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ゆるっと街づくりin異世界~すべての種族が住む街を作れ!?~  作者: 下河スズリン


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86.積もった雪と雪だるま

 いや、嬉しい。嬉しいんだよ。フィーネもラウームも好きだし。でもこんなに急だとやっぱり心が追い付かないっていうか――……。


 もふ……もふ……。

 ぽよ……ぽよ……。


 フィーネとラウームが押しかけて来た翌日。

 俺はシロに埋もれながら、ムイの弾力を感じて気持ちを切り替えようとしていた。

(数日ぶり二回目)


 シロとムイは俺を受け入れてくれ、もふもふとぽよぽよを提供してくれている。

 ありがとう……。


 その厚意に甘え、俺は思う存分ムイとシロの感触を堪能する。

 そして十分後。



 よしっ! 復活っ!



 俺は気持ちを切り替えることに成功していた。

 まあ、いきなりのことで戸惑っただけで心から嬉しかったのは事実だしな。


 さて、気持ちを切り替えたところで。

 朝からシロに埋まっていたから気付くのが遅れたが今日はだいぶ気温が低くなっている。

 外を見てみたら……かなり雪が積もっていた。




 ゴロゴロっ……ゴロゴロゴロっ……!


 というわけで。

 俺は今、雪だるまを作っている。


 ……うん。

 自分でもいきなり突然何をやっているんだという気持ちが無いわけでもない。

 だが……こんな、俺の膝が埋まるくらいの積もりを見せられたらテンションが上がるのは当然のことだろう。


 そんな言い訳を心の中でしつつ、雪だるまづくりに精を出す。


「代表様。大きさはこんなもので良いのでしょうか?」


「せっかくならもっと大きく……」


「あはははっ! 雪をこんな風に固めるなんて初体験っすよー!」


「わたしも~!」


 そして、雪だるまづくりに参加しているのは俺だけではない。

 俺が外に出て雪遊びし始めたのを見て屋敷の中から参加者が集まってきたからだ。

 ハイラ、ルシュ、ラウーム、フィーネ……他にも続々と。


 というか、ラウームとフィーネは昨日のことは全然気にしていないっぽいか?

 出て来るや否や即座に自分達も雪玉を転がして固め始めた。

 いや、まあ。気まずくなるよりはましなんだが。凄く。


 ……まあ、別にいいか。

 せっかくの雪遊びの機会なんだ。楽しもう。


 そう考えて雪だるまづくりに精を出す。

 雪だるま作るのなんて前世の、それも子供の頃以来だ。

 こうやって転がしているだけでなんだか楽しい。


 そうやってごろごろと転がし……まずは胴体の雪玉が完成。

 考えなしに転がしたせいで、俺の身長と同じくらいの雪玉が出来上がってしまった。

 胴体なのに。


 まあ出来てしまったのは仕方がないので、そんな胴体に頭をどうやって乗せるかは未来の俺に考えてもらうことにしつつ、頭用の雪玉を転がす。


 周りの様子も見ながら転がすが……雪だるまにしている者は誰もいないな。

 ごろごろ転がして雪玉を作っているだけだ。

 まあ、雪だるまなんてこの世界無いだろうしな。


 そして胴体の雪玉より少しだけ小さい頭用の雪玉も完成し、さてどうやって乗せようかと俺が頭を悩ませていると。


「頭、何か悩んでいるみたいっすけどどうしたんっすか?」


 ラウームが俺に声を掛けてくれた。


 ああ、ちょっとこの雪玉を重ねたいんだがどうしようかと思って。


「重ねる……っすか? よくは分からないっすけどお手伝いするっすよ!」


 そういうが早いかラウームは土魔法を発動。

 するとなんと……俺の目の前の雪が集まってゴーレムが誕生した。

 俺はその雪のゴーレム……言うなればスノウゴーレムを前に目を丸くする。


 え? 雪で? ゴーレムって土から作られるんじゃ……?


「? そうっすよ? 雪も土みたいなもんじゃないっすか」


 いや、それはおかしい。


 俺はそう言うがラウームはきょとんとしている。


 そのままラウームはスノウゴーレムを動かし、俺が作った頭を胴体の頭に乗せてくれた。


 うん。

 まあ結果として雪だるまは完成だ!

