戦略からサバイバルへ!パート2
第5班は指定された通路を急いで進んでいた。遠くから聞こえる叫び声や衝突音が狭い廊下にこだまする。あらゆる音が石壁に反響し、少女たちは緊張し、あらゆる影や隅々に目を凝らしていた。
「待って!」突然、綾音が叫び、急に立ち止まった。彼女は本能的に腕を伸ばし、葵と刹那の行く手を阻んだ。
「どうしたの?」葵は瞬きをして尋ねた。「どうして止まったの?」
綾音は低い声で前方の廊下を見渡した。「今は慎重に進まなくちゃ。何かがおかしい。ここは仕掛けられているかもしれない。」
葵は鼻を鳴らし、軽蔑するように一歩前に出た。「まさか。そんなはずないわ――」
彼女は言い終えることができなかった。わずかに窪んだタイルに足が触れた瞬間、鋭い音が足元に響いた。彼女の目は大きく見開かれた。矢。煙幕弾。十数発の弾丸が猛烈なスピードで彼女に向かって飛んできた。
葵は、一瞬の動きが目の前を通り過ぎた時、ほとんど身じろぎもしなかった。刹那。冷静沈着で、集中し、沈黙していた刹那の姿勢は、研ぎ澄まされた、より威圧的なものへと変化した。流れるような正確さで、彼女は煙の中を縫うように進みながら、飛んでくる矢を素腕で弾き返した。その動きは滑らかで、優雅でありながらも揺るぎなく、最後の矢を空中で受け止め、きれいに真っ二つに折った。彼女は一瞬、頭を少し下げ、暗い瞳に静かな激しさを宿しながら、その場に立ち尽くした。背後で、綾音と葵は凍りついたように立ち尽くしていた。まるで現実のこととは思えなかった。
「何…?」葵は、今起こったことが信じられないといった様子で眉をひそめ、呟いた。刹那は体を硬直させ、完全に葵の方を向き、少し震えていた。
「ご、ごめんなさい!体が勝手に反応してしまって…私…本当に何も考えていなかったの…」彼女はどもりながら、視線を地面に落とした。
「マジで!?」綾音は吹き出した。刹那は戸惑いながら瞬きをした。
「すてきな、すてき!すごくかっこよかったよ!あの反射神経、すごかった!」綾音は満面の笑みを浮かべながら褒め称えた。刹那は目を丸くした後、恥ずかしそうに小さく微笑んだ。
葵は瞬きをしてから、ぎこちなく咳払いをした。「えーと…あぁ…ありがとう…」と呟き、頬をほんのり赤らめながら横目でちらりと見た。
刹那は顔を上げ、微笑みをさらに温かくした。「あ、どういたしまして」と小声で答えると、葵は隣を歩く茶髪の少女をちらりと見た。
「罠のことは知ってたの?」と、葵は片方の眉を上げて尋ねた。
綾音は片方の口角を上げてニヤリと笑った。「まさか、何の仕掛けもないまま私たちを通してくれると思う?」
葵は乾いた鼻息を漏らした。「そうね。やっぱりね。」
葵が先に進むと、綾音はからかうような笑みを浮かべながら小走りで後を追った。二人は慎重に進み、仕掛けられたワイヤーや感圧板、その他怪しいものがないか周囲を見回した。しかし、今のところ道は静まり返っていた。やがて部屋は広い空間に開け、二人は歩みを緩めた。奥には、滑らかな金属製のポールから一本の青い旗がゆらゆらと揺れていた。何もない空間の中で、その旗はひときわ目立っていた。
「あれだ!」綾音は叫び、声を少し反響させながら駆け出そうとしたが、襟首を掴まれて引き戻された。
「おいっ!」綾音は悲鳴を上げ、よろめきながら葵の腕の中に倒れ込んだ。
「このバカ」葵は眉を上げて呟いた。「この場所にはブービートラップが仕掛けられているって言ってなかったっけ?その注意深さはどこへ行ったの?」
