冒険者になってきた
「金がない」
安い宿屋のベッドの上、幸也は今の現状に苦悩していた。どうやって生活していくか、宿代で一日二百マナ、三食飯を食べるとして三百マナ、そしてギルドに借りてる金、借金一万四千マナ。
この世界の通貨、マナは一マナ日本円にして十円相当と考えていいだろう。
「それにしてもこのバック十二万円もするのかよ、もうブランドバックだな」
幸也は普通に金に困っていた。別にこの世界の物価が高いわけではない、宿も一泊二千円の親切設計だし市場で売られてる食材は大体百円位普通に生活をしようと思えばやりくりできる。だが幸也にはこの世界の知識も料理スキルもなく外食で済ませているのが現状だ。それに加え冒険するのにも金がかかる。今現状金欠の幸也は剣を一本持ってるだけの貧弱冒険者なのだ。
「明日はもっと金を貰える依頼をやろう」明日のためと言うか娯楽がないのですぐさま眠りについた。
––クエストボードの前、幸也は必死に依頼を探していた、ランクD 解毒草の回収 報酬 一本二十マナ、ランクD ジャイアントクラブの討伐 報酬 一匹千マナ、ランクD リザードの討伐 報酬 一匹二百マナ ランクD 格闘ペンギンの討伐 報酬 一匹百五十マナ ランクD マンドラゴラの採取 報酬 一匹五百マナ 資格が必要。この中で一番稼ぐことができる依頼はジャイアントクラブか、だがあまり強いとレベル一の俺だと勝てるかどうか、考えてもわからんしメイリーさんに聞きに行こう。マンドラゴラ以外の依頼書を手に受付に向かった。
「メイリーさん」
「はい、なんでしょうかユキヤ様」
「この中でレベル一の俺でも稼げる依頼ってどれですか?」
「そうですね、この中ですとジャイアントクラブかリザードの討伐ですね。ジャイアントクラブは持って帰ると二千マナの追加報酬がありますが、大体二百キロ近くの重さがあるので今のユキヤ様では持ち帰ることは難しいでしょう。リザードでしたら倒した後火炎袋を傷をつけずに持って帰ることができるのであれば追加報酬二百マナが手に入りますのでユキヤ様にはリザードの依頼がおすすめです」
「じゃあリザードの討伐を受けます」
「はい、わかりました、では少々お待ちください」
リザード一匹二百マナ火炎袋を持って帰ればさらに二百マナ計四百マナ、スライム四十匹分、最初からこの依頼を受けとけばよかった。
「こちらナイフとリザードの図解です」
少し形状が独特なナイフとリザードと思われる絵が描いてある紙を渡された。
「ユキヤ様はリザードの火炎袋の位置がわからないと思いますので、この図解を見て解体してください」
「ありがとうございます」
急ぎ駆け出しリザードの生息地帯に向かった。
「それにしてもよく描けてるな」
幸也はメイリーからもらった図解を見つめ感嘆する。それもそのはず内臓の位置、火炎袋の取り出す手順やコツまで鮮明に描かれている。まずはリザードを見つけるところからか、確かあの巨木の大森林の近くに生息してるんだよな。
スゲェなこの木百メートル以上あるな、上を見上げ歩いていると。
「うわ」
何かに躓き転倒してしまう。
「いてて」
立ち上がりつまずいたものを確認する。そこにいたのはリザードだった、すぐに剣を取り出し構え戦闘態勢に入る。
リザードも踏まれたからかしっぽを突き立て威嚇していた。やべぇ図解に乗ってるやつならいけると思ったけど、結構怖い。それもそのはず犬くらいの大きさでトカゲのような形、口は大きく、体には堅そうで赤い鱗のようなものでおおわれている。
「オラぁ」
間合いを詰め大きく剣を振りかざす。だが堅い鱗に阻まれてしまう。リザードも攻撃され幸也を脅威と認識し炎をはいてくる。
「アッツ」
あまりの熱さに逃げ腰になり10メートル以上離れてしまう。(どうやって倒せばいいんだ?一応剣で斬ったとこにはひびが入っているが俺の剣の腕前じゃ同じところにあてるのは難しいそうだ確か図解には腹のほうからナイフを入れて解体するて書いていた、なら腹になら刃が通るてことだよな)
「ありがとうございますメイリーさん」
リザードは警戒し威嚇しながらこちらの様子をうかがっていた。幸也が剣を少し地面にかすめながら前進してくる。その動きに合わせてリザードも炎を吐く、だが幸也は止まらず突進する
「熱いんだよ」
リザードの目の前に立ち剣を上に向かって振り上げた。斬れる感覚が手に伝わる。その後リザードは動かなくなった。
「死んでるよな?」
確かめるように剣でリザードをつつく、それでも動かない。
「よし、リザード一匹目討伐」
その後もリザードを同じ方法で九体倒した。火炎袋のほうは図解通りにすべてきれいに取り除くことができた。
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