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ゆるっと街づくりin異世界~すべての種族が住む街を作れ!?~  作者: 下河スズリン


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37.既視感ある出会いと恒例の解放

 そんなドワーフたちとのちょっとした食事会から少し経ったある日。


 イアンが俺の元へ走ってきた。

 かなり慌てている。


 どうしたんだ? 何か問題でもあったのか?

 あれからミスリルのつるはしは問題なく量産できているし、ミスリルつるはしとノームのコンビであれば第四地層を採掘できることも確認済み。


 特に問題はなかったと思うが……。

 まあ、聞いてみればわかるか。


 そう考えた俺はさっそくイアンに話を聞く。


 イアンの話によるとどうやら……見知らぬ、人? が二人鍛冶場に来たらしい。


 イアンたちは驚き、警戒したが彼らに敵意はなく、会話が通じた。

 なのでその場で待機してもらい、イアンが俺を呼びに来たらしい。


「なるほど……話は分かった。報告ありがとうイアン。すぐに向かおう」


「はい、こちらですじゃ……!」


 イアンとともに鍛冶場に向かいつつ俺は考える。


 この街はまだまだ至らないところだらけとはいえ、警備はそれなりにしっかりしている……つもりだ。


 ハイコボルトたちが見回りをしているし、たとえそれをすり抜けたとしてもシロとリルが気付くだろう。


 と、すれば。

 警備に引っかからず、突然現れたようなこの状況には覚えがある。

 多分、来客って言うのは……。




 そして、鍛冶場に到着。

 聞いていた通りそこにいたのは二人。

 顎に手を当て近くで炉を観察している。


 一人はかなり大きい男性。

 二メートルくらいあるんじゃないか? 見た感じ。

 髪は燃えるように赤く、体の節々が陽炎のように揺らめいている。


 もう一人は、かなり小さい。

 最初の男性と比べればまるで大人と子供だ。

 よくムイがやっているように大柄な男性の肩に乗っかって炉を眺めている。

 髪は緑色でふわふわと漂っている。


 ふむ、これはやはり――。


 そう考えたところで向こうがこちらに気付く。


「おお!もしやそちらがこの場所の代表殿か!お初にお目にかかる!俺の名はイグニータ!火の精霊族、イフリータだ!こっちは風の精霊族、シルフのユウフ!」


「初めまして、紹介にあずかったユウフだ、僕のこともこっちのデカブツのことも好きに呼んでくれていいよ」


 あ、ああ……初めまして、ここの代表のきずきだ。


 向こうが先手を打って挨拶してきたので、こちらも挨拶を返す。

 そして、早速だがなぜここに来たのかと話を聞くと……。


「それはもちろん良い火の気配があったからだ!イフリータの俺にとっては当然の理由だ!」


「このデカブツと意見が合うのはしゃくだけど……僕も同じだよ。いい風の気配があった。だから来たんだ」


 なるほど。

 まぁ、納得は出来る。

 ウンディーネもノームもそういった気配でうちにやって来たからな。


「そして来てみれば、この炉からその気配が発されている。なのでここで見させてもらっていた」


「同じく観察してたけど……ホントに凄いね。この気配の大元は燃料としてくべられている火魔石ファイアストーン風魔石ウィンドストーン。相乗効果もあるとはいえこれだけ良質な魔力を放つなんて……。僕たちが引き寄せられたのもむべなるかな、だ」


 ふむ。

 フィーネやラウームも同じことを言っていた。

 精霊にとっても驚くほどの質ってことだな。

 まあ、属性魔石だけじゃなく、鉱石や岩塩まで軒並みかなり質が高いものが採れるあの山は一体何なのか……気にはなるが、考えても分からないし、今は置いておこう。


 それで、もう一つ聞きたいんだが……来たのはいいがこの後どうするか、とかは決めているのか?