綾音はわざとらしく口を尖らせた。「はいはい…興奮しちゃっただけよ、わかった?」後ろでせつながくすくす笑った。しかし、その瞬間は、上から音もなく部屋に入ってきた人影によって打ち砕かれた。
三人は思わず視線を前方に向けた。旗と三人の間に、一人の女子生徒が静かに立っていた。紺色のサヨナキ高校のジャケットの下には、体にフィットしたグレーのアンダーシャツを着ており、一歩踏み出すたびに裾が揺れた。
パリッとした黒のプリーツスカートは太ももの真ん中あたりまで届き、漆黒の髪が肩を少し超えるくらいの長さで顔を縁取っていた。彼女の表情は読み取れなかった――冷静で、落ち着いていて、全く動揺していないように見えた。
葵はハッと気づき、目を細めた。昨夜のあの少女…彼女の脳裏に、あの時の記憶が蘇った――戦いの最中、ユラが放っていた、まるで触れることのできないような、落ち着いたオーラ。
「い、い、い、まさか…」綾音はどもりながら、まるで有名人を見つけたかのように目を輝かせた。
葵は彼女を横目でちらりと見て、こめかみに一筋の汗を浮かべた。「もう、この先どうなるか分かってるわ…」
「如月ゆら!」綾音はつま先立ちでぴょんぴょん跳ねながら叫んだ。「二年生で、しかも五尾の一人!めちゃくちゃかっこいい!」
「脳に生徒名簿でも埋め込まれてるのかしら?」葵は無表情でそう思った。
「如月ゆら…」せつなは静かに、しかし畏敬の念を込めて繰り返した。「私も聞いたことがあるわ。彼女のスタイルは優雅で流れるようで、まるで中国武術みたい。でも、あの落ち着きぶりが人を惑わせるのよ。自分がコントロールしていると思ったら、次の瞬間、ドーン!とやられちゃうの。」
「私たち、彼女と戦うの?」葵は小声で呟いた。誰かが答える前に、一瞬の動きが空気を切り裂いた。瞬く間に、ゆらは目の前に立っていた。落ち着き払って、軽々と、そして静かに。彼女の突然の出現の勢いで、三人組に向かって突風が吹きつけ、思わず後ずさりした。
「わあ!まさか私たちが彼女と対峙するなんて!」綾音はくすくす笑いながら、ゆらの素早い蹴りを間一髪でかわした。
「今、そんなに興奮してちゃダメでしょ!」葵は怒鳴り、ゆらが近づいてくるのを横に避けた。
「あ、ごめん!」綾音は息を切らしながら、葵の後を追って全力疾走し、間一髪で薙ぎ払う足技をかわした。
由良は流れる水のように、静かに、冷静に、そして容赦なく動いていた。
「わぁ!」少女たちは低い木の柵の後ろに飛び込み、息を切らしながら同時に悲鳴を上げた。
「こんなに…」と、あやなは息切れしながら「…こんなに疲れたのは初めて」と、綾音は額の汗を拭いながらうめいた。
「あれが…如月由良…」と、刹那は相手から目を離さずに呟いた。隣で、葵の顎が緊張していた。
「作戦を立てなきゃ」と、綾音は息切れしながら言った。
「早く」と、刹那は頷きながら付け加えた。
「よし、作戦は――」壁の陰に身を潜めながら、葵は言いかけた。しかし、言い終わる前に、ユラが流れるような動きで猛然と突進し、大きく弧を描くように足を振り上げた。その足跡には突風が伴った。
「散れ!」葵は叫び、綾音の手首を掴んで後ろに引っ張った。攻撃は二人が隠れていた壁に激突し、壁は粉々に砕け散った。刹那は後ろに宙返りし、胸への掌底を間一髪で避けた。彼女は目を見開いた。「何よ!速い!」
「違うわ。正確よ」綾音は目を細め、優雅で熟練した動きで宙返りしながら訂正した。「一歩たりとも無駄にしないのよ」
葵は拳を握りしめた。ユラのシルエットは、まるで小川を流れる流れのように消えたり現れたりする。「私たちの動きをコントロールしようとしているのね」と彼女は呟いた。 「分断し、孤立させる。」
