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ゆるっと街づくりin異世界~すべての種族が住む街を作れ!?~  作者: 下河スズリン


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40.マナコンクリと試作建築

「おぉ……これは……!素晴らしいです主様!まさかこんなものが作れるとは……!」


 俺の目の前。

 ルシュがキラキラした目を向けながらそう言ってくる。


 周りにいる他の皆も同じだな。

 少しくすぐったくなる。



 さて、今俺が何をしているかと言うと。



 エルフとドワーフたちの進化から少し経ち、俺は日々を過ごしつつ街を発展させようと頑張っていた。


 そんな俺が次にやろうと思い立ったのが道路を建設することだ。


 ドワーフたちがミスリルつるはしを鍛造したことで、それまでできなかった第四地層の大規模採掘が出来るようになった。

 さらにはドワーフの約半数が進化したことで、鍛冶や採掘もさらにやりやすくなったらしい。

 これなら未だ見ぬ第五地層も問題なくドワーフだけで採掘できるかもしれないが……それは今は置いておこう。


 話を戻して。


 第四地層を大規模に採掘できるようになったということは、そこで採れる採掘物の入手量が一気に上がったという事だ。

 創造神器の力で俺一人でもかなりの量が採掘出来ていたが、やはり人手って言うのは偉大だからな。


 そういうわけで、第四地層の石灰石もかなりの量採れるようになった。

 俺のおぼろげな記憶では、石灰石はコンクリートの材料になったはず。

 ということでコンクリートを作り、建設しようと思い立ったわけだ。


 ……と、そう思い立ったわけだが。

 俺も馬鹿じゃない。

 石灰石を焼いて砕き、水や砂利なんかと混ぜて固める。

 こんなおぼろげな記憶から一発でコンクリートを作ることができるわけないなんてよく分かっている。


 だから真っ先に着手し始めたのだ。

 いくら作り方がうろ覚えでも、長い時間かけて試行錯誤していけば、なんちゃってコンクリートぐらいできるだろう……と、そう思って。


 だが異世界は有情だった。


 二日。


 それが俺がなんちゃってコンクリートを作り上げるまでにかかった時間だ。

 いや、まさか……こんなに早く出来るとは。




 そうして完成したコンクリートを俺の自宅前に敷設し、その結果……皆が俺にキラキラした目線を向けてきているわけだ。


「ルシュ殿の言う通り、素晴らしいですぞこれは!石灰石がこうなるとは……興味深い……」


「ハハハ!まさに、だ!俺もこんなものは見たことがない!」


「僕もだよ、興味深いね」


「流石っすね!頭は!自分もこんな土見るのは初めてっすよ!」


「そだね~昨日のよりさらにすご~い」


 その場にいたイアン、そして精霊の四人もそう言ってくる。

 みななんちゃってコンクリートに興味津々みたいだ。


 ふむ。

 皆は俺の手柄のように語ってくれるが、この結果は皆の力あってこそだと俺は思っている。

 ここまで早くコンクリが形になったのは、やはり魔法の存在が一番大きいからだ。




 最初に作ってみたコンクリ。

 正直ひどい出来だった。


 全然粘らず、ぺしょぺしょで、固まらないし、硬さもない。

 素人丸出しって感じの出来だった。


 そして俺はその最初のコンクリを片付けようとしたんだが……ここがきっかけだった。


 俺は片付けする時にフィーネに手伝ってもらった。

 最初の失敗作はかなり水っぽかったからな。

 水魔法で片づけてもらえないかと頼んだんだ。


 俺の頼みをフィーネは快く了承し、水魔法で失敗作をしっかり片付けてくれたんだが……。

 その後フィーネはこう提案してきた。


「ねえあるじ~。これがなんなのかは分からないけどこれからも作るんでしょ~?じゃあ混ぜる水はわたしの水にしない~?そうしたら片付けも楽だし~」


 そのフィーネの提案に俺は深く考えずに乗った。

 片付けが楽になるならそっちの方がいいな、と思って。


 そして二回目の挑戦。


 今度も失敗だった。

 失敗だった……が。


「お~さっきのよりねばってしてるね~?」


 そうなのだ。

 二回目に作ったコンクリは一回目のモノより遥かに粘り気が強くなった。

 いやもちろん水の比率は変えたし、少しは粘り気も強くなるかな? とか思っていたが……。

 比率を変えた結果とかそんなレベルじゃないほど明らかに変わった。


 俺はそれが何故か考えたところ。

 魔力のおかげではないか、と俺は推測した。


 今回、二度目のコンクリには普通の水ではなく、フィーネに水魔法で生み出して貰った水を使った。

 当然ながら魔法で生み出された水なので、その水は魔力を内包している。


 それが作用してこの粘り気を生んだのではないか、と、そう俺は考えたのだ。


 この仮説を確かめるため、俺はさっそく三回目の試作に入った。


 今度の試作では石灰石を焼く際に、火魔石ファイアストーン風魔石ウィンドストーンを使った。

