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ゆるっと街づくりin異世界~すべての種族が住む街を作れ!?~  作者: 下河スズリン


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92.シャーベットとハンバーガー

「これはっ……! おっ……美味しすぎるっ……! まさか氷がっ……こんなっ……!」


「うぉふっ」


 新たに街にフィノウを迎え入れた当日。

 俺たちの姿はキッチンにあった。




 フィノウを迎え入れた後。

 とりあえず、冬が終わるまでは屋敷に滞在してもらうことに決め、その後、せっかくだから実際に物を凍らせるところを見てみたかった俺は、フィノウにそう打診。

 フィノウも快く受け入れてくれたので、キッチンで実際に見せてもらうことになった。




「まあ、こんなものさ」


 そう言うフィノウの前にはいくつかの氷が鎮座している。

 肉、野菜、水……、さまざまな物が凍った氷塊だ。

 軽く叩いてみると、コンコンと硬質な音が鳴る。

 しっかり凍り付いているようだ。


 一緒に着いてきたシロがぺろぺろ舐めているが、特に溶ける気配もない。

 普通の氷とは違うのか?


「ああ、ボクの魔力を使って凍らせているからね、自分で言うのもなんだが普通の氷より硬いし溶けにくいよ」


 なるほど。

 凄いな。


「ふふっ、そんなに褒めないでくれ。溶ける。……ともかく、これでさっき言ったことに嘘が無いって分かってもらえたかな?」


 そんなすぐ溶けるのか雪妖精って?

 ……まあとにかくよく分かった、ありがとう。


 疑ってはいなかったが、そう俺はフィノウに付き合ってくれた礼を言う。


「お礼なんて全然かまわないさ! これから住まわせてもらう身としては当然のことだ」


 ……ふむ。

 それなら、もう少し見せてもらってもいいか?


「うん? ああ、もちろん構わないよ。次は何を凍らせればいいんだい?」


 俺は水もしっかりカチンコチンに凍っているのを見て、少し思いついたことがあったので、フィノウにそう声を掛ける。

 フィノウは快く受け入れてくれたので、俺は早速、オレンジを持ってきて思い切り搾り、そして搾って出た果汁をフィノウに凍らせてもらう。


「……言われた通り凍らせたけど。これをどうするんだい?」


 こうする。


 俺はそう言うと、創造神器のノミでその氷を柔らかく削る。

 普通の氷より硬かろうと創造神器なら問題なく削ることが出来た。


 フィノウはその光景を見てあんぐりと口を開けていたが。


「いや……そりゃあ驚くさ、当然のようにボクの氷を削るなんて……」


 まあ創造神器ならこれくらいたやすいことだ。

 そのまま氷を削っていき、器に盛り付けたら完成。


 そう。

 俺が思いついたのはシャーベットだ。


「これは? シャーベット? 食べるのかい? 氷を?」


 そうはてなをいくつも浮かべているフィノウに食べてみると良い、と声を掛ける。

 半信半疑ながらも口にするフィノウ。

 結果……とても感動しながらシャーベットを口に運び続けるフィノウが生まれた。


「なんて美味しいんだっ……! まさか氷にこんな可能性があったなんてっ……!」


「うぉふ」 シャリシャリ……。


 シロもオレンジシャーベットをシャリシャリと勢いよく食べている。

 シロもフィノウもとても美味しそうだ。

 だがそんなに景気よく食べ進めると……。


「うぉふっ!?」


「うぐっ!? なんだっ……頭がっ……!」


 言わんこっちゃない。

 頭にキーンと痛みが来たらしいシロとフィノウに、一気に食べるとそうなるからゆっくり食べた方がいいと忠告する。


「なるほど……これだけの美味しさの裏には代償がある。そういうことだね? ふっ……分かるよ。何の代償もなしにこの美味しさはあり得ない」


 何か変な勘違いをしているな……。


 正そうと思ったが、俺もなぜ冷たいものを食べると頭がキーンとなるのかよく分かっていない。

 確か、冷たいもの食べると頭が痛みの信号を出すんだっけ? 何でだ?

 まあそんなにわか知識なので、強く否定しきることも出来ず、フィノウの勘違いを訂正しきることが出来なかった。

 ……まあいいか。

 誰かに迷惑かけるわけでもないし。


 その後も、リンゴやブドウや牛乳でシャーベットを作り賞味。

 皆で舌鼓を打った。

 冬に食べるシャーベットもまた美味しいものだ。


 だけど、シャーベットで中途半端にお腹を満たしたからか?

