表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆるっと街づくりin異世界~すべての種族が住む街を作れ!?~  作者: 下河スズリン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/52

05.畑づくりと二頭鹿

 翌日。


 俺は草原を創造神器で掘り返していた。

 昨日見つけた種を植えるためだ。

 

 つるはしで畑を作るのは自分でも正直どうかと思ったが、今、創造神器はつるはしと斧にしか変えられないからしょうがない。

 まあ創造神器のつるはしならばだいたいだが一メートル範囲を一気に掘ることが出来るので、あまり苦労しなかった。

 それにどうせ種一個分の畑だしな。


 一応多く実った時のため五メートル四方ほど掘り返しておいた。

 これでちゃんとした畑になっているかもわからないが、とにかく試してみよう。


 俺は掘り返した場所の中心に種を埋める。


 さて、埋めたら次は水だ。


 思いついたことがあり、ムイに手伝ってもらう。

 ちなみにシロは俺が畑を作り出すと森に入っていった。

 おそらく狩りに行ったんだろうと思う。


 俺はムイを連れ川に向かう。


 ムイはいつも狩った角兎を丸ごと飲み込み皮と毛をはいでくれている。

 ということは飲み込んだものを任意で出すことが出来るということだ。


 なら……水も出せるんじゃないか?


 そう聞いてみると、ムイはまるで出来るとでもいうようにぷるぷる震えている気がした。

 

 ので、やってみた。

 

 川にムイを浸す。

 そしてその後、畑に行き水を出してくれるように頼む。


 すると……。

 

 出た。

 水が。

 

 ちょろちょろと水が種を植えた場所に着弾する。

 

 うおお……便利だ。

 スライム式水やり。

 

 俺はムイを撫でまわす。

 ぷるぷると激しく震えて喜んでくれているようだ。



 後は畑と家予定の場所を囲むように土を盛ってバリケードを作っておく。

 ちゃんと出入り口を作っておくのも忘れない。

 

 さて、畑はこのまま様子を見ればいいとして……次は本格的な拠点だな。


 畑の近くに家を作ろう。

 家を作ったことなんてないから試行錯誤しながら作ることになるだろうが……。

 まあ畑の様子を見ながらゆっくりやればいいか。






 そうして一週間ほど経ったんだが……。


 驚いたことがある。


 まず一つ。

 畑に植えた種の成長が考えていたよりずっと早い。


 なんとこの種、植えて一日で芽が出た。

 それを見たときは無事に芽が出てくれた興奮から思い足らなかったが……。


 一晩明けると疑問に思った。

 普通はもっとかかるんじゃないか?


 その後も成長を観察していたんだが成長が明らかに早い気がする。

 ま、まあ重要なのはこれが食べられるものであるかどうかだ。


 創造神器を向けてみたところ危険は感じないので毒はないようだが……。

 食べられる植物だといいな。


 そして次に驚いたこと。


 シロがデカくなっている。

 明らかに。


 出会った当初シロは俺の足首ぐらいまでの大きさだった。

 それが今ではもう膝のちょっと下くらいまで大きくなっている。


 理由はおそらく、食事だろう。


 この一週間……シロは一日およそ七匹の角兎を狩ってきた。

 肉の内訳は、俺一、ムイ一、シロ五。


 そう五だ。

 シロは一匹で五匹の角兎を食っていた。

 俺は体力を戻すために多く食べているのかと思い、特に違和感も覚えず焼いてあげていたのだが……。


 まさか成長のためだったとは。

 いやまあ大きくなるために食べるのは当然のことか。

 自分で狩ってきているわけだし別に問題はない。


 でも俺に焼いて塩を振ることを求めてくるから、このまま食事量が増えたらかなりきついかもしれない……。


 まあ。

 後のことは後で考えよう。



 そして本命の家づくりだが……。

 まああまり上手く作れてはいない。


 まあ仕方ない。

 俺は建築の経験なんてないからな。


 それでもまあ斧で木を切って組み立てることはできている。

 このまま試行錯誤していけば、簡単な小屋ぐらいは作れるだろう。





 そんなわけで俺は今日も畑の様子を見つつ家づくりをしていたんだが……。


 狩りに出ていたシロが走って帰ってきて、俺に吠える。

 何があったのかとそちらの方を見ると、シロは森の中をにらみ何かを警戒しているようだ。


 俺はそれを見て創造神器を構え警戒する。


 そうしていると、木々の間から大きい影がのっそりと踏み出てきた。


 それは鹿だった。

 だが俺の知っている鹿とは違う場所が二つある。


 一つは大きさ。

 その鹿は俺よりもデカかった。

 もしかしたら三メートルくらいはあるかもしれない。


 そしてもう一つ……。


 その鹿には頭が二つあった。


 え?頭が……二つ?


