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ゆるっと街づくりin異世界~すべての種族が住む街を作れ!?~  作者: 下河スズリン


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04.岩塩発見と子犬との出会い、そして種

 そうして、三日ほど経った。

 この間、俺は周囲の探索をしていた。


 一番大きな発見は……


 川。


 そう川だ。

 仮拠点にした洞窟から、最初に居た草原を挟んだ逆側の森に川があった。

 最初にこっちに入っていたら簡単に見つけられたな……。


 いやでもそうしていたらスライムに出会えなかったし、洞窟も見つけられなかった。

 それを考えるとこっちの方が正解だったな。


 創造神器を川に向けてみると、なんだか少し危険があるような気がする。

 湧水があるし、飲料水にするのはやめておくことにした。


 余談だが、魚は全く見当たらなかった。

 いないのか俺に見つけられないだけかはわからないが……。

 釣り具なんかもないし、食料に切羽詰まってるわけでもない。


 それ以上捜すこともなく川を離れた。



 次の発見は兎の数だ。


 初日はたまたまかと思ったが、初日以降も一日一匹ペースでエンカウントしている。

 肉に困らないのはいいが、この兎もしかしてかなり繁殖しているのか?



 それと鉱石。


 火打石? っぽいものが出たので他にも何か出るかと洞窟周辺の壁を掘ってみた。

 探索の合間に軽くだが……。

 出たものは、火打石、赤い宝石、白い結晶の三つ。


 火打石はいいとして、残り二つは何なのかも使い方もわからなかった。

 だが、その日のうちに白い結晶だけは使い道が分かった。


 それは試掘を終え、食事をしていた時のこと。

 調味料なしの食事が数日続いたため、俺は愚痴をこぼしてしまったのだ。


「はぁ……せめて塩があれば……」


 と。

 すると、それを聞いていたスライムが白い結晶をこちらへ押し付けてきたのだ。

 俺は何をやっているかわからずやんわりと手で押し返していたんだが……。


 業を煮やしたのかスライムは急にジャンプし、俺が食べていた兎肉に白い結晶を擦りつけてきた。


 すると肉に白い結晶が粒状になりくっついたのだ。


 まさかと思い俺はおそるおそる肉を口に運ぶ。

 と、じゅわっ!っと旨味がはじけた。


 やはりこれは……塩だ!

 この白い結晶、岩塩だったのか!


 俺は夢中で肉に食らいつき、あっという間に肉を食いつくしてしまった。

 数日ぶりとは言え塩の味を感じることが出来て、かなり気が楽になった。


 何度目かもわからない感謝を込めてスライムを撫でつけ、暇があったらこの周辺を掘ろうと俺は胸に決めた。






 そうして俺は今日も探索と採掘をしていたんだが……。

 本日の探索を終え仮拠点に帰ってくると、見慣れないものがあった。

 いや、いた。


 土で汚れた犬の子供が土のバリケードにもたれかかるように倒れている。

 よく見れば土汚れの中に赤いものも見える。


 まさか……怪我しているのか?


 創造神器を向けてみても危険反応はない。

 俺は急いで子犬を担いで洞窟の中に戻る。






 洞窟の中、湧水をかけて子犬の身体を洗う。

 痛いかもしれないが傷口が汚れたままよりましだろう。


 そうやって洗うと気づいたが、この子犬……毛並みが真っ白だ。

 アルビノってやつか?

 それともそういう異世界の犬種?


 そして傷口が……ない。

 いやないというよりふさがっている……のか?


 これなら暖かくして栄養を取れば十分回復できるかもしれない。


 俺は子犬が十分に寝転がれる範囲の土を柔らかくし、そこに子犬を寝かせ、上に草をかける。

 そして果実と兎肉を用意し、子犬が起きるまで見守ることにする。


 見守ることに。

 したかったのだが。


 俺はそのまま寝入ってしまった。


 理由はいくつかある。


 探索と採掘でそれなりに疲れていたこと。

 子犬の傷はふさがっていて、今すぐに命の危険はなさそうだったので安心したこと。

 創造神器に危険反応はなかったので気を抜いてしまったこと。


 それらから俺は熟睡してしまった。






 頬に何かぬるぬるしたものが当たっているような……そんな感覚で目を覚ます。


 目を開けると……子犬が俺の頬を舐めていた。


 びっくりしてつい子犬の身体を両手で抱えてしまう。

 子犬は舌を出して喜んでいるようだ。


 落ち着いた俺は子犬を下ろしその全身をチェックする。

 やはり傷口はふさがっているようだ。

 真っ白い毛並みにはどこにも赤が混じっていない。


 俺が胸をなでおろした。


 洞窟の入り口から光が入ってきている。

 どうやら丸一晩眠ってしまったようだ。


 さすがに気を抜きすぎかと反省する。


 子犬が反省している俺の手に顔を乗せ、こすりつけてきた。


 ……お~……よしよし……。

 ハッ……つい可愛さに飲まれてしまった。

 いけないいけない。

 反省しないと。


 ん?そう言えば……拠点で一晩一緒に過ごしたのにあの声が今回は来なかった……。

 スライムと子犬で何が違うんだ?


