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ゆるっと街づくりin異世界~すべての種族が住む街を作れ!?~  作者: 下河スズリン


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23/53

23.新たな出会いとツリーハウス

「すみません、代表様!今、少々お時間よろしいでしょうか!?」


 俺がいつも通り第二地層の採掘を終え、戻ってきたところ。

 そう言ってハイラが俺のところへ駆け寄ってきた。


 一体何を慌てて……って、あ、あれか?


 この前作った実験用の畑。

 エルフたちが採集してきた薬草なんかを栽培できるかどうか、実験するために作ったやつ。


 あの畑に何かあったのか?

 もしかして上手く育たなかった……とか?

 だったら確かに残念だが、またやり直せばいいんだ。

 そんなにあわてる必要は……。


「い、いえ……違います。栽培実験は今のところ上手くいっています。どの品種も枯れる気配は見せていません」


 あ、そうなの?


 じゃあ何が……?


「ええ……その、何といえばいいか……もしかしたら、住人が増えるかもしれません……」


 ……どういうことだ?




 俺はハイラに連れられ、実験用の畑に向かう。


 そこで目にしたものは……、茶色い……子供? が五人ほど畑に座り込んでいる姿だった。

 ウンディーネたちと朗らかに何事かを話している。


 彼らはいったい?


 俺がそうハイラに聞くと、ハイラが答えてくれる。

 どうやら彼らは、地精霊族……ノームらしい。


 なるほど……地精霊族。


 俺は納得した。

 ハイラが慌てていたのは、ハイコボルトたちが周囲を警備していたはずなのに、いきなり拠点内にノームが現れたからか。

 まあ驚くよなそれは……。

 かつては俺も、フィーネがいきなり出てきた時は驚いた。


 にしても精霊族っていうのは神出鬼没なのが特徴なのか?

 気づいたらいつの間にかいるし……。


 まあ何はともあれ話を聞こう。

 ウンディーネたちと仲良く雑談して、敵意はないようだしな。


 ということでノームたちに代表と話したいと伝えたところ、ノームの中から一人こちらへ歩み寄ってきた。


「ウッス!はじめましてっす!自分がいちおー、リーダー張らせてもらってるラウームっす!よろしくっす!」


「あ、ああ……よろしく」


 ちょっと面食らう。

 目の前まで来てくれたからはっきりわかるが、ノームたちは子供のような容姿だ。

 その口から荒っぽい口調が出てきてちょっと驚いてしまった。


「自分らの口調っすか? 許してほしいっす!自分ら……不器用っすから!」


 不器用か、それなら……しょうがないな?

 いやまあ別に口調なんてコミュニケーションが取れるならなんだっていいしな。

 そのままラウームに話を聞くことにする。




 ラウームが語ったところによると。


 自分たちノームは土の精霊。

 故に豊かな実り、豊かな土がある場所に現れる。

 ここに来たのはとてつもなく豊かな気配を感じ取ったから……らしい。


 豊かな気配とは何かと聞いてみると……この前実験用に作った畑から出ている気配のことだと。


「この土は本当に素晴らしいっす!近くにきてはっきり感じるこの豊潤な気配!つい頬ずりしたくなるっす……」


 ふむ。

 なるほど。


 フィーネたちウンディーネもそうだったな。

 精霊という種族はそういう……豊かな自然に惹かれるらしい。


 別にそれ自体はいいんだが、ここに居座られるのは困る。

 ので、俺はラウームに提案する。


「あー、その……座り込んでいるところ申し訳ないが。そこは薬草なんかを実験的に育てている場所なんだ。出来れば別の場所に移動してほしい、場所なら作るから」


「作、る? ま……まさか……この畑、あなた、様がお作りになったん……すか?」


 え、そう、だけど……。急にどうしたんだ?


「マジっすかぁッッッ!?!?!?」


 めちゃくちゃ驚かれた。

 そんなに驚くことか?


「驚くっすよ!たまたま奇跡的に出来たものだと思ったのに、人為的に作られたものだったなんて……!あの!場所を作ってくれるっていうなら、その様子見させてもらえないっすか!?」


 もちろんかまわない。

 それじゃパパっと作ってしまおう。




 エルフたちに引き続き畑の世話などを頼んで、俺は適当な空き地に来る。

 そして早速、創造神器を出して気合を入れて畑を作っていくんだが……。

 ノームたちがこっちを凝視しながら、おぉ……。だの、これは……。だの言ってきて微妙に集中をそがれる。


 それでもしっかり集中して畑を作り終えて振り向くと……ノームたちが五体投地していた。

 何で?


「おぉ……神……神っす……!さっきまでの非礼お許しくださいっす……」


「「「「お許しください……」」」」


 なんかこっちを凄く崇めてくる。

 見た目が幼いノームたちにこんなことされるとすごく居心地が悪い。


 俺が焦っていると、一人だけ着いてきていたフィーネが教えてくれた。


「精霊にとってこんなに豊かな自然を人為的に作れるって言うのは、それだけ驚くことなんだよ~。まあ少しすれば落ち着くんじゃないかな~?」


 そうなのか? それじゃあ待つか……。

 助言に従い、ノームたちが落ち着くまで、俺は少し待つことにする。




「いや~すみませんっす神様……ちょっと取り乱したっす……」


 今もまだ取り乱してないか?