ユラは立ち止まると、足が床を滑った。そして低い構えへと移り、八極拳の流れるような動きが一つ一つ次の動きへと繋がっていく。「来るなら、一体となって来なさい」と彼女は静かに言った。「さもないと、他の者たちと同じように倒れるわよ」
アヤネは歯を食いしばった。「彼女は私たちを弄んでいるのよ」
「無闇に突撃している暇はないわ」とアオイは他の者たちと共に柱の陰に身を隠しながら言った。「考えなくちゃ」
旗の上にタイマーが点滅した――7分43秒。
セツナは息を吐いた。「じゃあ、アオイ、合図して。あなたは速いし、彼女の動きを一番よく把握しているわ」
アオイは瞬きをした。「私が?」
「あなたは私たち二人よりも彼女の攻撃に素早く反応しているわ」とアヤネが口を挟んだ。「さあ、リードして」
アオイは息を吐き出した。 「そうかもしれないけど…彼女を動揺させる何かが必要だな。」
少し間があってから、刹那はぎこちなく手を上げた。「あ、あの…これ、役に立ちますか?」そう言って、ポケットから小さな発煙弾を取り出した。
綾音の目が輝いた。「えっ!刹那、すごい!」
「まさか、こんなの持ってたの?」葵は驚いて刹那から発煙弾を受け取った。
刹那は照れくさそうに頷いた。「あ、うん…残りが崩れる前にギリギリで拾ったんだ。」
すると、葵はニヤリと笑って頷いた。「よし。いいか。作戦はこうだ…」
...............
葵の合図で、綾音は素早くリズミカルに前へ飛び出した。由良は綾音の突きをかわし、前腕を掴んで流れるような腰投げでバランスを崩させ、口元に微かな笑みを浮かべた。綾音は激しく着地したが、転がって衝撃を吸収した。
「さあ、刹那!」葵が叫ぶと、背後から刹那が全速力で駆け寄り、瞬時の敏捷性で障害物を飛び越えた。由良の背中に高く回転蹴りを放つが、由良は水中に沈む波紋のように低く身をかがめ、刹那を一瞬で払いのけた。
葵が駆け寄る。これが本命だ。由良がまだ前の払いの衝撃で身をかがめている隙に、葵は低く滑り込むような蹴りを繰り出した。ユラは膝でブロックし、葵を少し押し戻したが、葵は間一髪で煙幕弾を地面に投げつけた。一面に霧が立ち込めた。
「大きく逃げろ!」煙の中から葵が叫んだ。葵は左へ急旋回し、綾音と刹那は右へ方向転換。ユラの注意は初めて分散した。
薄れゆく煙の中から、ユラが現れ、アヤネの肩に鋭い肘打ちを食らわせ、セツナの反撃をかわそうと身を翻した――しかし、ほんの一瞬、動きを止めた……アオイが距離を詰めてきたからだ。壁から跳躍し、空中宙返り。踵が地面に向かって振り下ろされる――バキッ!ユラは両手でそれを受け止め、数フィート後退。体勢を少し崩した。初めてアオイを押し返すことに成功したのだ。
03:19
少女たちは大きな石柱の陰に身を隠した。三人とも息を切らし、顔には汗がにじみ、手足は至近距離での打撃や衝突で痣だらけだった。
「彼女、落ち着きすぎよ」とセツナが言った。「まるで私たちが何をしても、もう見抜いているみたい」
「それは、私たちが三人とも個々人として動いているからよ」とアオイは声を潜めて言った。「一体となって動いていない。まだ、戦い全体ではなく、それぞれの戦いに勝とうとしているの」
彼女は二人の間をじっと見つめ、強い眼差しで言った。「力で圧倒しても勝てないわ。知恵で勝つ必要があるの。彼女と同じように動き、彼女と同じように考えるのよ。」
綾音は眉をひそめた。「どうやってやるの?」
「予測不能な動きをするのよ」葵は落ち着いた声で答えた。「綾音、あなたは高くフェイントして、それから低く身をかがめる。せつなは3秒遅れて、綾音の左にフェイントをかける。綾音が反撃してきたら…」
