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[第一部完結]サラリーマンが異世界でダンジョンの店長になったワケ  作者: エルリア
第二十一章

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判明したこと

サンサトローズに到着してもちろん休めるわけもなく。


眼も回るぐらいに、いやマジで回るぐらい忙しかった。


空が黄色に見えてくる。


いや、マジで限界です。


少し休ませてもらうとしよう。


丁度いい所におあつらえ向きのソファーがある。


はぁどっこいしょっと・・・。


瞼おおろせばすぐに眠気が襲ってきた。


それはもう、後頭部を思いっきりぶん殴られるような勢いでだ。


あー無理、寝る・・・。


・・・・・・


・・・


「襲撃されたばかりだというのに良く寝れるな。」


「ん?」


「起きろイナバ、面白い事が分かったぞ。」


「面白い・・・事?」


「まだ頭は寝てるようだな、テナン何か持ってきてやれ。」


「かしこまりました。」


聞き覚えのある声がする。


この声は確か・・・。


そうだ、ここはププト様の館。


サンサトローズに到着してすぐ、先に連行されていた連中の様子を見に騎士団に行ったんだ。


その後事の次第をププト様に報告して、そのまま応接室で寝たんだっけ。


って事はそこにいるのは、ププト様か?


「俺以外にだれがいるというのだ。」


「すみません、寝てしまいました。」


「昨日から寝てないのであろう?」


「えぇ、まぁ。」


「あっという間に無理が出来なくなる、覚悟しておけ。」


「もう十分に老いを感じてます。」


「若造が何を言うか、そのセリフは私ぐらいになってから言え。」


ププト様って何歳だったっけ。


40代?


50…ではなかったと思う。


そこまでで更けてなかったはずだ。


「それで、何でしたっけ。」


「襲撃者が情報を吐いたぞ。」


「まさか。」


「もちろん一番上は黙秘を続けているが、末端まで教育できていなかったようだな。今わかっているのは三つ、奴らが隣国からやって来たという事、トーターという男に雇われたという事、そしてそいつが隣国の国王とつながっているという事だ。」


「それってかなりの情報じゃないですか?」


「あぁ、話に聞いていた以上に状況は良くないようだ。奴らがこの国の商人を攫って何をしようとしているのかは謎のままだが、有望な人材を狙っているというのは由々しき事態だ。」


由々しきってレベルじゃないよね。


人材の流出は国家の危機だ。


それが隣国、いわばこの間お会いしたミハエル様の国が関係しているわけなんだから。


国王とつながっているという事は、ミハエル様の父親がやっているという事。


荒れ放題の国を放置していったい何をやろうというのだろうか。


わからない。


わからないが、放置したらシャルちゃんが連れていかれてしまう。


それは何としてでも阻止しなければ。


ついでに俺の命も危ない。


「言いたいことはわかってますよ、また面倒な事を持ってきたな、ですよね。」


「よくわかるな。」


「私だってこんな大ごとになるとは思っていませんでしたよ。さらに言えば直接命を狙われるとも思っていませんでした。」


「それに関してはいつもの事・・・でもないか。」


「今までの相手が小粒に思えるぐらいの相手です。いや~、隣国の国王に恨まれるとか、直接迷惑はかけていないはずなんですけどねぇ。」


会ったことも無いし迷惑をかけたことも無い。


にもかかわらず目をつけられているとはどういう事だろうか。


「あくまでもトーターという男が国王とつながっているだけで、国王が命令したわけじゃないぞ?恐らくは国王の依頼を達成するのにお前が邪魔だっただけだろう。」


「なるほど。」


「誰も気づいていなかった隣国への人材誘拐事件。それを表沙汰にしたのはお前だからな、目をつけられるのは仕方がないだろう。」


「魔石の時といい気づかなさすぎません?」


「無茶を言うな、皆お前ほど暇じゃないんだ。」


「別に私も暇じゃないんですけど・・・。」


店に村にやる事は盛りだくさんだ。


ここ最近暇だって思ったことは一度もないぞ。


「ともかく、ダークスという男の本名が分かり目的もわかった。」


「そして私が狙われる理由もですね。」


「しかしあれだな、これほどの襲撃にもかかわらずよく無傷で奴らを捕まえられたものだな。」


「ソイル様が教えてくれたんです。」


「確か、土の精霊師だったか?」


「はい。たまたま近くにおられ縁あってお話させて頂いていた時でした。ソイル様が居なければ気づく事無く店を襲撃されていたでしょう。なんなら村を通過する時に悪事を働かれた可能性だってあります。」