「ふむ?いいや決めていない!気配に釣られふらふらやって来ただけだからな!」


「何を偉そうに言っているんだよ……全く」


 ユウフは呆れたようにイグニータを見た後、こちらに向き直しこう告げる。


「僕は違うよ?このデカブツと違ってちゃんと考えてる。君が……いや、貴方がここの代表なんだよね?ここに僕を住まわせて欲しい。もちろんただとは言わない。僕はシルフだ。この力を使って貴方の助けになろう」


「おお!なるほどその手が!代表殿!こちらもだ!住まわせてくれるのなら力になろう!」


 この申し出は……こっちとしてはかなり都合がいい。

 こちらからここに住んでもらえないかとスカウトをかけようとしていたところだ。

 俺に否はない。


 だがまあ一応。

 何が出来るのかを聞いておく。


「まあその疑問は当然だね、僕は――「俺は火の精霊故、火にかかわることが出来るぞ!」ちょ……僕が……はぁ」


 ユウフの声をかき消してイグニータが答える。


「ここは鍛冶もやっているようだし俺の炎が役立つだろう!それにもし火事が起きても俺が居ればコントロールできるぞ。それに火の魔法も使える。役に立つぞ!」


「全くもう……僕の言葉を遮るなよ……。こほんっ!こっちも同じだ、風にかかわることが出来る。鍛冶の火を大きくすることだってできるし、まあ、数人なら飛ばしたりすることもできるだろう。このデカブツより役に立つことを約束するよ」


 なるほど……最初から受け入れるつもりだったが、それを聞いてその気持ちがさらに強くなった。

 ウンディーネの水魔法や、ノームの土魔法もとても役に立ってくれている。

 ここにさらに火と風の魔法がくわわってくれるならさらに街を発展させられるだろう。


 イグニータ、ユウフ。

 俺たちは二人を受け入れる。

 これからよろしく頼む。


「ああ、よろしくお願いする。僕を受け入れたこと、後悔はさせないよ」


「こちらもだ!これからよろしくお願いする!」


 こうしてまた街に新たな種族が増えた。




 よし、新たな住人を受け入れたところでまず考えるべきは住居と食事だな。

 住居は宿舎があるから当面は良し。

 だけどいつまでも宿舎と言うのもなんだから、暇が出来たらすぐ作ることにしよう。

 食事は……。


「心配しなくとも僕もデカブツも貴方たちと同じものを食べるから問題ないよ」


 予想はしていたがやっぱりか。

 だけど好みはあるだろう?

 ウンディーネはスープなんかの水? 料理、ノームは野菜料理、みたいに。


「ああ……僕はないけどデカブツはあるね」


「ああ!俺は焼いたものが好みだ!すべての食材は焼けば美味くなる!これが心理だ!」


 いや、まあ……共感は出来るけど。

 まあいい。

 それなら特に問題はない。


 あ、あと一つ聞いていきたいことがあった。


 イグニータ、ユウフ、お前たち以外のイフリータとシルフはここにやってくるか?


「ふむ、まあ……来ると思うよ。これからもここでは火魔石ファイアストーン風魔石ウィンドストーンを使って鍛冶をするんだろ?僕たちにとってこれは極上の料理を作ってその匂いをまき散らされているみたいなものだからね」


「そうだろうなあ!きっと来るだろう!」


 なるほど……やっぱりか。


 ノームは最初から複数で来たが、ウンディーネは後から増えた。

 イフリータとシルフも増える可能性はあるだろう。


 ……いや、ノームとウンディーネもか。

 冬は越えたしこっちも増える可能性はあるな。


 まあ、増えてから考えればいいか。

 土地は確保しているしな。


 そこまで考えて、俺は思考を打ち切る。

 そして早速二人の歓迎会を開くことにする。

 とはいっても小さいものだ。

 たくさん料理を作ってふるまうだけ。

 軽いホームパーティみたいなものだな。


 それでも二人はとても喜んでくれた。

 こんなに美味しい料理はない、と口をそろえて絶賛してくれ、明日から鍛冶の手伝いをよろしく頼む、と言ったらやる気高く返事してくれた。


 他の仕事はおいおい頼もう。


 火と風。

 ごみの焼却だったり風力の活用だったり。

 あとは風呂のお湯の用意もか。

 今はウンディーネに火魔石ファイアストーン使ってもらって無理やりやってもらってるからな。


 他にもいろいろあるだろうし、明日からそのあたりも考えていこう。

 そう考えつつ、食事を終えた二人を宿舎に案内。

 これからよろしく頼むと再び声をかけ、その日の夜は過ぎていった。




 そして翌日。

 恒例の声が俺の頭に響く。


 ”累計八種族の結集を確認。新たな形態「扇」解放。新たな能力「魔力感知」解放。”


 はい?

 扇、はともかく……魔力感知?

 何それ?


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