 俺は自分の目を疑った。


 鹿には角が絡み合った結果二頭一緒に動かなければならなくなるものもいるという。

 この鹿もその類かと俺は鹿をしっかり観察してみる。


 だがやはり頭が二つあった。


 俺は混乱するも気を取り直し、創造神器を構える。

 創造神器からは危険反応が伝わってきている。

 シロが警戒しているからうすうす分かってはいたが……鹿はこちらに敵対的なモンスターのようだ。


 さて、どうするか……。

 逃げるか?でも森の中で鹿から逃げきれるかもわからないし、このままこの周辺に居座られたら作業に差し支える。


 俺は悩んだが鹿は待ってはくれない。

 こちらへゆっくり進み出てきた。


 そこで俺は覚悟を決める。

 せっかく作り始めた拠点だ。

 失いたくはない。


 俺は創造神器を鹿の首を狙って振り向く。

 抵抗はなかった。


 ストン。

 と鹿の二本の首が落ち。

 ずぅん。

 と鹿の身体が倒れた。


 はぁ~……よかった……。

 創造神器なら何とかなるだろうと思っていたけど……そうなってよかった。






 かなりビビる出来事だったが、かなりの量の肉が入手できた。

 だけどさすがにこの量は食べきれないな。


 その内やろうと思っていたけど肉の保存を真面目に考えよう。


 確か…塩をすりこんで水分を飛ばして……風通しがいい場所に干せばいいんだったか。


 俺はさっそくムイに鹿の皮と毛をはいでもらおうとした。


 だが。


 明らかにこの鹿はデカすぎる。

 ムイでは全身を包み込むことが出来ない。


 ここまでムイに頼ってきたが……とうとう自分で解体をしなければならない時が来たか。


 俺はシロに角兎を一匹狩ってきてもらいその角兎で解体を練習した。


 そうしたらいつもと違うことに気が付いた。

 角兎の体内に、小指の先ほどの小さい石が埋まっていたのだ。


 普段食べていた肉にはこんなもの入っていなかった。

 俺が不思議に思っているとムイがその石を取り込んでしまう。


 う~ん……正体はわからないがムイが欲しがるなら与えていいか……。


 俺は解体の練習を終え、鹿を解体し始める。


 角兎はあまり大きくないので創造神器(斧)で解体するのは難しかったが、鹿はかなりデカい。

 練習したこともありそれなりに上手く解体することが出来た。

 血を抜くのは角兎より大変だったが……。


 そして解体を終えるとこの鹿の体内にも石が入っていた。

 角兎の中にあったものと同じ石だ。


 だが大きさが違う。

 鹿の体内にあったものはこぶしほどのサイズだった。


 やはり正体はわからないが、ムイがぽよぽよ飛び跳ねてほしがるのでムイにあげることにする。

 いつも世話になっているしな。


 そして鹿の肉を切り出した後、焼いて食べることにする。

 解体の時創造神器に危険反応はなかった。

 なら食べられるということだ。


 調味料は岩塩だけだったが、二頭鹿の肉は角兎に肉よりジューシーで、肉を食っているという感じがした。

 それでもまだ岩塩の味には負けていたが……。


 シロも喜んで食べてみたし、兎肉だけじゃ飽きが来る。

 また食べられるチャンスがあればいいな。


 さて、食べ終わった後俺はバリケードを拡張することにする。


 角兎なら今のバリケードで求められるだろうが、あの鹿クラスのデカブツ相手では不安が残る。

 そう考えて俺はこの場所周辺を囲むように堀を作ることにした。


 創造神器つるはしで周囲を掘っていく。


 さすがは創造神器。

 一メートル範囲ほどを一気に掘ることが出来るので、日が傾く前に作業を終えることが出来た。


 創造神器には助けられてばかりだな……。

 改めて神様にも創造神器にも感謝の念を伝えておく。


 よし……これでまたあの二頭鹿が来ても止められるはずだ。


 このまましばらくは家を作りながら畑の様子を見ていることにしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