女子会の決意と、酒杯に誓う絆
陣内がシュガーさんから居酒屋で愛の爆弾を投下されていたその裏で、ヒロイン3人(涼香・ほのか・まひろ)も別の居酒屋で「女子会」を開催! ライバルでありながらも固い友情と互いへのリスペクトで結ばれた3人が、酒の勢いも借りて過去の赤面事件(「私が彼女だもん!」)を弄り合い、春までの正々堂々とした勝負を誓い合って「乾杯!」する、爽やかで甘酸っぱい大注目のエピソードをお楽しみください!
陣内拓海がシュガーさんによって静かな小料理屋へ連れ出されていたその頃――。
白鳥駅前店近くのまた別の居酒屋では、氷室涼香、白石ほのか、有栖川まひろのヒロイン3人による、熱気あふれる「女子会」が開催されていた。
お酒やソフトドリンクのグラスを前に、まひろが焼き鳥の串を握りしめながら口を開く。
「ねぇ……シュガーさん……今頃、拓海さんにちゃんと私たちの気持ち、伝えてくれてるのかしら……」
「そうですよね〜……。っていうか、私たち……春になったら異動させられちゃうのかな……!?」
不安そうに眉をひそめるほのかに、まひろが腕を組んで言った。
「大丈夫だよ……シュガーさんは私たちの味方だと思う……。でも、シュガーさんが言うからには、たぶん異動の話があるとしたら私かなぁ……。登録販売者だし、本部から副店長打診の噂もあるし……」
ヒロイン3人は、一瞬言葉を失って互いの顔を見つめ合った。
――ライバルが遠くへ行ってしまうかもしれないという寂しさと、春という期限のリアルさ。
そんな静寂を破ったのは、意外にも最年長であり一番のクールビューティーである涼香だった。
「副店長……! 有栖川さん……大チャンスじゃない! コスメイベント準優勝者なんだから、本当にすごいですわ!」
「「えっ……!?」」
驚く二人に、涼香は温かな、どこか誇らしげな笑みを向けた。
「それに白石さんも、全社オータム研修での最優秀新人賞なんて本当に素敵よ……! 私も自慢ではないけれど……最優秀新人賞を取って一番の若さで薬局長になったから分かるわ。あなたも27歳くらいには、薬局長の話が来てもおかしくないわ……!」
真っ直ぐに自分たちの努力を評価してくれる涼香の言葉に、ほのかとまひろは息を呑んだ。
涼香はグラスをギュッと握りしめ、二人の目をまっすぐ見つめる。
「だから……! 春が来るまでに悔いが残らないように、皆で全力で当たっていきませんか……!? 私はこの店舗に残留する可能性が高いけれど……そんな環境の違いで勝ったとしても……私、絶対に納得できませんわ!!」
「「薬局長……!!」」
ほのかとまひろの胸に、じんわりと熱いものが広がっていく。
こんなにも優しく、同じ目線で語りかけてくれるなんて……。
二人は思い返していた。
最初は単なる職場の先輩後輩で、どこか壁があった自分たち。けれど、陣内拓海という一人の誠実な男性を本気で好きになってから、ある種の一体感というか――かけがえのない「固い友情」のようなものが芽生えていたのだ。
全員が、今までの人生で付き合ってこなかったタイプの女性たち。
互いの存在が、間違いなく自分自身を成長させてくれる素晴らしい経験になっていた。
「……そうですね! 春まで……悔いが残らないように本気でアタックしなきゃっ!」――ほのかが力強く頷く。
「ふふっ、負けませんよ〜! 一番可愛いまひろちゃんがナンバーワンなんですから!!」――まひろが胸を張る。
「あっ! そんなこと言って、今度の店長セミナーで私を出し抜かないでくださいよ〜!?」――ほのかが笑って突っ込む。
「ふふ、大丈夫よ♪ 私の担当コーチは神楽坂エリア長だもの……。同期の天音ちゃんと近況報告するの。あっちの店舗も、天音ちゃんを巡る争奪戦で大変みたいだしね♪」――まひろが楽しそうに笑う。
ほのかはニヤリと頬を緩め、涼香の顔を覗き込んだ。
「それにしても……薬局長、本当に変わりましたよね」
「そうかしら……?」
「そうですよ! すっごく可愛くなりました!」――ほのかが断言する。
「最初はちょっと怖かったですよ〜? 『白石ー!』とか冷たく言ってたのに……」――まひろがに乗っかる。
「「『私が彼女だもん!!(泣)』……ですもんね〜♪♪」」
二人の声が、悪戯っぽくぴったりハモった!!
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっっっ!!??????」
突然の過去の恥ずかしすぎる大号泣&告白事件の弄りに、涼香の顔面は耳の先までリンゴのように真っ赤に沸騰した!
「あっ……あ、あの時はとっさと言うか……気が動転して……! あの……その……っっっ!!」
普段の冷静沈着な大人の女性からは想像もつかない、手足をバタバタさせて照れまくる超絶可憐な涼香の姿!
((か……可愛すぎる……!!))
二人は涼香の脅威的な可愛さに戦慄しつつも、思わず顔を見合わせて「ふふっ!」と大爆笑した。
「「でも……それだけ拓海さんのことが好きだって気持ちですもんね♪」」
またしてもぴったりハモる二人。そして、力強くグラスを掲げた。
「「負けません!!」」
「……ええ! 私も負けませんわ!!」
赤くなった顔のまま、涼香も自分のグラスを持ち上げる。
3人は、ライバルでありながら互いを絶対に恨まないという、美しく奇妙な友情の誓いを果たしたのだった。
「「「カンパーイ!!!!」」」
カチンッ! と響く爽やかなグラスの音!
「ねぇねぇ……昨日のカラオケの拓海さん、袖をまくった腕の筋肉と血管がとんでもなくカッコよくなかった……!?」
「あーっ分かる! 『ラブ過ぎて滅』でしょ!? もう凄すぎて薬局長、MiLKの曲全部買い揃えちゃうんだもん、ヤバすぎー!!」
「ちょっと! それはシュガーさんが言った余計な情報でしょーっ!!」
笑い声と胸キュンな恋バナが響き渡る、最高に楽しく、最高に熱い女子会の夜が更けていくのだった。
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