俺が村長をしている村だ。


それこそ、火をつけられたり略奪されたり、もしかしたら虐殺が行われたかもしれない。


俺一人の為に大勢の村人が犠牲になるとか、考えたくもない。


もちろん店を狙われたら子供達に手がかかっていたことになる。


そんな事許せるわけがない。


今回は本当に運が良かった、そういわざるをえないだろう。


もっと危機感を持って行動しなければ。


「奴らは隣国から正式な方法で入国後、街道を通りサンサトローズで補給をしてから向かったらしい。その時に気が付いていれば・・・。」


「それは致し方ありません。」


「いいや、あのような馬車が村に行く理由などない。そこで怪しんで尋問していれば防げた話だ。」


「タラレバですけどね。」


「まぁ、そうだな。」


「ひとまずは警戒するしかできないとおもいます。可能であれば騎士団員などを村に常駐させるぐらいでしょうか。」


「前向きに検討しよう。でだ、その精霊師と何の話をしていたのだ?メルクリア殿も入れて精霊師が三人もそろうなど普通じゃ考えられんぞ。」


急に真剣な顔をするププト様。


そうか、今回の件とは別に自分のあずかり知らない所で何か起きているのではと勘ぐっているんだな。


領民の命を預かる身として、常にアンテナを張り巡らせている。


こういう人こそ上に立つに相応しい人だよなぁ。


「確かにソイル様とは一度お会いして話をしたいと思っていましたが本当偶然なんです。」


「その言葉信じていいな。」


「はい。何かあれば真っ先に相談しますよ。って相談で思い出しました。」


「なんだ?」


「実はですね・・・。」


俺は一連の流れを改めてププト様に説明をした。


「大雨の後の排水問題か。今回の雨は他の領地でも様々な問題を起こしている。まったく、迷惑な話だ。」


確かにかなりの雨だったもんな。


うちは排水問題だが、他の地域では洪水や山崩れなんかが起きたのかもしれない。


「ちょうどソイル様が来てくださったので排水関係に関しては直接本人に相談する事が出来ました。」


「で、その結果は?」


「スライム型浄化槽を設置し、排水を班れた川に向かって流せば問題ないとのことでした。多少難しい工事にはなるかもしれませんが、ソイル様の力を借りれば可能との事です。」


「そうか。」


「ですが、お忙しいようですぐにお受けしていただく事とはできませんでした。スライム型の浄水槽の建築が先ですし、これらに関しては改めて事業計画を提出しますのでご確認の上ププト様からソイル様に申請していただければと考えています。」


「疫病などの問題を考えれば早急に対処する必要があるだろう。わかった、計画書を確認した後申請しておく。」


「ありがとうございます。」


よしよし、これでひとつ片付いたぞ。


事業計画に関しては改めて村で話しあった後メルクリア女史に相談しよう。


村の開発は商店連合の許可も必要だからなぁ。


面倒だけど資本を気にしなくていいというのは助かる。


もうすぐ収穫もあるから、水路同様に冬になるまで取り掛かるのは難しいだろうけど。


「これからどうする?」


「二度の失敗と重要人物の捕縛、ならびに情報の流出状況から考えてよほどの馬鹿でなければ三度目の襲撃はないと考えています。」


「そうだな。自分の正体が判明した以上、下手に手を出すことはしないだろう。」


「サンサトローズ内での行方不明事件は騎士団の調査が進行中ですし、近隣の村々で同様の事件が起きていないかはホーン家の協力を得ながら同様に捜査中です。国中で同様の事が起きているかは・・・。」


