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ゆるっと街づくりin異世界~すべての種族が住む街を作れ!?~  作者: 下河スズリン


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65.祭りの後片付けと新鉱石

 祭の夜が更けていった翌日。

 レースピア祭二日目──――も、無事終わり。

 さらに翌日。

 俺を含めた住人は、祭の後片付けに入っていた。


 いやぁ……初めての試みだったにしてはかなりいい線行ったんじゃないか?


 土で作っていたイスとテーブルをハンマーでたたき壊して撤去しながら俺はそう思う。

 屋台、複数日に分けての開催、新たな住人の紹介と……、開催前に会議で話していたことはある程度形になったと思う。


 いやまあ足りないことや気になったところもあったが……それはこれから定期開催するにあたって改善していけばいいしな。


 というわけで皆で片付け。

 祭で親睦を深め合っていたおかげか和気藹々と片づけを進めている。

 この光景を見たら祭りを開いてよかったって思うな。


「ああ、代表様。次はこちらの片づけをお願いします」


 ああ、了解。




 そうやって祭の片づけを終え、俺は気を取り直して動き出す。

 この祭りの後の独特の感覚に浸るのも良いが……街の発展のためにやりたいことはいっぱいあるからな。


 まず最初に……調査団を送る。


 これはパードから強い希望があった。

 祭が終わり、大量に人手を要する作業もない。

 だから調査団を再結成したい、と。


 パードは相当の熱量で俺に訴えかけてきていたが、俺はあまり乗り気ではなかった。

 なんせ毎回行っていた裂け目近くには関所を立てたからな。

 大がかりな調査団を組む必要はもうないんじゃないか? と思っていたんだが……。


「いえ! 主様! 断然必要です!」


「そ、そうか?」


「はい! 果ての森はとても広いです! 裂け目方向以外にも新たな住人がいるかもしれませんし、あるいは先んじて街の脅威を見つけることが出来るかもしれません! ですので、ぜひ結成を!」


 そうやって熱弁してきたバードの熱意に押される形で、俺は調査団の結成を決めた。

 パードの言うことももっともだったしな。


 今回の調査団メンバーは前とほぼ同じ。

 リーダーにパード。

 そしてハイコボルト、ハイエルフ、ハイドワーフ。

 ここの三種族のメンバーは前回の調査団で冒険の楽しさに目覚めたらしく、自分から志願してきた。


 そして少し違うのが護衛役のシロたちだな。

 今回はシロとリルはついていかない。

 前回は一緒についていったが、今回は子供達だけで送り出すらしい。

 俺はそれで本当にいいのかと聞いたものの、自分たちの子ならこれくらい出来ると。


 ……本狼たちも考えてのことであれば俺に何も言えることはない。


 くれぐれも気を付けるように、街の脅威を見つけようと意気込むのは良いが、それで自分達の身を危険にさらすことは絶対に避けるように、と、そう何回も念押しして俺は調査団を送り出した。


 心配ではあるが、今度は何を見つけてきてくれるのか……それは正直楽しみだ。




 そして次に、耕作。

 レースピアの食糧は、質は言うまでもないほど良いが、種類はまだまだだ。

 屋台もあまり種類を出せなかったことからそれが分かる。


 だがとてもありがたいことに……種類が増える機会に恵まれた。

 そう。

 新たに来てくれた移住者たちだ。


 なんと、彼らは作物の種を持っていた。

 しかもその種をこちらに譲ってくれるという。


 話を聞くにその種はいつかたどり着くかもしれない新天地で育てるために持ってきた物らしい。

 そんな大事な種を譲り受けて本当にいいのか、と聞いたものの……。

 彼らはこういった。


 こここそが新天地だ、それに暖かな食事に安全な寝床……こちらがもらったものに比べればこの程度何でもない、むしろこちらが貰い過ぎなくらいだ。だから遠慮なく貰って欲しい――と。


