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美人だらけのドラッグストアで胃薬が止まらない件  作者: 薬師寺 あかね


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小寺結衣の気づきと、エリア長のスマートな背中

慶旺大の御曹司・生駒遼からのまさかの電撃告白に戸惑いながらも、どこか幸せを噛み締める小寺結衣。激しい「ゲキカワ集団」の恋の争奪戦を横目に、陣内エリア長のスマートで迅速な患者対応(電子お薬手帳の導入と血圧コントロールの褒め言葉)を目の当たりにし、「あのモテの秘密」に気づく結衣のハートフル&コミカルなエピソードをお楽しみください!

私――小寺結衣は、いま正直言ってめちゃくちゃ困惑している。

この『ドラッグラベール白鳥駅前店』という、芸能人レベルの「ゲキカワ集団」がひしめく魔窟のような職場で、私は一体どうしてこうなってしまったのだろう?

こんな美人揃いの先輩たちを差し置いて、なぜかあの太正製薬の御曹司にして慶旺大トップのイケメン・生駒遼くんに突然告白されてしまうなんて……。

いやはや、我ながら自分が自分ではないような気がしてならない。

可愛い女の子を見るのが好きで、自分はちょっと地味めの一般系薬剤師だと思っていたのに。一体私のどこが彼の琴線に触れたのかはさっぱり分からないけれど……今の彼の熱量は、本気で凄まじい。

(私の大学とか……もし経歴をちゃんと教えちゃったら、彼のお母様とかに怒られちゃうのかな……? なんて、ちょっとくだらない心配までしちゃったりしてさ……)

今日も今日とて、バックヤードではゲキカワ集団(涼香さん、ほのかちゃん、まひろちゃん)による熾烈を極める陣内エリア長争奪戦が繰り広げられている。

(彼は一体、何の徳を積んだらこんな嬉しすぎる(かつ胃が全壊しそうな)災難に遭っているんだろう……? 甚だ疑問だけど……あの人たちの『遊びや冗談でやってんじゃねーんだよ!!』と言わんばかりの鬼気迫る本気オーラは、見ているこっちが気圧されるほど凄まじいわ……)

まぁ、私も浮かれすぎずに、自分のペースでしっかり薬剤師の仕事をこなしていこう。

ん……?

待合室の方から、何やらもの凄いオーラを放っている足音が聞こえてきた。

あれは――お馴染みの「セッカチな高木さん」だ……!

おっ……おお……っ! もうセッカチの域を通り越して、肉体が高速振動しているように見えるわ! きたきたきた……!

「急ぎめで頼むわっ!!」

やっぱり相変わらずの超特急のスピード感ね……!

高木さんの手には『テルミサルタン錠40mg』と『アムロジピン錠5mg』の降圧剤処方箋。

私はすぐに患者さんの顔を思い浮かべ、素早く監査の準備を始めようと動いた。

その瞬間――!

サッとスタイリッシュな身のこなしで、エリア長(陣内拓海)がスッと高木さんの前に歩み寄った。

「高木様、いつもご来局ありがとうございます。本日は待ち時間を少しでも短縮するために……当店の『電子お薬手帳アプリ』を開設しませんか? 次回からご自宅を出発される前に処方箋の写真をお送りいただけますので、薬局に着いてからの待ち時間を完全にゼロにできますよ!」

「なっ……なんだとっ! やるぞやるぞ、そんな便利なものがあるなら今すぐ登録してくれいっ!!」

私が処方薬のピッキングを始めている間に、エリア長はスマホを取り出し、ほんの数十秒の神業的な手際で高木さんの電子お薬手帳の登録を完了させてしまった!

「ちなみに高木様、最近のご自宅での血圧の調子はいかがですか?」

「おう、下がったよ! お前らのところで教えてもらった通りの時間に測るようにしたら、すこぶる調子がいい! ねーちゃんの言った通り1週間服用したら140以下だわ!スゲーなあんたら!とりあえず次回からアプリで処方箋を送るから、しっかり早めに用意しといてくれよな!!」

「承知いたしました。ありがとうございます、高木様!」

見事な笑顔で高木さんを見送る陣内エリア長。

――ハッ……! そうか……!

あの人(陣内さん)がこれほどまでに周囲の女性陣(と患者さんたち)から絶大な信頼と好意を集めている理由……その秘密は、この圧倒的なスマートさと患者ファーストの迅速な気配りにあるんだわ……!

ふとバックヤードの方を振り返ると、涼香さん、ほのかちゃん、まひろちゃんの3人が、うっとりとしたトロンとした瞳でエリア長の背中を見つめていた。

(……わっ……。ものすごい「ドスケベフェイス」で見つめてる……。

 ……って、私も今度、遼くんに会う時……あんなふうにとろけちゃった顔をしちゃってるのかな……? ふふっ……なんだか少し、恥ずかしいかも……)

ピュアな恋心と、職人としてのプロフェッショナルな背中を同時に目の当たりにし、小寺結衣はまた一つ、大人としての新たな発見をするのだった。

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