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ゆるっと街づくりin異世界~すべての種族が住む街を作れ!?~  作者: 下河スズリン


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21.調理器具と肉野菜炒め

 そうして一週間ほど。


 特に問題もなく順調に採掘は進んでいる。

 鍛冶に必要な火魔石ファイアストーン、石炭、鉄鉱石……今のところ尽きる気配はない。

 どうやらこの巨大山は……相当規格外の鉱山みたいだ。


 当然、鍛冶に使うその三つ以外の鉱石も取れている。

 料理に使う岩塩、着火に使う火鉄、土器なんかの原料になる粘土、ウンディーネたちが求める水魔石アクアストーン

 がっぽりだ。




 しっかり鉱石類を採掘出来ているため、ドワーフたちも張り切って鍛冶仕事をしている。


 ドワーフたちがまず作っていたのは採掘用のつるはしだが、その次に作ったものはナイフ。

 これはハイコボルトたちのためのものだな。


 現在、狩りはハイコボルトたちが行っている。

 その獲物を解体するためのナイフだ。

 他にもいろいろ使い道があるしな。


 ハイコボルトたちも小型のナイフはもともと持っていたのだが、ドワーフが作ったナイフはとても出来がいい。

 これまでは解体にもそれなりに時間がかかっていたのだが、ドワーフ製のナイフになってからは作業時間が半減した。


 さらには、果ての森の硬い木にも簡単に傷をつけることが出来、狩場や採集場所への目印をつけることにも重宝しているようだ。


 後は、畑仕事をするエルフたち用にクワなどの農具を作り、その後、木の伐採に使う斧も作った。

 斧はいざというときの護身具にもなるしな。


 ということで直近で必要なものは作り終わっただろうと判断した俺は、ここでドワーフたちに俺の希望の鉄製品の制作を頼むことにした。


「ほう……調理器具を?」


「ああ、今すぐに必要なものは大体できただろう? だから作って欲しいんだ」


「それはもちろんかまいませんぞ。しかし具体的にはどういうモノを……?」


「ああ、具体的には――――」


 やっぱりまずはフライパン。


 今まで料理をするために使っていたのはデカい石鍋とハイコボルトに作ってもらった土鍋。

 スープを作るならこれでも十分だが、さすがにずっとスープは飽きる。


 飽きないためにちょこちょこ焼き料理も作っていたものの、土鍋だと普通に作りづらい。

 洗うのも大変だ。


 だからフライパンが欲しい。

 これなら簡単に炒め物が出来る。

 今、畑で大豆も増やしているところだしな。

 確か大豆から植物油が取れたはずだ。


 そのほかにも、フライ返し、ハサミ、出来ればピーラーなど……。

 欲しい調理器具はいろいろある。


「ふむ……なるほど、代表殿が言う器具……ワシらは聞き覚えがありませぬが、おそらくは可能でしょう」


「本当か?」


「はい、ワシらドワーフは鍛冶には自信を持っていますからな!」


 凄いな。

 聞いたこともないのに、鉄製品であるのであればおそらく作れると豪語するとは。


 その自信通り、俺の求める調理器具を作ってもらえるのであればこっちとしてもかなり助かる。




 というわけでまずはフライパンから作ってもらうことにする。


「ふむ、円形で鍋を浅くしたような形、そこに持ち手……あまり難しくはありませんな。少々お待ちあれ。すぐに作り終わりますのでな」


 イアンはそう言って炉の方に向かっていった。

 そして俺が少し待つと……。


「出来ましたぞ」


「早っ!? 凄いな!?」


「ガハハ!ワシらドワーフであれば当然のことですぞ!」


 そう言いながらもその顔は笑っている。

 鍛冶の腕を褒められて嬉しいのだろう。


 にしても本当にすごいな……。

 体感だけど十数分しかたっていないんじゃないか?


「他の調理器具もすぐに作りますぞ。お待ちあれ」


「ああ、頼む。……あ!そうだ、調理器具は複数作っておいてくれ。予備って意味もあるが、同時にいくつも使うことだってあるからな」


「承知いたしました」


 定期的にやっている宴では一気に多くの料理を作るからな。

 そういう場合にも対応できるよう、調理器具も多く作っておくように頼んでおく。


 よし、フライパンができたことだし……早速試してみるか。




 イアンに鍛冶を頼んだのち、俺は自宅の調理場に来ている。

 調理場といってもそう大したものじゃない。

 ただかまどと調理のためのスペースがあると言うだけだ。


 いやー……やっぱりもっとちゃんとしたキッチンとか欲しいな……。

 心からそう思う。


 ……まあ今はしょうがない。

 本格的なキッチンは先の楽しみに取っておくとして……。


 今はフライパンの試しだ。


 俺はさっそく火をおこす。


 そして火が大きくなるまでに、玉ねぎの皮をむき薄く切る。

 そして兎肉と玉ねぎをフライパンに入れ、火にかける。


 ジュゥッ!ジュゥゥゥ~~ッ!


