寿司屋事件と、暴走する大トロ悪魔
祝・第100話到達! 測定会初日の大成功を祝い、悪魔(神崎葵)の先導で回転寿司チェーン店へ雪崩れ込んだ一同。高額な寿司ネタや自分の好みに葛藤するヒロイン3人(涼香・まひろ・ほのか)と、不意に現れた特撮ヒロイン似のゲキカワ店員に目移りしてヒロインたちの嫉妬と注文の嵐を喰らう陣内の、お財布大撃破&大賑わいな第100話スペシャルをお楽しみください!
「あんた……本部からの本日分のイベント評価、最高評価じゃないのぉーーーっ!!
私たちのぉ! この超・ファインプレーのおかげなのよぉ!! たまには奢りなさいよこの野郎ーーーっ!!」
神崎葵統括課長は、悪魔のような高笑いを響かせながら俺の肩をバンバン叩いた。
「しっ……しかし葵課長……打ち上げって言ってもこの人数ですよ!? 回らない高級寿司なんて行ったら俺の給料が吹き飛びます! チェーン店! チェーン店にしてくださいーーーっ!!」
「ちっ……仕方ないわねぇ……!」
渋々納得した葵課長を筆頭に、全員で夜の街を歩いていると――目の前に煌々と輝く『寿司朗』の巨大な看板が飛び込んできた!
「ここよぉぉぉーーーっ!!」
(な、なんなんだこの人の活きの良さは……魚より活きが良いぞ……!)
葵課長は店内に踏み込むやいなや、大声を張り上げた!
「ハイハイハイ! 大トロ大好き女の登場よぉーーーっ! テーブル席に案内しなさいっ!!」
店員さんが苦笑いしながら案内する。
「あー、人数が多いので二つのテーブル席に分けさせていただきますね」
案内された座席の振り分けは以下の通りになった。
テーブルA:陣内拓海、氷室涼香、白石ほのか、有栖川まひろ(=俺とヒロイン3人の修羅場テーブル)
テーブルB:神崎葵、シュガーさん、小寺結衣、涼宮あげは(=暴走悪魔と見守り組)
隣のテーブルから、葵課長のテンション高い叫び声が聞こえてくる。
「楽しみねぇーっ! ヒューッ……! 人の金で食う寿司はウメェーーーッ!!」
「なっ……なんて下品で図々しい女なんですの……っ!」
隣の席の暴言に涼香さんが額に青筋を立てる中、我がテーブルAのヒロイン3人は、タッチパネルを前にそれぞれ深刻な悩みを抱えて固まっていた。
(なっ……どうしましょう……! 私、本当は『雲丹』が食べたいわ……! でも、拓海さんの奢りだからっていきなり一皿で一番高い限定ネタを頼んだら、厚かましくてガメツイ女だと思われちゃうかしら……!?)――葛藤する涼香。
(うぅ……実は生魚がちょっと苦手なんだよなぁ……。回転寿司に来て『いちごパフェ』と『フライドポテト』ばっかり頼んでたら、拓海さんにバカで子供っぽいと思われないかしら……!?)――不安がるまひろ。
(私、マグロとサーモンが大好き! でも……はっ! マグロとサーモンばっかり頼んだら、おこちゃまな舌だと思われちゃうかな……っ!?)――焦るほのか。
3人がタッチパネルを前に指を止めてフリーズしていると、隣のテーブルから葵課長が身を乗り出して口を挟んできた!
「ちょっとアンタたち! 何ボサッとしてんのよ!! たくさんパクパク食べる女の子の方が可愛いに決まってるでしょ!? あんたらが悩んでる顔見ただけで、もうコイツ(陣内)は『ドスケベ選手権全国優勝』してんだからサッサと頼みなさいよ!!」
「なっ……葵課長! もう流石にうるさいですよ!! 静かに食べてください!」
俺が思わず立ち上がって一喝した、その時――。
「あの……すみません、頼んだ商品と違うものが届いたみたいで……」
隣のテーブルで結衣ちゃんがすまなそうに店員さんを呼んだ。
「はーい! ただいま伺います!」と返事をしてやってきた女性店員さんの顔を見た瞬間、俺は思わず目を見張った。
(っ……!? か、仮面ライダーガッチャンコに出ているヒロインの『八堂りんね』ちゃんに激似の超絶ゲキカワ店員さんじゃないか……!?)
俺が思わずその美貌に見とれてしまった、まさにその一瞬――!!
「「「……ちょっと!!!!」」」
テーブルAのヒロイン3人(涼香・ほのか・まひろ)から、氷点下の嫉妬が籠もった怒りの声が爆発した!
「拓海さん……? どこを見ていらっしゃいますの……?」
「拓海さんっ! 私たちの前で他の女の子に見とれるなんてひどいですっ!」
「もーっ! 拓海さんのバカ! 遠慮するのやめたからねっっ!!」
嫉妬の炎に火がついた3人は、怒涛の勢いでタッチパネルを連続連打し始めた!
ピンポンピンポンピンポンッ!!
氷室涼香:特選ウニ握り(二貫セット)×4皿!
白石ほのか:特選大トロ・炙りサーモン食べ比べセット×5皿!
有栖川まひろ:期間限定プレミアムいちごパフェ&大盛りポテト×3セット!
さらには隣のテーブルで「ギャハハ! 乗っかれ乗っかれー!」と葵課長が『高級ウナギ』と『特選大トロ』を注文しまくっている!
「あ……あわわわわっ……!! 俺の財布が……俺の財布のHPが一瞬でゼロになるーーーーっ!!」
『ラベール胃腸薬プレミアム』のおかげで胃の激痛自体はすっかり治まっていたものの、タッチパネルから鳴り響く注文音の嵐とともに、俺のポケットの中の財布は壊滅的な大ダメージ(オーバーキル)を負うのだった……!
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