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俺のチート

 それにしても体が軽い、あんなに戦たのに何故なのだろうか?確かめるように軽くジャンプをしてみる。


「おぉー」

剣やリザードの火炎袋といった荷物を持っていながらも、いつもより高く飛ぶことができていた。といってもせいぜい七十センチというところだ、それでも空でも飛んでいるように感じられた。もしかして俺レベルアップしてんじゃないのか!? そそくさと少し焦げている制服の内ポケットに入れていた冒険者ライセンスを取り出す。

レベル 二

力、十九 体力、三十七 持久力、二十八 マナ量、十 俊敏性、十二 防御力、三十二

スキル


 やっとレベルが上がったスキルはまだ表れてないけど、それにしてもレベル一上げるのにスライム七十八匹とリザード十匹も倒さないといけないとはゲームみたいにサクサクとは行かないな。平均がどれくらいなのか知らないからステータスが高いのか低いのかはわからないな。知ってるとしても俊さんのレベル二百以上の力、六百三十二 だからな参考にならないか、いや前の力は十五で今は十九、一レベルごとに四上がるとすると二百レベルになると……八百、てことは俺のステータス結構高いんじゃ、そういえば俊さん魔法使いだからあまり力のステータスが高くないだけの可能性が、考えてもわからないし考えるのやめよ。


 ––何か音が聞こえる。ガリガリ、ボリボリと何か堅いものを砕いているかのような音だ。音の正体を確かめるため振り向く。そこにクマのような見た目、だが大きさはクマの倍以上黒と少し薄い茶色のしましま模様、口にはサーベルタイガーのようなとがった牙で幸也が倒したリザードの死骸をむさぼり食っている。

あいつは確か、難易度ランクBのジャイアントベア、森の中にいる危険なモンスターの一種か。リザードの匂いにつられ森から出てきやがったのか?ヤバいぞ俺が全力で振った剣でもヒビしか入らなかったあの鱗をかみ砕いてやがる。早く逃げよう。

幸也は本能から今の自分じゃ勝てないと悟っていた。そもそも幸也には立ち向かう勇気すらない状態だ。足は震え、手に力も入らずどうやって逃げるか、それだけを考えていた。無理もない。人間、皆勇気があるわけもない、自分の三倍はあろうかというモンスターを目の前に剣一本で立ち向かうやつのほうがおかしいのだ。

 

 リザードはまだ一匹残ってる食われてる今のうちに。

幸也は町の方角に走り逃げていく。レベルが上がったからなのか、それとも火事場の馬鹿力というやつなのか陸上選手並みの速さで走っている。それにつられジャイアントベアも幸也を追いかけてくる。

(なんであいつ追ってくるんだよ、まだリザード残ってんだろ)

陸上選手並みの速さで走っているとはいえ所詮は人間、モンスターの足にかなうはずもなく着々と距離を詰められている。


 そうだ、俺は馬鹿かクマは動く物を追いかける習性がある。なんで気づかなかったんだあいつは大きいだけでクマに近い生物だってことに。


 ジャイアントベアに追いつかれ、手で腹を貫かれ血を垂れ流し幸也は地面に倒れた。

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