 そんな小気味いい音とともに具材に火が入っていく。


 いい音だ。

 この音を聞いているだけで腹が減ってくるような気さえする。


 フライパンを火にかけてみても、見たところ何も問題ない。

 木の菜箸で具材をかき混ぜてみるが、思ったよりもくっついてない。


 油入れてないのにこんなになめらかとは……魔力を含む鉄だからなのか、ドワーフの腕か……。

 両方かな?


 まあとにかくスムーズに具材を炒めることが出来る。

 そのまま菜箸でかき混ぜながら炒めていく。


 そして具材全体に火が通ったころを見計らい、岩塩で味を付ける。


 初めての肉野菜炒めの完成だ。

 具材は二種類だけだが……。


 早速試食。


 ……美味い!

 作っている途中に匂いで想像できていたがやはり美味い。


 兎肉はジューシーで玉ねぎはシャキシャキ感が残りながらも甘い。

 そこに岩塩のしょっぱさが加わる。


 くぅ~~……美味い!この味!

 米が欲しい!

 米と一緒にかっ込みたい!


 食べる手が止まらずにすぐに肉野菜炒めを食べ終わる。


 はぁ……美味かったな。

 炒め物なんて久々に味わった。

 皆にも後で作ってあげよう。


 さて、食べ終わって落ち着いた。

 フライパンを確かめてみるが、特に問題はないな。

 流石だ。

 これなら調理器具として安定して使える。


 にしても……炒め物が出来るようになったと思うと、他の料理も作りたくなってくるな。

 煮物、揚げ物、蒸し物……。


 だが残念ながら今、調味料は岩塩しかない。


 他の調味料が欲しい。

 切実に。


 胡椒、スパイス、醤油、味噌、ケチャップ、マヨネーズ、その他もろもろ……。


 ふむ。

 少し考えてみる。


 胡椒とスパイスは……確か栽培できるんだっけ? これはどこかから種が手に入ることを祈るしかない。

 ハイコボルトたちがにんじんと玉ねぎの種を持っていたように、ここに来る異種族が持って来てくれるかもしれない。

 もしくは……二度あることは三度あるだ。

 また鉱山から種がぽろっと出てくるかもしれない。

 米や大豆みたいにな。

 ……本当に何で鉱山から種が出てくるんだ?

 まあ助かるからいいんだが……。

 とにかくどちらにしても将来に期待だな。


 醤油と味噌。

 大豆を発酵させれば出来るんだが、俺はその方法を知らない。

 でもここは異世界だ。

 もしかしたら魔法で何とかなるかもしれない。

 もしくは誰か発酵の仕方を知っている異種族がいるか……。

 今の街にはいないので、大豆が十分な量取れたら、とりあえず試行錯誤してみよう。


 ケチャップ。

 トマトを煮詰めて塩で味付けすれば最低限形にはなるか?

 でもトマトがないな。

 ……これも胡椒とスパイスと一緒で、種が手に入ることに期待しよう。


 マヨネーズ。

 材料は……卵と油と酢。

 油は大豆からできるが、問題は卵と酢。

 卵は鶏を飼うことが出来れば何とかなるとして……酢だな、問題は。

 こっちも確か米を発酵させてつくるものだったはずだ。

 つまり俺はやり方を知らない。

 こっちも試行錯誤するしかない。


 ふぅ、残念ながら今は塩味の料理しか作れないな。

 だがもっと街を発展させていけばいろいろな料理が作れるようになる日も来るはず。

 その日が来るのを楽しみにしよう。




 その日はせっかくなので皆に肉野菜炒めをふるまった。

 皆とても喜び、特にドワーフは自分たちが作ったフライパンで美味しい料理を食べることが出来るようになったとご満悦だ。


 この調子で他の調理器具も頼むと声をかけると、胸をたたいて力強く返事してくれた。

 期待しよう。


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