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ゆるっと街づくりin異世界~すべての種族が住む街を作れ!?~  作者: 下河スズリン


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50.ノームの進化とゴーレム

 もうそろそろ今年二回目の収穫が出来そうだと俺が考えていたある日。


 ノームが進化した。


「やったっ!来たっすっ!そろそろ来るかもとは思ってはいたっすけどっ!来たっすよぉ~!」


 俺がいるのはノーム区画、ノームたちの自宅前。

 俺の目の前でラウームがとてもはしゃいでいる。

 他のノームたちも同じだ。


 俺ははしゃいでいるノーム達の様子を見る。

 小柄だったその姿は、それなりに大きくなっているな。

 しかもなんだか……スタイルもよくなってるか?

 ……目線は意識して顔に向けよう。


 それにしても……ドワーフは進化しても大きくならなかったが、ノームは大きくなった。

 コボルトたちと同じだ。

 種族によって違うのかな? まあいいか。


 にしても……おそらく今日だろうとは思っていたがドンピシャだったな。

 さすが創造神器。

 今回の進化の前兆もばっちり感じ取れた。

 さて……。


 まずはおめでとう、ラウール。

 ノームたちも。


「頭!ありがとうっす!自分がクイーンノームに、そしてみんながハイノームになれたのも全部頭のおかげっすよ!自分ら……ほんと、心から感謝してるっすぅっ!」


 全部ってことはないだろう、こっちもたくさん助けてもらってるしな。


「いやいや!自分らの方が助けてもらい度は遥か上っすよ!だから何度も言わせてくださいっ!ありがとうございますっすっ!」


 ラウームがそこまで言うなら素直に受け取らせてもらおう。

 どういたしまして。


「はいっす!」


 さて、早速なんだが……進化して何が変わったのかとか自分で分かるか?

 体格以外で。


 俺はそうラウームに聞く。


「はい!やっぱり一番は魔力っすね!漲ってるのを感じてるっすよ!」


 ふむ。

 それを聞き俺は創造神器で魔力を感知してみる。

 すると。


 確かに……前より明らかに多いな。


 そう確信できるほどにラウームの魔力は増えていた。

 他のノーム達の魔力も感知してみるがこちらも同じだ。


 ノーム達の進化は体格と魔力に変化を及ぼしたのか。


 さて、魔力が増えたと聞いたら試してみたくなるのが人情というもの。

 それは精霊も同じようで……ラウーム達はとてもキラキラした目でこちらを見つめている。

 どうやら進化した自分たちの力を試したいみたいだな。


 あー……それじゃあまた行くか。

 進化後の力お試しツアー。





 ということで再びやってきました森の中。


 メンバーは俺、ラウーム、ハイノームたち、ハイラ、ハイエルフ数人、計十二人。


 ……いや多いな!

 前回ほどじゃないけど!


 ふぅ。

 なぜこうなったのかというとだ。




 俺はまず、森の入るに当たってハイラに着いてきてもらおうと思った。

 進化したハイラはこの果ての森にさらに精通した。

 ゆえに力を試す相手として角兎を見つけてもらおうと協力を仰ぎに行ったのだ。


 ハイラは快く協力を承諾してくれた。

 だが――


「代表様のご用命であれば当然拝領いたします。ですが……私一人ではなく他の者達も連れていきたく」


 ? まあ、別に構わないが……どうして? 一人じゃ見つけづらいとか?


「いえ。主様のお頼みであれば一人で何万体だろうが見つけてみせます」


 いや、さすがにそんな数の兎一人で見つけろなんて言わないが。

 言ったら鬼畜すぎるだろ。


「人を増やしたい理由は護衛の為です」


 護衛? 誰の?


「代表様の護衛です」


 えっ? 俺?

 ……必要?


「必要です」


 いやーさすがに大げさじゃ……


「必要です」


 で――


「必要です」


 ……はい。


 俺は押し切られた。

 そういうわけでハイエルフが数人増えた。




 と、まあこんなわけで俺が想定していた人数から倍ぐらいに膨らんだわけだ。

 確かに多いとは思ったが不都合はない。


 早速ハイラたちに獲物を探してもらう――


 前に。


 まずはラウームたちに進化した土魔法を見せてもらおう。


「了解っす!自分達も試したくてうずうずしていたところっすよ!それじゃあ……行くっすよ~っ!」


 そう言うとラウーム、そしてハイノーム達は腕を上に掲げ目を閉じ集中する。


 それから数秒後、目を開けたかと思うと――


 ゴゴゴゴッ!