 初回と二回目では、ある程度量が取れているとはいえ、失敗前提の実験に使うのはな、と思って普通に石炭だけを燃料にしていた。


 だが俺の考えが正しければ、こうして原料により多くの魔力を混ぜ込めば飛躍的に完成に近づくはずだ。


 そうして出来上がった三回目の試作コンクリ。


 俺の考えは正しかった。




「わぁ~すごいねあるじ~!なにこれ~!ドロドロだったのがカチカチになって~、地面が平らになっちゃった~!」


 フィーネがそう言いながら、完成した試作コンクリ三号を興味深そうに観察している。


 俺もフィーネと一緒にじっくり観察したが、かなりいい出来だ。

 まだ実験三回目なのに。


 魔力を練り込み作り上げた試作コンクリ三号は俺の知っているコンクリにかなり近づいている。

 叩いてみてもひび割れたりしないし、上を車が走ることも、まあ出来るんじゃないか? と、そう思えるレベルだ。


 自分で言うのもなんだが、素人の適当な作り方でこれほどになるなんて……魔力がどれほど便利な代物なのかがよく分かるな。


 さて、別に上をトラックが走るでもないんだし、これで完成としてもいいんだが……。

 世の中何があるか分からない。

 それこそトラック以上の重量物が道路の上を走ることがあるかもしれない。

 もっと上を目指してみよう。


 ……と、言うのは建前だ。

 正直、どれほどのものが出来上がるのか気になる、と言うのが本音。

 というわけでやってみる。




 その結果出来上がったモノが皆が絶賛した魔力をふんだんに練り込んだコンクリ……名付けてマナコンクリだ。


 石灰石をイフリータの魔法で焼き。

 ウンディーネとノームの魔法で出した水と砂利と混ぜ。

 完成したモノをシルフの魔法で一気に固める。


 こうすることによってとてつもない強度を持ちながら軽さを保ち、水はけもとてもいいコンクリートが出来上がった。

 しかも水はけのよさはウンディーネが居れば調節できるらしく、まったく水を通さないようにすることも可能だ。

 さらには、ノームの土魔法である程度移動も可能で、見せてもらったがまるでゲームのように動かしたり曲げたり、果てには浮かせたりも出来ていた。

 とんでもないな。


「主様!この素晴らしい……マナコンクリでしたか? これがあれば……!」


 ルシュがかなり興奮している。


 分かる。

 マナコンクリは道路だけじゃなく建物にだって使える。

 これまで街の建築に携わってきたルシュたちからすれば興奮して当然だ。

 これを使えば今までできなかった建築が出来るかもしれないんだからな。


 そう、例えば三階を超える高層建築とか。


 まあ。

 そんな感じで夢も広がるが、まずは実験からだな。


 ルシュ、早速マナコンクリを使って建物を建てて欲しいんだが……。


「はい!もちろんかまいません!主様の頼みであればどんなものであろうと建ててみせます!」


 ……凄い気合いだな。

 ありがとう。

 それじゃ作って欲しいのは――




「完成いたしました!主様!」


 ルシュが俺の前に立ちそう告げてくる。


 毎度のことながら……やる気の乗ったルシュたちはすごい。

 ノームたちの全面協力があったとはいえ……ルシュたちにとって初めてのコンクリ建築。


 かかった時間は二日。


 流石だな。


「有難きお言葉です……!」


 そう言ってルシュ……いや建築にかかわったコボルトたちは皆尻尾をブンブン振る。

 その姿はとても誇らしそうだ。


 それを横目に見つつ、作ってもらった建物を見る。


 一つは四角い建物。

 上部に煙突が付いている。


 もう一つは円柱状の建物。

 こちらは上部に風車が付いている。


 そう。

 建ててもらったのはごみ処理場と風車小屋。


 ごみ処理場。

 これは煙突で分かる通り、ごみを燃やして処分する施設。

 今の規模だとまだ必要ないかもだが、住人が増えればどうしても必要になってくるだろう。

 そうなったらイグニートに使ってもらう。

 しばらくはテスト使用だな。


 もちろん環境にも配慮している。

 煙突部分にはユウフに空気を浄化する魔方陣を刻んでもらった。

 よほどの量を一気に燃やさない限り大丈夫だ、と太鼓判をもらっている。


 そして風車小屋。

 風を受けて回転し、内部で小麦を挽いて粉にする小屋だ。

 粉挽きはそれなりに面倒だしな。

 これで楽になる。


 風車小屋はユウフに使ってもらう。

 こっちもテスト使用して問題なかったら、こっちはガンガン回してもらう。

 小麦はいっぱいあるからな。


 後は川の近くについでに水車小屋も立てる予定だ。

 風車小屋が崩れたら困るからな。

 ルシュたちの事は信頼しているが、念のための備えはしておく。


 現時点の建築はこんな感じか。

 まだまだ作りたいものはいっぱいあるし、道路だってもっと引きたい。

 だけど他にもやることがたくさんあるしな。

 ゆっくりやっていこう。


 そう考えながら俺は、初のコンクリ建築を大成功させたルシュたちをさらに褒めちぎったのだった。


書き溜め尽きました

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