 分からないが……分からないことを考えすぎても仕方がない。

 時間は待ってくれないんだ。今日の探索に出ることにしよう。


 今日の探索は食料収集にする。


 子犬とはいえ食い扶持が増えたんだから、まずはその分の食料を確保しないと。

 今日は果実を多くとり、出来れば兎を多く狩ることにしよう。

 できれば兎が多く見つかってくれればいいんだが……。


 そう決めて俺は洞窟の外に出る。

 すると子犬も俺についてきた。

 スライムは当然のように肩に乗っている。


 俺は子犬にケガをしていたんだから洞窟の中でじっとしておけと声をかけたんだが、言葉が通じていないのか、それともどうしてもついてきたかったのか……。

 犬は戻ることはなかった。


 しょうがなく俺は犬を連れて食料を確保しに行く。






 果実の採取場所にたどり着き、もぎ取ろうとしていると茂みが動く。

 兎が来たかと思い、俺は創造神器を出して子犬をかばおうとする。


 だがそれよりも早く子犬が走り出したと思ったら、飛び出してきた兎の首にかみついた!


 俺がかたまっているとそのまま兎は動かなくなった。

 そして子犬は俺の足元に動かなくなった兎を置いておすわりした。


 お前……そんなに強かったの?


 ついそう思う。

 だがすぐに我に返り子犬を撫でる。


 俺に代わって獲物を狩ってくれたんだろうしな。

 頭だけじゃなく首元なども撫でてやると、子犬は気持ちよさそうな声を出した。


 ははは、こいつめこいつめ……。


 つい夢中になって撫でていると、ちょんちょんと何かに突かれる感覚がする。

 そちらを見てみると、スライムがいつも通り兎から肉だけを取り出し、自分も褒めてというようにぷるぷる震えていた。


 俺は当然二匹とも目いっぱいなでた。


 撫で終わった後、俺は探索を続けていたのだが、そこでも子犬が大活躍した。

 俺が気付く前に森の中に走り出し、兎を狩ってきたのだ。しかも三回。


 その後も狩りに走り出そうとしたので、俺はもう十分だと声をかけた。

 俺の意思が通じたのかそのあとは走り出すこともなく、俺の周りを走り回っていた。






 その後俺は洞窟に帰ってきた。

 子犬のおかげで思ったよりも早く食料を集め終わったので、採掘をしに帰ってきたのだ。


 一応ある程度掘れてはいるが、岩塩をもう少し掘っておきたい。

 俺はそう考え、少し深めに洞窟周辺の壁を掘っていく。

 とはいっても崩落が怖いのでほどほどにだが。


 すると、かつん。と、創造神器つるはしに何か掘り当てたような感触がある。

 岩塩だったらいいなと俺が掘り当てたものを見たところ……。


 それは種だった。


 え?種?


 鉱石どころか種まで出てきて俺は目を疑ったが目の前の現実は変わらない。

 種は俺の前に変わらず存在していた。


 まさか塩分だけじゃなく野菜の問題も解決するとは。

 いやこの種が野菜かどうかはわからないが。

 とにかく、確かめるためにも埋めてみるほかない。


 やることが増えたな。畑を作らなければ……。


 その後しばらく掘ってみたが、種が出てくることはなく。

 岩塩が多少掘れたので、これでよしとして洞窟に帰った。






 洞窟に帰ってきた俺はいつものように肉を焼く。

 焼いたら岩塩を擦り付けてその肉を子犬の前に置いた。

 肉がたくさん取れたのは子犬のおかげだからな。


 子犬はにおいを確かめると一気にかぶりついた。

 しっぽがぶんぶんと激しく揺れている。

 どうやら相当お気に召したようだ。


「美味いか?」


 そう俺が聞くとわふっ!と元気よく返事する。

 焼いて塩を振っただけの簡単な料理だがここまで喜んでもらえると嬉しくなるな。


 そうして俺も自分用の肉を焼いてかぶりつく。


 数日食べ続けて思ったんだが、この岩塩はとてつもなく美味い。

 どんな肉でもこれを振りかければ美味くなるんじゃないか? と思うほどだ。

 この岩塩を早めに採掘できたのはラッキーだった。


 食事を終え、俺は明日やることを考える。


 明日は……畑を作らなきゃな。

 今日手に入れた種がどんな植物か確かめておきたい。


 そして畑をどこに作るか考えて、最初に転移してきた草原に作ることに決める。


 この洞窟よりも川に近いし、水を引きやすいこと。

 それにある程度生活基盤が整ったら、あそこに本格的な拠点を作ろうと思っていたからだ。


 あの種が食用だったら畑を広げることになるかもしれない。

 なら本格的な拠点の近くに作っておいた方がいいだろう。


 よし!明日はあの草原に畑を作るぞ!


 そう決めて俺は休もうとしたが、その前にやることを思いついた。


 スライムと子犬の名前だ。

 いつまでもスライム、子犬、と呼ぶのはあれだろう。


 ネーミングセンスがなくて申し訳ないが……。


 スライムは、「ムイ」。子犬は、「シロ」と名付けた。


 安直すぎるが他に思いつかないからしょうがない。

 だけど二匹とも喜んでいるようだ。


 それならまあいいか……。

 俺はそう思い、ムイとシロと一緒に寝ることにした。


 ムイとシロはぷにぷにとモフモフでそれぞれいい抱き心地で、すぐに眠気が襲ってくる。


 俺はそのまま眠りに落ちた。

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