 そんな音と共にラウームたちの目の前の地面が持ち上がり、形を変え……。

 巨大な土の巨人、ゴーレムが出来上がった。


 いや……凄いな……!


 軽く五メートルはあろうかというゴーレムが瞬く間に組み上がるのを見て俺は強く衝撃を受けた。


「ふっふー、進化した自分らにかかればこんなのらくしょーっすよ!」


 ラウームたちは胸を張っている。

 まあ実際凄い。

 こんな大きいゴーレムが作れるなら、戦闘だけじゃない。

 建築なんかにも使えるだろう。

 人型のクレーンみたいな使い道だな。


「もちろんそういう使い方もできるっすよ!……まあでもその分の土は用意しなきゃっすけど。それに今はこのサイズで作りましたっすけどその気になればもっと大きいゴーレムも作れますっしね!」


 さらに大きいゴーレム?

 これ以上のものとなればそれこそもうビルなんかのサイズだろう。

 そんなサイズが作れるとなれば、ビルサイズの巨人が高層ビルを作る……なんてとんでもない光景が生まれるんじゃないか?

 凄まじいな。


「ありがとうございますっす!よーし、それじゃ早速コイツの性能も試してみたいんすけどいいっすか!?」


 もちろんかまわない。

 ハイラ。


「もうすでに見つけてあります。こちらへ」


 さすが仕事が早い。


 そうしてハイラの先導でたどり着いた場所には……二頭鹿が居た。


 えぇと……ハイラ?

 なんで二頭鹿なんだ? 今までの流れなら最初はまず角兎だろう?


「はい、ですがあのゴーレムを見る限り、十分相手どれるだろうと判断いたしましたので」


 まあ、それは確かにそうかもだが……。


「あと、いくら何でもこのサイズのゴーレムが動くと、角兎には逃げられる恐れがありますので」


 ……まあ、うん。

 それはその通りだな……。


 ここに来るまで、ラウームたちの操作でゴーレムも連れて来ていたんだが。

 歩くたびにずん……ずん……と、腹に響くような振動を起こしていた。


 ラウームたちの操作が上手く、その大きさからすれば小さい振動で、距離を取っている分には気づかれないが、近づいたら流石に気付かれるだろう。

 そしてこの森の魔物は兎も鹿も好戦的だが、兎が鹿に仕掛けている場面は見たことが無い。

 さすがの兎でもよほどのサイズ差があれば戦いを挑まないのだろう。

 ならばこの五メートル近くあるゴーレムにも同じく角兎は戦いを挑まない。


 それを考慮して二頭鹿の方に誘導したと言うわけだな。


 それなら、うん……。

 それに最悪の場合は俺が何とか――


「いえ、もしもには私どもが対応いたしますので代表様は下がっておいてください」


 え? いや俺がやる――


「下がっておいてください」


 ……はい。


 俺がそんなやりとりをハイラとしていると。


「よし!行くっすよー!」


 ラウームたちが気合を入れてゴーレムを二頭鹿にけしかけた。


 その結果。


 勝った。

 あっさりと。


 心配する必要全くなかったな……と俺が思うくらいあっさりだった。


 ゴーレムはまっすぐ二頭鹿に近づき、接近に気付いた二頭鹿はゴーレムに思いきり突進。

 どがんっ!と、轟音を立て衝突したモノのゴーレムはびくともせず。

 そのまま両手で二頭鹿の頭を両方かち割り、勝負はついた。


「はっはっはっすーっ!これが進化した自分らの力っすよー!」


 再びラウームがほくほく顔で力をアピールしている。

 まあ、数人がかりでとはいえ、角兎よりもさらに強い二頭鹿にこんなにあっさり勝てる程になったんだ。

 テンションも上がるってものだな。


 おめでとう。

 良かったな。


「頭!これもすべて頭のおかげっすよ!ほんっとーにっ!ありがとうございますっすっ!」


 そう言うとラウームたちは皆揃って俺に頭を下げてくる。

 ガバァッ!という音が聞こえてくるくらい勢いよく。


 い、いや。

 こっちもいつも畑や山でお世話になってるしな。

 お互い様だ。


「……さすが頭っす……っ!器が広いっ!一生ついて行くっすよっ!」


 普通の事言ってるだけだと思うんだが……まあいい。

 これからも街を発展させていくためによろしく頼む。


「はいっすっ!」


 そんな感じで、ノームたちが進化した日は過ぎていった。



 ちなみに。

 二頭鹿はゴーレムに運んでもらい、ノームたちの進化記念パーティーの食材に使った。

 運搬にまで使えるとは……夢が広がるな。

 そんな事を思いながら、二頭鹿を皆で美味しく頂いた。


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