Dランク昇級
粗末なベッドの上、幸也は今もなお、強烈な後悔を感じていた。それもそうだろう二万マナ、日本円にすれば二十万と言えば分かりやすいか、それを得れるチャンスがあったのにも関わらずそのチャンスを自ら棒に振ってしまったのだから仕方あるまい。異世界の知識なんて知らなかったのだから仕方ないと、いつもの幸也なら割り切って立ち直っていただろう。だが今回は一度はそのチャンスを掴める寸前の所まで行っていたのだから立ち直ることができずに行った。
そうだ! 明日クエストついでに取りに行けばいいじゃないか。少ない希望を抱き浅い眠りについた。
––––起きて早々すぐさまギルドに向かった。
「今日はこれを受けます」
「ジャイアントクラブですね、受け付けました」
「ジャイアントクラブには何か特別なものとかありますかジャイアントベアみたいな?」
食い入るように聞いてしまったせいか、少し頬赤らめて恥ずかしがっている。俺に気でもあるのだろうか?いつも優しくしてくれるし。 まぁ、俺の経験上これは勘違いだろうがな。
「ジャイアントクラブは食用以外には使われていないですよ。ですが初心者冒険者さんは甲羅を防具の素材になさっている方もいますね」
(モンスターの素材を防具に出来るとはこういうところはゲームぽいよな)依頼の場所へ向かう。
「ユキヤ様少しだけ待ってください」
なんだ初めて引き留められたぞ。
「––ユキヤ様はDランクに昇格なされました」
「!! マジですか」
「はい、本当ならば十回Dランクのクエストをクリアしていただいてなることができますが、ユキヤ様は難易度ランクBのジャイアントベアを倒しましたので特例でDランクに昇格させていただきます」
「本当にありがとうございます」
「いえ、これはユキヤ様のお力ですよ」
––俺も今日からDランクかあまり実感わかないな、にしても俺が最速でDランクに昇格するとは俺かなり強いんじゃないか。ギルドも俺の噂で大騒ぎだったしな。
Dランク最速の男としてちゃっちゃと依頼終わらせますか、と行きたいところだがまず剣を買わないとな。あの戦いで折れちまったし金も少しはあることだし奮発するか。
店の中に入り商品を物色する。
(前買った剣激安品だったんだな。どれもこれも今の有り金じゃ買えそうにない)
「なあ、ここに飾ってる高い剣じゃなくて安い剣はどこにあるんだ?」
「お前さん最速で昇格した奴だろ、ケチケチしないで高いの買ってくれよ」
「俺が昇格したこと知ってるのか?」
「この町じゃもうほとんどの奴が知ってると思うぞ。なんせ世界記録の十二日を大幅に超えた二日だからな」
「そうか。まぁそれは二日しか冒険に出てないってことで、お金は全然ない。だから五千マナぐらいの剣はないか」
「そういえばそうだな、ならほれこれやるよ」
五万五千マナの値札がついた下の刃が大きく出っ張っり、その出っ張りに大きく魔法陣が描かれ先のほうになるにつれ鋭くとがっている剣を手に取り幸也に渡した。
「いいのか?」
「いいぜ、お前に媚び売っとけばいいことありそうだしな、それに近くにお前と同じ異世界人が店出しちまってな、高ランクの冒険者の客がいなくなっちまったから俺の最高傑作のその剣売れ残っちまってんだ。まあちゃんと金はもらうから早いうちに払いに来いよ」
(日本人の俺からしたらかなりの押し売りのように思えるが、正直ありがたい。序盤から強い武器が手に入るこれはかなりのアドバンテージだ)
「その剣のカードの部分に魔法陣があるだろ、表の魔法陣にマナを流せばな鋭さが増す。裏の奴に流せば刃こぼれが治る。まぁ俺の最高傑作だから乱暴に扱っても折れることはねーぜ」
(借金は増えたがいい買い物ができた)
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