新しい名前が加わっていることを心の底から祈っているわぁ〜♪」

その言葉に、フロアの片隅で身構えていた涼香、ほのか、まひろのヒロイン3人が「っ……!」と顔を見合わせ、スッと頬を赤らめる。

「はー……それにしても、いろんなスケベな事件もあったけど、めちゃくちゃ勉強になったっしょ!」――あげはがケラケラと笑う。

「ねー、本当に濃い実習期間だったよねぇ……」――結衣もしみじみと頷く。

結衣とあげはの二人は、この怒涛のイベントラッシュを通じてすっかり店舗の一員として溶け込み、最高の笑顔を浮かべていた。

「でも、結衣ちゃんは相変わらず生駒(遼)君の話になると急にデレデレになるんだから♪」

「もぅ〜、みんなしてそんなにもみくちゃにしないでよ〜!」

結衣が照れ隠しにあたふたするのを、みんなであたたかく囲む。葵がふと、実習生としての重要な現実を突きつけた。

「おい、あげは。実習の症例報告レポートの方は、ちゃんと仕上がってるんだろうねぇ?」

「ばっちりっしょ! 今回の健康フェスのおかげで、臨床現場における『漢方薬の選択と大切さ』が身にしみて分かったし……それに、イベントの前には『分子標的薬による手足症候群(HFS)』の患者さんのケアも実際に見学できたから、レポートのネタには困らないっしょ!」

「ほう、上出来じゃないの」

「でも……実習期間ももう11月中旬だし、おしまいになっちゃうなんて寂しいですね……」

結衣はしんみりと呟いた。この白鳥駅前店で調剤側をしっかりと支え続けてくれた二人の存在は、店舗スタッフにとってかけがえのない宝物になっていた。

「国家試験なんて余裕っしょ! 春には必ず、立派な薬剤師になってこの街に戻ってくるっしょ♪」

「うん! 国家試験、絶対合格しようね!」

あげはと結衣が力強く拳を突き合わせるのを見て、シュガーさんが悪戯っぽく微笑んだ。

「さてさて、来年の春……誰が『陣内さんの隣の席(妻の座)』を勝ち取っているのか、今から本当に楽しみだこと!」

「はたまた、まったく別の素敵な人とスピード婚しちゃってたりして〜♪」

「なっ……!?」

シュガーさんと葵の容赦ない煽り文句に、涼香、ほのか、まひろの3人は同時にキリッと凛々しい、そして闘志に満ちた強い眼差しを陣内へと向けた。

「「「…………っっっ!!」」」

その三者三様の、しかしあまりにも重く真剣な眼差しを真正面から浴びた俺――陣内拓海は、思わず「ゴクリ……」と大きな生唾を飲み込んだ。

(こっ……これは……! はぐらかしてごまかせる空気じゃない……! 完全に逃げ場が塞がれている……!!)

俺だって、もういい歳だ。

この店舗で共に汗を流し、真剣に患者さんと向き合い、自分の人生を懸けて支え合おうとしてくれている3人のヒロインたちの誰かを……いつまでも「3股状態」のように曖昧にしておくわけにはいかない。

そこへ、悪魔がさらにトドメの一撃をぶち込んできた。

「そうだそうだ! こいつら、アンタとの結婚生活を見据えて、すでにNISAだの個別株だの、生々しいマネープランまでバッチリ決めてるぜぇ〜? フハハハハッ!!」

「「「ちょっと葵課長ーーーっ!? そんなのバラしたら重すぎるでしょーーーっっ!!」」」

恥ずかしさのあまり一斉に赤面し、葵に飛びかかって口を塞ごうとする涼香、ほのか、まひろの3人!

その姿があまりにも愛おしく、あまりにも眩しくて――。

俺の胸の奥で、長年抑え込んんでいた男としてのスイッチが、カチリと音を立てて完全に切り替わった。

「……まっ……マジかよ……そこまで俺との未来を……」

俺は深く息を吸い込むと、ポケットからお馴染みの『ラベール胃腸薬プレミアム』を取り出し……蓋を開けずに、そのまま力強くポケットにしまい込んだ。

そして、真っ直ぐに前を向いて決意を告げた。

「……分かったよ。逃げも隠れもしない。……俺は、この3人のうちの誰かと……春を迎える前に、必ず男として決着をつける……!!」

胃薬に頼るのではなく、自らの手で未来を掴み取るための「覚悟」を固めた瞬間であった。

「少しでも『面白かった!』『続きが気になる!』と思ってくださったら、下部の【★で評価する】や【ブックマーク】を押していただけると執筆の大きな励みになります!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。