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美人だらけのドラッグストアで胃薬が止まらない件  作者: 薬師寺 あかね


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閉経後骨粗鬆症と、涼香のデコアタック

シュガーさんからの助言に胸を踊らせつつも、薬剤師として閉経後骨粗鬆症の女性患者へ『SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)』の臨床指導を完璧にこなす涼香! 患者が引けたスキを突き、シュガーさんの言葉通り自分のことが好きか確かめるべく、デコアタック&「エッチなことばっかり考えてちゃ……メッだぞ!」の超絶破壊的あざと爆弾を投下! 沸騰する陣内とニヤニヤ見守る悪魔&シュガーさんのコミカル&胸キュン回をお楽しみください!

昼休みにシュガーさんから投げかけられた「春までの期限」と「拓海君への告白宣言」の話を聞いてからというもの、私の胸のドキドキは一向に収まりそうにない。

(拓海さんが……私たちのことを意識して鼻の下を伸ばしている……♡)

けれど、どんなに胸が跳ね踊っていても、白衣を着ている以上はプロの薬剤師だ。目の前の患者さんの相談には全力で耳を傾ける。

「あの……どうでしょうか……?」

骨密度測定ブースの前に座っているのは、閉経を迎えたかどうかの微妙なお年頃の女性患者さんだった。

ピ、ピ、ピー♪

測定機が弾き出した数値は――【77%】。

「ど、どうしよう……! 毎日牛乳もちゃんと飲んで、ウォーキングも欠かさずしているのに……!」

ショックを受ける女性患者さんに対し、私は周囲の視線とプライバシーに配慮して、すっと顔を近づけて小声で優しく問いかけた。

「あの……差し支えなければお伺いしたいのですが、生理(月経)の方はまだお越しになられていますか?」

「それが……最近、完全に閉経しちゃったみたいなの」

「そうでしたか……。もしかしたら、骨密度の低下はそれが原因かもしれませんね」

「えっ……? 生理と骨に、何か関係があるの……?」

不審そうに首をかしげる女性に、私は噛み砕いて丁寧に説明を続けた。

「はい。実は、閉経前と閉経後では、体内から分泌される『女性ホルモン(エストロゲン)』の量が段違いに変化するのです。女性ホルモンには、骨からカルシウムが溶け出すのを抑え、骨を強く保つ大切な働きがあります」

「!!」

「骨密度が77%まで下がってしまっているのは、閉経に伴う女性ホルモンの低下が影響している可能性が非常に高いですね」

「じゃあ……女性ホルモンの専門だから、産婦人科を受診した方が良いのかしら……?」

「いいえ。お骨の専門は【整形外科】の分野になります」

「でも……女性ホルモンのお薬なんて、整形外科にあるのかしら……?」

「ございますよ♪」

「!!」

「『SERM(サーム:選択的エストロゲン受容体モジュレーター)』というお薬です。子宮や乳房には余計な影響を与えず、お骨の組織だけに狙いを定めて『女性ホルモンと同じような良い働き』をして骨を強くしてくれるお薬があるのです。この測定データをお持ちになって、ぜひ一度、近隣の整形外科を受診してみてくださいね」

「まあ……! ありがとう、すごく勉強になりましたわ!」

深々と頭を下げる女性患者さんを見送り、私はふと調剤室の方へ視線を向けた。

(あれ……?)

私が患者さんと小声でヒソヒソと親密そうに話していたのが気になったのか、物陰から様子を伺っていた拓海さんが、真っ赤な顔をして慌ててそっぽを向くのが見えた。

(……やっぱり。拓海さん、私たちのことが気になって仕方がないんだわ……♡ 本当に私のこと、好きなのかしら……? 自分でも手応えを確かめてみたい気分になってきたわ……!)

幸い、午後の混雑も一段落して患者さんの波が引いてきた。

私は意を決すると、一人でPC作業をしている拓海さんの元へとスルスルと近づいていった。

「りょ……涼香さんっ!? ち、近いです……っ!」

いきなり至近距離に寄ってきた私に、拓海さんは大慌てで後ずさろうとする。

「まあ、顔が真っ赤ですわ……。熱でもおありなんですの?」

私は拓海さんの逃げ道を塞ぐように、自分の額(おでこ)を拓海さんの額へコチン……と近づけた。

おでこ越しに伝わってくる彼の体温は、今にも発火しそうなほど沸騰している!

(……っ! 手応え、大ありじゃない……!!)

私はトロンとした甘い瞳で拓海さんの目を見つめると、人差し指を立てて彼の鼻先へチョンと当て、小悪魔のように微笑んだの。

「もう……♪ お仕事中に、そんなにエッチなことばっかり考えてちゃ……メッ! だぞ……♡」

「ぶふっっっっっ(血管破裂の音)!!!!」

可愛く「チョン」と指を刺された瞬間、拓海さんの顔面は爆発したように真っ赤に染まり、首筋の脈拍数が跳ね上がるのが目に見えるようだった!

(やっぱり! やっぱり……! 拓海さんは私のことが……♡)

至高の手応えに胸を躍らせる私の横で――。

物陰から一部始終を覗き見していた本部の悪魔(神崎葵)とシュガーさんが、ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべて「ヒューヒュー!」と肩を揺らして喜んでいるのだった。

「少しでも『面白かった!』『続きが気になる!』と思ってくださったら、下部の【★で評価する】や【ブックマーク】を押していただけると執筆の大きな励みになります!」

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