 しかもかなり大きい代物。


 だけど……顔も何もないのが少し寂しい。

 せっかくだから顔を書きたいが……手を伸ばしても書けないな。

 口くらいなら書けるか?

 と、そう考えていたところで思いつく。


 なあ、ラウーム。

 このスノウゴーレム背中を階段状に出来ないか?


「え? それくらいなら簡単っすけど」


 それじゃあ頼めないか? ……ああ、あと階段状に変形させたらこの積んだ雪玉の目の前に立たせてくれ。


「はぁ……了解っす!」


 よく分かっていない様子だったが、俺の言うことならば、とスノウゴーレムを変形させて移動もさせてくれる。

 ありがとう……そうラウームに礼を言って、ゴーレム階段を上らせてもらって雪だるまに顔を描く。


 デフォルメされた笑顔を適当に描いた。

 前世でのイメージにのっとり、鼻部分はニンジンを持ってきて突き刺そうか、と考えたものの、ちょっとどうかと思ったので鼻は適当に雪を盛り付けてそれっぽい形にした。

 これで完全に完成だ。


 俺はゴーレムから降り、横にどけてもらって完成した雪だるまを眺める。


 ……我ながらいい出来じゃないか?


 うんうんと頷きながら俺は自画自賛する。

 気付くと……雪玉を転がしていた皆も集まってきて感想を口にしていた。


「なるほど……これが雪だるまなのですね」


「雪で作った球を上に二つ重ねて人型に……にしても流石主様。とても温かみのある顔です」


「ファンタスティック!」


「はぁー顔を描くためにゴーレムを階段に……役に立てて良かったっす!」


「いいな~わたしも描きた~い!」


 なんか増えてなかったか?


 そう思った俺が周りを見回してみると……いた。

 フォイルだ。


 俺が作った雪だるまの周りを回りながら興奮したように息を荒げている。


 ……うん。

 まあ、フォイルは怪盗と言うだけあって神出鬼没だしな。

 別に見てるだけならほっといていいだろう。


 さて、俺がお手本となる雪だるまを作ったからなのか、皆もそれに倣って雪だるまを作り出したようだ。

 さっきまで作っていた雪玉を早速重ねて雪だるまを作る者、雪玉をさらに大きくし始める者。

 どんな雪だるまにしようかとワクワクしながら作っている。


 それを見ていると俺もまだまだ作りたくなってきたな。

 もっと作るか。

 でも同じ雪だるまを作るのも……まあ全然いいが、せっかくなら別のものを作ろう。




 と、言うわけで出来たのがこちら。

 かまくらだ。


 作り方は至極単純。

 雪をもってハンマーで固め半円状にする。

 後はそれをつるはしで良い感じに掘って終わりだ。


 これまで幾度となく振ってきた俺のつるはし捌きなら簡単だった。


 そして俺はかまくらの中に入る。


 ふぅ……暖かい……。


 入った瞬間寒さが和らいだようなそんな感覚を味わう。

 やっぱり外気と遮断されるっていうのが大きいのかな? などとそんなことを考えながらかまくら内に腰を下ろす。


 作っている間どっかに行っていたシロとムイも入ってきた。

 かなり大きめに作ったとはいえシロが入るとかなり埋まるな。

 それでもお構いなしで入ってきた中で丸まるシロ。

 俺はそれに埋もれつつ、ムイを抱き締めてそのぷよぷよを味わう。


 あ~~……良い……ととのう~~……。


 その快適さに思わず俺はサウナでもないのにととのってしまう。

 やはりシロとムイの同時接種は犯罪的だ。


 そんな感じでととのいながら、俺は外の雪だるまに目を移す。

 俺がかまくら作っている間に結構いろいろな雪だるまが出来ているな。


 小さいものから大きいものまで、丸いものから四角いものまで。

 お手本に囚われずに皆思い思いに作っているみたいだ。


 ……一つ、気になることがあるとすれば……。


 雪だるまの顔。

 デフォルメされているが全部同じに見える。

 しかもその顔、なんだか少し見覚えがある。


 そう……その顔は言うなれば、美術館に飾ってある像の顔をデフォルメしたような……。


 と、まあ。

 軽く逃避していた俺に、シロが入ったのを見て寄ってきたルシュが答えをくれた。



「ああ、もちろんあれは主様のお顔ですよ」


 やっぱりか!!


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