 ……そこまで言われたら断れない。


 俺は必ず立派に育てると約束し、種を譲り受けた。


 そして祭も終わり時間も取れたこのタイミングで種をまく。

 譲り受けた種は結構な種類があるので、しっかり距離を開けて。

 万が一にも失敗は出来ないしな。


 創造神器で畑を作り終えほっと一息。

 すくすく成長して欲しい。




 次。

 採掘。


 いろいろとやることが多くて新たな地層を全然更新できていなかった。

 今現在最深地層は第六地層。

 エメラルドとかが掘れる地層だな。


 ドワーフとノームも両方進化しているということもあり、俺でなくても第六地層を採掘することはできる。

 ……まあ、硬くて掘れない、とはまた別の理由で採掘はあまり進んでないが。


 まあそれはともかく、地層の更新を目指してみよう。

 そう決意した俺は早速ムイライトを頼りにしてつるはしを岩壁に打ち付ける。


 そうして大体一週間ほど。

 新たな地層にたどり着いた。


「ふぅむ……これは……!」


 どうしたんだ? イアン。

 めずらしい鉱石なのか?


「代表殿……ええ、そのとおりですぞ。正直目を疑いました」


 そんなにか?


「それだけ珍しいということですぞ。まずこの鉱石、隧音石と言いますが……」


 そう言ってイアンが黒っぽい石をこちらに渡してくる。

 ふむ? 何の変哲もないただの石に見えるが……。


「そのまま持っていてくだされ」


 そう言い残しイアンは、行動を引き返し俺から離れていく。

 俺が疑問に思っていると、イアンは俺から見えない位置にまで離れそして……。


「あーあー、聞こえておりますか? 代表殿?」


 そんな声が俺の手元から響く。

 俺はびっくりして取り落としそうになりながらも手元の……隧音石? を見る。

 間違いない。

 この石からイアンの声が出ている。


「……驚かれましたかな? これが隧音石ですじゃ」


 戻ってきたイアンが俺にそう告げる。


「この隧音石は、近くの音を一定距離内にある隧音石に転送する特性があるのですぞ」


 つまり携帯……いや距離に制限があるならトランシーバーみたいなものってことか?


「そのかなりの有用性ゆえ、いろいろな者がもとめましたが、見つかる量はかなり少なく……とても貴重な鉱石ですぞ」


 ……いろいろな者が求めた、か。

 まあ分かる。

 例えば争いとかでもこれの有無で勝敗変わるとか普通にあり得るだろうからな。


「残りの二つも隧音石ほどではありませんが貴重な鉱石ですぞ」


 なるほど……そっちも聞かせてくれ。


「はい、まずこちらは拡音石」


 拡音? ってことは……。


「代表殿はつい最近経験がおありでしょう、祭のあいさつで使われた拡声魔法と同じ、周囲の音を大きくする鉱石ですぞ」


 なるほど、これも便利だな……。

 声大きくして遠くに届かせたり……後はいきなり爆音出して獣除けにしたり?

 これもこれでいろいろ役に立つだろう、貴重だろうな。


「そしてこちらは変音石。聞いてみればわかりやすいですな。こ ん な ふ う にぃ~」


 っ!? 驚いた、いきなりイアンの声がおどろおどろしいものになった……。

 一発で分かったこれは……


「お察しの通りこれは音を変える鉱石。今はたまたま低くなりましたが他にもさまざまに変わりますぞ」


 はぁ……なるほどな。

 これはヘリウムガスというか……まあボイスチェンジャーか。

 一発芸とかに使えそうだ。

 あとは……何かのナレーションとか?


 ふむ……この三つの鉱石どれも確かに貴重だな。

 軽く考えてみただけでも夢が広がる。

 ぜひ多くほしい……けど。


 残念ながら問題がある。


「そうですな。第六地層もそうでしたが……第七地層はさらに深い。もう徒歩で持ち帰るのが難しいですぞ」


 そう。

 第六、第七地層辺りまでくると坑道もかなり長い。

 正直徒歩で持ち帰ろうと思ったらそれこそ丸一日がかり……もしくはそれ以上の作業になったって何らおかしくない。


 今回は俺がイアンを担いで創造神器の蹄鉄で走ってきたためあまり時間はかかってないが、他の者だと無理だろう。


 う~ん……ここまで来ると流石にトロッコが欲しいな……。


 鉱山の移動手段と言えばトロッコ。

 鉄はドワーフ、ノーム達がコツコツ掘ってくれてたから十分あると思うが……。


 ……うん、そうだな、作るか!


 ちょうど時間が出来たタイミングだし、それにケンタウロス便のための馬車も作ろうと思っていたしな!


 よし……次は人が乗るためのトロッコや馬車を作ろう!


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