 俺は神様じゃないんだが……。


「え、でもこんなことが出来るのなら神様っすよ……」


 いや、普通の人間だから。

 恐れ多いから神様扱いはやめてほしい。


「そこまで言うなら……分かりましたっす。それじゃあ、そうっすね……うす!これからはかしらと呼ばせてもらうっす!」


 頭?

 それはそれでなんかちょっと抵抗あるが……いやでも神様呼びされるよりは、だいぶ精神的にマシだな。

 良しとしよう。


 話を蒸し返されても困るので、俺は話題を変える。


「コホンっ!それで、一つ聞きたいんだが……お前たちノームはここに居住する意思があったり……するのか?」


 居住してもらえるならこちらも大喜びだ。

 この街に新たな種族がまた一つ増える。


「はいっす!自分らノーム一同、ここへの移住を希望したいっす!頭、お願いするっす!どうか許していただけないっすか!」


「もちろんかまわない。こっちとしても人手が増えるのは大歓迎だからな」


「ほんとっすか!?……やったっすぅぅ~~~~っ!こんないい畑があるところに住めるなんてぇぇ~~~っ!」


 ノームたちはとても喜んでいる。

 ここまで喜んでもらえるとこっちも嬉しくなるな。


「さて、それじゃあ早速住居、住むとこの話なんだが……」


「ああ!大丈夫っす!頭にお手数かけさせないっす!自分らでどうにかしますから!」


 そう言うとノームたちは、俺が今しがた作った畑の中心に集まる。

 そうして皆で何事かを唱えたかと思うと……。


 メキメキメキメキ……!


 畑の中心から木が生えてきて……みるみるうちに大木になった。

 しかもその大木には、扉や窓のようなものがついている。


 まさか……魔法で木の家を作ったのか?

 こんな短時間で?


「ふぅっ……!これでOKっす!……あっ!かっ……頭!その、つい早まって作っちゃったっすけど……ここに家作っちゃってOKだったすか?!」


 あ、ああ……いや、もちろんかまわないが。

 ノームってすごいんだな。

 こんな立派な……ツリーハウス? を作る魔法を使えるなんて。


「えへへっ……!お褒めいただき嬉しいっす!自分らは土や緑を操る魔法に長けるっすからね。でもこれだけのものが出来たのは頭の畑のおかげっすよ!普通の地面相手にこんな芸当はさすがに出来ないっす」


 そう言ってもらえると、こっちとしても嬉しいな。


 にしても、こんな魔法が使えるなら森の中で仮拠点を作り放題だとそう思ったが、そんなうまい話はなかったか。

 ……いや、俺がついていって畑を作れば可能になるか。

 そんな機会があるかどうかはわからないが、必要になったら頼らせてもらおう。


 そこまで考えて俺は目の前にあるものに意識を戻す。


 今、俺の目の前には、大木に扉と窓がついている家がある。

 こんなものを見せられたら……どうしても中がどうなっているのか気になるのが人情ってものだろう。


 というわけでラウームに頼む。


「え? 中が見たいっすか? もちろんかまわないっすよ!どーぞ頭!」


 お言葉に甘え、中を見学させてもらうことにする。


 俺は扉を開け、中に入る。

 そうすると中にあったのはある意味想像通りの光景。


 円柱状に大きくくりぬかれた空間。

 だが俺の予想以上に明るいイメージを受ける。

 上部の窓から太陽の光がふんだんに入ってきているのだ。


 しかも驚いたことに家具も備え付けてある。

 テーブルなんか明らかに扉より大きい。

 直接、中に形作ることで大きなテーブルを設置しているのか。

 凄いな。

 いろいろと。


「どうっすか、頭。結構自信があるんっすけど」


「ああ、凄い。ほんと。こんな家に住むのもいいなあって心から思えるような凄い家だ」


「あざっす!嬉しいっす!」


 でも一つ気になることがある。

 何かというと、この大木の家、結構高さがある。

 だから二階部分と三階部分もあるのだ。

 俺にも見えている。


 だけど……そこに行くための階段がない。

 外を見ても階段になっている部分はなかったし、そもそも扉は一つしかなかった。

 どうなっているんだ?


「ああ、それはっすね。こうするんすよ」


 そう言ってラウールがごにょごにょとつぶやくと。

 壁から俺に向かって木の枝がまるで触手のように伸びてきた。

 その枝は俺の前で止まったかと思うと、足元に広がって平べったくなる。

 まさかと思って俺がその枝に乗ってみると……。


 ……枝が動いた!

 そしてそのままゆっくりと俺を二階部分に運び……俺が二階部分で降りるとしゅるしゅると壁に戻っていった。


 これ……エレベーターか?! 木の!


「こうやって登るんっすよ。階段分のスペースが開くし、何より自分らの身体じゃ階段上るのも面倒なんで」


 まあ、確かに体が小さかったら階段上るのは大変か……。

 体に合わせた階段を作ったらかなりスペースも取りそうだし。


 いや、にしてもすごいな……。

 魔法がある世界ならこんな建築もできるのか。

 いつか俺もこういう魔法をふんだんに使った建築作ってみたいな……。


 ラウール、見学させてくれてありがとう。

 いい刺激になった。


「お礼なんていいっすよ!頭の頼みなら聞くのは当然っす!」


 そう言ってもらえるのはありがたいけど。

 こういうのはきっちりしないとな。


 ちょっと準備してくる。

 呼びに来るまでここで待っててくれ。


「はい? それはもちろんいいっすけど……準備って……?」


 ああ。

 歓迎会の準備だ。


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