 もっとがっつり食べたくなってしまった。


「ふむ……奇遇だね、正直僕もだ」


「ウォンッ!」


 フィノウとシロも同じ意見みたいだ。


 というわけで今度はちょっとガッツリめなものを作る。

 とはいってもシャーベットで少しお腹を満たしたしちょっと軽めの物……そうだな……。

 ……ハンバーグ作ったんだし、ハンバーガー作れるな。


 そう言うわけでハンバーガーを作ることにした。




 用意するのはハンバーグ……パティの材料、肉、卵、牛乳、パン粉、玉ねぎ。

 後はバンズとレタスとトマト、ついでにじゃがいも。


 まずハンバーグは前回同様に作る。

 玉ねぎをあめ色になるまで炒めたら他の材料と混ぜ合わせ、成型して焼く。

 だがこの時、ハンバーグとは違い、上からおもりを押しつけて、押しつぶして焼く。

 こうすることで表面がカリカリに焼ける。


 そしてパティを焼いているうちに次。


 バンズ用のパンを蒸す。

 やっぱりバンズと言えばフカフカ食感だからな。

 レタスとトマトはそれぞれ水洗いして、レタスはちぎり、トマトは輪切り。


 そして、次に用意するものはじゃがいも。

 そう、バーガーだけならここまででいいが、やはりバーガーにはポテトが欲しい。

 バーガーにポテトは神の組み合わせだ。

 きっと創造神器もそうだそうだと言っている。


 じゃがいもを棒状に切り分け、小麦粉を少し振って油の中へ。

 このまま数分揚げる。


 このタイミングでパティが焼きあがる。


 早速、蒸していたバンズにパティ、トマト、レタスを挟む。

 これでハンバーガーは出来上がり。

 レースピアバーガーの完成だ。


 そして、バーガーが出来上がったところで、ポテトも油から上げる。

 しっかりカリっと仕上がっている。


 これで二品とも完成だ。


 出来立てほかほかのうちにさっそく味わう。


「美味しいっ……美味しすぎるっ! この世界こんな美味が存在していいのか……!? 一体こちらの料理にはどんな代償が……!」


「はふっはふっはふっ!」


 代償とかないから。


 ハンバーガーはシロにもフィノウにも大好評。


 俺も食べてみるが……うん、美味い。

 ソースはまだ材料が足りなかったので、味付けはシンプルに塩胡椒のみだが……素材がとても良い。

 パティは噛めば噛むほどに旨味が溢れ出してくるし、レタスやトマトもその旨味に負けない味で口の中で一体となっている。

 ポテトもホクホク食感と優しく、しかし確かな甘みで岩塩の鋭いしょっぱさとハーモニーを奏でている。


 本当に美味い。

 多少料理が出来るだけの俺でもこんな……前世なら数千円は取れるであろうハンバーガーを作れるなんて……うちの作物の質が良すぎる。


 だけど欲を言うならチーズが欲しいな……。

 このバーガーの中にさらにチーズの濃厚さが加わればもう最強のはずだ。

 ソースのことも含め、マイコニンたちの仕事に期待だな。


 そうやって夢中になって食べ進めていると、ふと気配を感じた。


 うん? とキッチンの入口の方を振り返ってみると、そこには幾人かの姿。


 どうやら匂いにつられて集まってきたようだ。

 うん。

 まあ確かにバーガーとポテトは美味しそうな香りがするもんな。


 流石にあんな捨てられた子犬が餌を求めているかのような目をされたら、俺の心が耐えきれないので、集まった皆の分も作る。


 結構な人数が集まったので大変かと思ったが……。


「お手伝いします、代表様」


「私とシエルも」


「え? 私も?」


 結構な数が手伝いに回ってくれたので、あまり大変にはならなかった。


 そして大量のバーガーとポテトが出来、流石にキッチンでは狭いということで、広間へ配膳され……。


 えー、ではこれからフィノウの歓迎会を始めます! 乾杯!


「「「「乾杯!!!」」」」


 なぜかあれよあれよという間に歓迎会が始まっていた。


 いや、冬で皆暇しがちなのは分かるが……フットワーク軽くない?

 ……俺が言えたことじゃないか。


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