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仲間

 緊迫した状況、最初に言葉を発したのは幸也であった。


「俺が囮になるお前らはそのうちに逃げてくれ」


「何馬鹿なこと言ってんだ、お前ひとり残して逃げれるわけないだろ」


「馬鹿はどっちだ、今の状況が分かってねぇのか剛力の腕は折れて恵梨香も前の戦いでマナが消費されてる、そんなんで二体も倒せるわけなぇだろ」


「だからってお前一人置いて逃げれるわけないだろ、なんで一緒に逃げるって選択肢がないんだよ」


「逃げ切れないからだ、正人もわかってるだろあいつらの速さ、それにここは砂漠だ、だから俺一人囮になるのが最善の選択なんだよ」


「だからっておれはお前を見殺しになんかできない」


「正人、感情で判断してんじゃねぇ、皆で生きて帰るにはこれしかないんだよ、それに俺は大丈夫だお前も見てたんだろ俺が首を斬られても死ななかったとこ」


「お前の言う通りなのかもしれない、でもおれは絶対に残る何を言われてもな」


「お前本当に馬鹿なのかなんで俺が言ってることが分かんないんだよ、本当に分かんないんだとしても俺のことは見捨てろよ、まだ少ししか付き合ってないんだぜ、そんな奴のために命を落とさなくてもいいだろ」


「仲間を見捨てるような奴になるくらいなら馬鹿で結構、けどな付き合いが短いおれ達のために命を懸けようとしてるお前には言われたくない、まぁそんなお前だからおれはいやおれ達は幸也お前を仲間だと思えるのかもしれないけどな」


「っ」


「幸也は逃げることばかり考えてるがな誰が勝てないって決めたんだ、やってみなくちゃ分かんねぇだろうが。おれ達日本人軍団はいずれSランクになるんだぜこのぐらいの試練力を合わせて乗り越えてみようじゃねぇか」


「幸也さん今回ばかりは正人が正しいと思いますよ」


「幸也が僕たちを心配してるのはよくわかりました、安心してください回復系統の魔法は骨折しようが使えますから。それに僕が見た限り一瞬だけ幸也にも毒が効くんでしょ、なら僕の解毒魔法がお役に立てると思いますよ」


 幸也は説得することを諦めた、そして一緒に討伐しようと決めた。


 それはみんな何を言おうが何をしようがここに残り続けるとわかったからだ、もう一つ幸也が裏切られてもいいから人を信じてみようと思えたからだ。


「わかった、倒そう俺達の力で」


「そうだなでも、どうやって二体同時に倒せばいいんだ?」


「二体は俺が引き付ける、そのうち一体は俺が倒すからもう一体はお前らに任せる」


「二体同時に相手するって言うのか!!それでお前は平気なのかよ?」


「多分無理だ、だからお前らにも少し援護してもらう。尻尾を優先的に攻撃しろ毒さへなければ後は俺がどうにかする」


「それと恵梨香毒針が再生しないように魔法で傷口を塞いでくれ」


「再生しないように炎で傷口をあぶったりすればいいんですか?」


「それじゃあだめだ俺の経験上炎で焼かれても体は再生する、だから凍らせろ物理的に塞ぐんだ」


「わかりました」


「剛力は解毒魔法の用意をしといてくれもし俺に毒針がかすりでもしたら手を挙げて合図する」


「了解です」


「それじゃあ延長戦を始めようか」


 スコーピオンが同時に幸也達の元に凄まじい速度で迫ってくる。後ろには十メートルを超える砂埃が舞近づくにつれどんどん高くなっていく。


 その砂ぼこりは正人の一発の矢によってかき消される。


 正人の放った矢は右にいるスコーピオンに向かって真っすぐ飛ぶスコーピオンは反応できずに尻尾が貫かれて宙を舞う。


 つかさず恵梨香が魔法を放つ。


「フリーズパート」


 尻尾の方から凍り付きスピードが落ちていく。


 左にいるスコーピオンは気にすることなく幸也の方向へ一色線に突進してくる。


 幸也は剣に魔力をため足に力を入れて待ち構える。スコーピオンが幸也の射程圏内に入った瞬間足に貯めた力を解き放ち尻尾を斬りに行く。


 スコーピオンは幸也に反応し両バサミでブロックする、幸也は最初から自分の速度では反応されるとわかっていた、なので一発で仕留めようとせず、はなからハサミを斬る気でいた。


 読み通りの動きを取ってくれたおかげで簡単にハサミを斬ることが出来た。


 三個の凶器のうち二本を失った生物の動きは丸わかりだ尻尾でしか攻撃してこない。


 わかっていれば避けるのは簡単何か起きない限り幸也は尻尾を斬ることが出来るそう思っていた。


 迫りくる毒針をスコーピオンの体の上で躱すため重心を右に傾かせる。が右にいたスコーピオンが幸也の右足を仲間のスコーピオンに突撃しながらちょん切る。


 急に足がなくなりバランスを崩したがそれでも幸也は尻尾を斬ることに成功した。だがバランスを崩したせいでスコーピオンの毒針が幸也をかすめていた。


 ぶつかった衝撃で手を上げ固まりながら吹き飛ばされる。


「ポイズンヒール」


 剛力によって毒が抜け動けるようになった幸也は空中で体をひねり姿勢を変え綺麗に着地する。


「助かった」


「役目ですから」


 スコーピオンは幸也ではなく恵梨香の方に方向を向け突撃していたので急ぎ標的を幸也に戻すために突進する。


 幸也は堅い皮膚のせいで骨にヒビが入ったが注意を向けることには成功した。


「フリーズパート」


 幸也が突進したスコーピオンの尾に氷動きが鈍くなるその隙に止めを刺そうとしたがもう一方のスコーピオンは氷が解けて来たのか動きがよくなっており幸也を襲う。


 間一髪盾で防ぐことが出来たが動きが鈍くなっているスコーピオンが力を振り絞り足で足を貫いた。


(能力に頼りすぎて避けるのが下手だな俺)


 突き刺さった足を剣で斬り踏ん張りが効かなくなり倒れる。足は再生し元に戻るが盾を押したスコーピオンが幸也見下ろしていた。


 その時に正人が矢を放ち正確にコアがある部分をとらえ射抜きスコーピオンは絶命する。


 幸也もすぐ立ち上がり鈍っているスコーピオンの上に乗る。


 乗られたスコーピオンは幸也を振りほどこうとしているが尻尾が斬られた今、上に対する対抗手段は皆無、ただコアを破壊されるまで暴れることしかできなかった。


 コアを刺した剣を引き抜く。

 

 皆が集まっている方へかけて抱き合った。

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