「私の方から国王陛下に上申しておく。」


「よろしくお願いします。」


「また一つ功績が増えたな、俺も鼻が高い。」


「そしてまた目をつけられる理由が増えました。」


国内どころか国外からも目をつけられるとか、昔じゃ考えられられない。


もうただの商人でいる事は出来ないんだろうなぁ。


ま、それならそれとして仕事をするまでだ。


村も店もその他も、ひっくるめてやればいい。


家族の為にも頑張らない理由はないしね。


「くれぐれも気をつけろよ。」


「あはは、わかる範囲ではそうします。」


「新しい情報が分かったら連絡する。今日はもう帰っていいぞ。」


「では、失礼します。」


仮眠をとって少しだけスッキリした。


それじゃあ後は騎士団に言ってシルビアと合流、そして帰るだけだ。


早く子供達の顔が見たいよ。


入り口までテナンさんに送ってもらい外に出ると、見覚えのない馬車が止まっていた。


でもそこから降りてきたのはシルビアだ。


「シュウイチ、終わったか。」


「えぇ、今終わりました。」


「こっちも引き継いできた。後は騎士団がやってくれるだろう。」


「で、その馬車は?」


横づけされた馬車にはいつもの騎士団の紋章はついていなかった。


若干凹んでいる部分には緑色のしみがついている。


それはまるで草木でこすったような感じで・・・。


「これか?奴らから押収したやつだ。」


「いや、それは分かりますけどなんでここに?」


「もらった。」


「はい?」


「もちろんプロンプト様の許可はもらったぞ。」


「むしろそうでないと困ります。でもどうして?」


「やつらが輸送ギルドで買い求めたやつなんだが、捕縛した以上所有者がいなくなってしまった。押収物だが特に目ぼしい証拠もないという事で、払い下げてもらったのだ。」


押収物を払い下げって、そんな簡単に行われていいんだろうか。


確かに彼らが解放される可能性はないから、所有者はいないだろうけど・・・。


「村に一台、店に一台とのことだが当分は二台とも村に置こうと思っている。村長はどう思う?」


「確かにあれば馬車を手配しなくて済みますし、色々と助かりますけど。」


「なら決まりだ。よかったな、購入費用が浮いたぞ。」


あまり深く考えないことにした。


貰える物はもらっておけばいい。


返せと言われたら返せばいいだけの話だ。


馬車が二台あれば何かと便利になる。


買い出しも大勢で行けるし、非常時にも活躍するだろう。


冒険者の手が必要ならこれを使って輸送する手もある。


「まぁププト様の許可は出てるわけだし、いいか。」


「ちなみに、無事な馬も6頭程頂戴した。怪我をしたやつはこっちで処理してほしいそうだ。」


「引き馬に耕作用の馬まで・・・。大盤振る舞いですね。」


「それに見合う情報という事だろう。事が収まれば国王陛下から褒美がもらえるんじゃないか?」


「それがいつになるのやら、闇は深く全貌が明かされることはない気がします。」


「隣国が関係しているだけに面倒ではある。外交問題になる可能性も否定できないだろう。」


「そこまでするでしょうか。」


「それも調査次第だな。」


褒美は期待しない方が良さそうだ。


それでも馬と馬車で金貨10枚以上の価値がある。


ありがたく使わせてもらうとしよう。


「まぁいいではないか。お前も無事だったし、進展はあった。」


「そして馬と馬車が手に入った。」


「その通りだ。村の皆が喜ぶ顔が目に浮かぶな。」


「収穫もはかどる事でしょう。」


「よし、帰るぞ。」


「はい、帰りましょう。」


シルビアの操る一台目の馬車に乗り込み、サンサトローズの街を下ってゆく。


因みに二台目と残りの馬は騎士団の皆さんが連れて行ってくれるそうだ。


現場検証と街道の整地を行うらしい。


派手に大穴開けちゃったし、俺も手伝った方がいいだろうな。


張本人だし。



色々とわかってきました。

想像以上の相手のようですが、まぁいつもの事のように思います。

問題が問題だけに解決するかは謎ですが、それは彼の手腕次第でしょうか。

報酬としていい物も貰ったようですし、結果オーライ?なのかもしれません。


投稿時間一時間前の駆け込み投稿は久々です。

出来れば書き貯めしたいんですが、津島が私を呼んでいるんです。

ついでに言えばもう一つの方もストックが減って参りました。

出来るだけ頑張りますので次回もよろしくお願い致します。

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