「…もうそこにいるはずよ」せつなは目を輝かせながら言い終えた。
葵は一度頷いた。「私たちは一緒に行く。もし誰かが遅れても、残りの者は止まらないわ」
綾音の口元に笑みが浮かんだ。「いい作戦ね」
02:58
二人は突進した。綾音は高く、掌底を回転させて由良の顎を狙った。由良は肘を上げて防御したが、綾音は低く身をかがめ、足を振り回した。由良は飛び上がった。
刹那がタイミングよく現れ、ユラの無防備な脇腹を狙って拳を繰り出した。ユラは体をひねり、肩で攻撃をかわした。すると、近くの木壁から飛び降りてきた葵が、上空から現れた。ユラは両腕を上げた。しかし、それはフェイントだった。葵は空中で体をひねり、刃のようにしなやかにユラの横をすり抜け、背後の青い旗を掴むと、体を丸めて地面を滑り、安全な場所へと逃げ込んだ。
部屋は静まり返った。再び大きなブザー音が鳴り響く。残り時間:2分。
ユラは振り返り、ゆっくりと瞬きをした。唇がほんのわずかに歪んだ。「…見事なプレーね。」
葵は旗を手に、息を切らしながら立ち上がった。アリーナの向こう側の観覧席にいた美空は、身を乗り出してスクリーンを見つめていた。「これぞまさにリーダーシップの真髄ね。」
ジンはニヤリと笑った。 「新人が大活躍したみたいね。」
アリーナに戻ると、ユラは突然飛び退き、その場を去った。葵が振り返ると、綾音と刹那が彼女の元へ歩み寄り、満面の笑みを浮かべていた。
「やったね」と刹那が言った。
「違うわ」と葵は旗を手に持ち、かすかに笑みを浮かべながら訂正した。「私たちがやったのよ。」
「悪くないでしょ?最強チームじゃん!」綾音は満面の笑みを浮かべ、葵と刹那に抱きついた。
葵は顔を赤らめ、体を硬直させた。「ちょ、ちょっと!ちょっとパーソナルスペース欲しいんだけど!」と、抱擁の中で身をよじりながら、どもりながら言った。
二人はくすくす笑い、しばらく抱きしめたままだったが、やがて離れた。葵はため息をつき、制服の埃を払いながら、二人にふざけて睨みつけた。そして、表情が変わった。毅然とした、集中した表情に。
「さあ、行こう。」
「うん!」綾音と刹那は声を揃え、三人は一緒に通路を出た。
...............
訓練場に戻ると、3チームが傷だらけで息切れしながら立っていた。彼らは辛うじて訓練を終えたばかりだった。対照的に、ライトと彼のチームメイトであるミツルとリクヤは、まるで軽いジョギングから戻ってきたばかりのように、無傷に見えた。本格的な戦闘訓練とは思えないほどだった。
画面のタイマーがカウントダウンを始めた。00:40。アオイ、アヤネ、セツナが歩み寄った。
「あ~、やったー!」アヤネは大きく腕を伸ばし、満足そうな声で息を吐いた。
セツナは部屋を見回した。「3チームが合格したみたいね…私たちを含めると4チームね。」
アオイは軽くうなずき、上を見上げた。上のプラットフォームに腰掛けたアスカは、水色の瞳を画面から離さずにカウントダウンを見守っていた。
「…たぶん、ゼロになるまで何も言わないつもりなんだろうね」葵は落ち着いた、しかし好奇心に満ちた声で呟いた。
「そうみたいね」綾音は肩をすくめて答えた。彼女も全く状況を理解していないようだった。
タイマーが刻々と時を刻む。00:18… 00:17…
明日香は少し身を乗り出し、静かに鼻歌を歌った。00:10… 00:09…
葵は再びため息をつき、あやねの方を見た。あやねは両手を上げて「さっぱり分からない」という仕草をした。
00:05… 00:04…
