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俺のチート 2

 地面に広がる血液、少しずつ呼吸が薄れていく感覚、痛みを通り越し何も感じない。いや違う、痛みがない、傷もない。刺されたはずの腹を撫でる、少しだけついた腹筋、いつも通りの自分の体がここにる。ジャイアントベアは幻でも見ているかのように幸也をずっと見つめ続けている。


 どういうことだ、確かに俺の腹はあいつに貫かれたはず、地面にも俺の血がある、夢の中なのか?いや絶対に違うあの痛みは本物だった。俺はどうなってるんだ。考えろ何が起がおきたか。


 体の血をぶちまけ一時体温が低下し幸也は冷静になることができた。


「そういうことか」

もし俺の考えが正しいのなら勝てる、絶対に。


 幸也の頭からは恐怖の文字が消え、ジャイアントベアを倒すことだけが頭の中にある状態になっていた。

剣を構えじりじりと近づく。ジャイアントベアは幸也が近づくにつれ引いていく。

「おおおおお」

両手で剣を構え雄たけびを上げながら走り近づく。急に走り出してきたことに驚き二足歩行で幸也を最大限威嚇をする。幸也には威嚇は通じず右足を思いっきり切る、だがまだレベル二の男の攻撃ではかすり傷程度しか与えることができない。間髪入れず勢いのまま背中に回り込み剣を振り続ける。ジャイアントベアはあまりダメージを与えられない幸也の警戒度を下げたのか威嚇をやめ殴りつけた。幸也の腕は骨が粉々に折れ一瞬あらぬ方向に曲がる。

「痛、……たくない」

 殴られ折れたはずの腕が元の位置に戻る。

(やっぱりそうだ、俺のチート能力は、超再生だ。腹を貫かれた時、一瞬で穴がふさがったから死なずに済んだ。ようやく俺の無双劇が始まるのか)そうはいったもののどうやってあいつを倒すんだ?斬っては見たものの大きいダメージを負わせられてない。いやこの能力がある限りおれは不死身だ、斬るのをやめなければそのうち勝てるだろう。


 何も考えず剣で顔を切りつける、ジャイアントベアはお構いなしに突っ込み幸也を食おうとする、寸前で幸也は左手を突き出す。

「痛い痛い痛い痛い」

左腕を噛まれ幸也に耐えがたい痛みが襲う。

「噛みついてんじゃねぇ」

右手に持つ剣を左目に突き刺す。ジャイアントベアは怯み口をはなす。俺の腕大丈夫か?腕を見ると大きな牙の部分で噛まれ穴が開いている。一瞬にして肉があふれ出るように穴を塞いでいる。

(思ったより気持ち悪いなこれ)


 痛みで距離を取ったジャイアントベアを観察する。

 

 右目を切れば見えなくなるか。また腕を噛まれているうちにやるか、いやもうあの痛みは勘弁だな。どうやって目を狙うか、大きさ的に届かないからな、前足を切って組み伏せさせるか?色々考えてはみる物の自分より大きいモンスターとの戦闘はからっきしの初心者、何も策が思いつかなかった。

 

 幸也が考えているうちにジャイアントベアの痛みが治まり突撃してくる。(しょうがねえか)剣を左手に持ち替え右手に噛みつけと言わんばかりに前に出す。幸也の腕はまずかったのか、目を刺され警戒しているのかはわからないが噛もうとせず立ち上がり押しつぶそうとしている。いきなり立たれるとかなり怖い、生物が威嚇の時、自分を大きく見せる行為をするのも納得だ。少しひるんだがすぐ体制を立て直し、踏みつぶそうとしている足に剣を突き立てた。


 剣は突き刺さった。だが重さに耐えれず剣は折れ、幸也の腕も折れた。すぐに回復能力がある幸也は今のうち、とすぐさま右目を刺そうと向かう。がジャイアントベアは暴れている。超再生の力を過信してかお構いなしに幸也は突っ込み右目に折れた剣の先を差し込む。ジャイアントベアの視界を奪うことには成功したが右足は引き裂かれ、重いパンチを食らい十メートルほど吹っ飛ばされ幸也は気絶した。

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