「ああああ!」通路の一つから3つの叫び声が響き渡り、皆が入口の方を振り向いた。2人の少女と1人の少年が部屋に飛び込んできたが、すぐに互いにつまずき、床に崩れ落ちた。
00:00
カウントダウンが終わると、ホーンの柔らかな音が空間に響き渡った。
「僕たち…できた…」少年は汗で濡れた額に茶色の髪を張り付け、仰向けに倒れ込み、片手で黄色い旗をまるでトロフィーのようにかろうじて掲げながら、喘ぎ声をあげた。アスカは片方の眉を上げ、それからニヤリと笑った。「あら、今、ブザーと同時にスライディングしたのね。」
真ん中にいた少女は、腰に手を当てて立ち上がり、床に倒れたままのチームメイトたちを睨みつけた。
「何よ、今の!?」彼女は怒鳴った。「あなたたち、全く役に立たなかったわ!あと一秒遅れていたら、あなたたちの無能さのせいで失敗していたところよ!」
床に倒れていた二人は信じられないといった様子で瞬きをした。「ちょっと待って、僕たちが無能だって?」少年は体を起こしながら言い返した。「僕たちの提案を全部無視して、まるでアクション映画の主人公みたいに突っ込んでいったのは君の方じゃないか!」
中野は鼻を鳴らし、腕を組んで少し顔を背け、彼の視線を避けた。
「君は僕たちにチャンスすら与えなかった!」彼は明らかに怒りを露わにしながら続けた。「僕たちは君の作戦に従ったのに、この結果になったじゃないか!」
「ケン、もしかしたら…」隣にいた少女が彼の腕にそっと手を置きながら言った。
彼は首を横に振って手を引っ込めた。 「諦めろ。あんな女と議論するなんて、時間の無駄だ。」
中野の目がピクッと動いた。「そうか?結構だ!お前ら二人は、たとえ頑張っても俺にはついていけない!たとえ地球上に最後の人間が残されたとしても、二度とお前らと組むことはない!」
遠くから陸也が低い口笛を吹いた。「ドラマクイーン警報発令中」
「ライトは彼女と組まなくてよかったと、今頃天に感謝してるだろうな」と、美鶴は腕を組みながら付け加えた。
ライトの声は冷たく、どこか突き放したような響きで、両手をポケットに突っ込んでいた。「そんなことするわけないだろ。彼女を選ぶくらいなら、野イノシシと組む方がマシだ」。遠く離れていても、その言葉は中野の耳にしっかりと届いた。彼女の顔は怒りと恥ずかしさが入り混じった表情で真っ赤になった。
綾音は手で口元を隠して鼻を鳴らした。「いかにも中野らしいわね。口先ばかりで、チームワークなんてない」。せつなはくすくす笑った。葵は何も言わず、表情は読み取れなかった。
突然――パチッ!パチッ!
その音が響き渡り、ざわめきを切り裂いた。全員の視線が上のプラットフォームに注がれた。
「もう十分よ」アスカは鋭く澄んだ声で言った。「5チームが第2ステージを突破したわ」。疲れ切った生徒たちの間に、期待のざわめきが広がった。
「さあ」彼女は少しいたずらっぽい声で続けた。「最終ステージの始まりよ」
足元の地面が揺れ始めた。
「え、えっと…何?」アヤネはどもりながら周囲を見回した。大きな機械音が響き渡り、巨大な扉がスライドして開いた。そこから、巨大な機械仕掛けの人形たちがアリーナに足を踏み入れ、金属の腕がライトの下で光り輝いた。
アスカの笑みがさらに深まった。「戦闘サバイバルトライアルへようこそ!どうやら、対戦相手はあなたたちに会えてとても喜んでいるみたいね!」
生徒たちは一斉に恐怖で凍りついた。
「休憩時間もくれなかった!」綾音は叫びながら一歩後ずさった。
葵は顎を食いしばり、両手を握りしめ、そびえ立つ機械を見上げた。
「かかってこい」と彼女は呟いた。




