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ゆるっと街づくりin異世界~すべての種族が住む街を作れ!?~  作者: 下河スズリン


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20.第二次調査団とドワーフたちとの採掘

 住居、水田、炉……とりあえず今すぐ必要なものはあらかた作り終えた時。


 と、このタイミングでルシュから提案があった。


「また調査団を?」


「はい。ある程度落ち着きましたので第二次調査隊を、と」


 なるほど。

 確かにエルフとドワーフを連れてきた実績があるしな。


 それに、住居建築途中の雑談でエルフとドワーフに聞いたところ、彼らは世界の果てを目指す過程で他の種族を目にする機会があったという。

 とはいっても遠目だったり、痕跡を見つける程度だったそうだが……。


 人間の排斥から逃れるため、人間の支配圏内から遠ざかろうとするならば、この世界の果て周辺にたどり着いている可能性は高いという。


 それならばまた住人を連れてこれる可能性は十分にあるだろう。


 というわけで、再び一か月の期限付きでハイコボルトたちに調査団を結成してもらう。

 もっと調査団に人が割けるようになれば、さらに長期間の調査を頼んでもいいが……。

 今の調査団はハイコボルト五名、そこにシロの小規模なもの。

 一か月くらいがちょうどいいだろう。


 ところでまたルシュが率いていくのか尋ねたところ、人員は交代すると言っていた。

 他のハイコボルトたちにも経験を積ませたいらしい。

 なのでルシュは今回はここに残ると言っていた。


 そう話していた時、ルシュのしっぽはぶんぶん振られていた。

 ルシュはここに残れてうれしいみたいだな。


 それだけ魅力のある街を作ることができているという証拠だ。

 ちょっと嬉しくなる。


 これからもその気持ちを裏切らないよう頑張っていこう。




 一夜明けて、調査団が出発するようだ。

 準備が素早く済むのは少数の利点だな。


 今回は前回の反省を活かし、いろいろ装備が変わっている。


 一番は食糧だな。

 前回はエルフとドワーフを同時に見つけたため、俺が多めに持たせた食糧でも足りなかった。


 足りなかった分はシロが現地調達してくれたと聞いたが、もし食糧が獲れなかった場合を考えると怖い。


 なので今回シロには大型のリュックを背負ってもらっている。

 ハイコボルトたちが作り上げた傑作だ。


 四足歩行のシロでも安定して背負えるうえ、ハイコボルトに手伝ってもらえばほんの数秒で取り外せる。

 たとえ助けがなくとも、多少時間をかければシロだけで取り外すことが出来る。

 狩りの時や突然の襲撃の場合なんかにシロに負担をかけないためだ。


 ハイコボルトたちにとってフェンリルは畏敬の対象だからな。

 今できるもので最上のものを!とかなり気合を入れて作っていただけあってかなり出来がいい。


 もちろんそのリュックには食糧だけでなく、火鉄や石炭などの燃料類も詰めてある。

 現時点で出来る万全の準備を整えられている、はずだ。


 ああ、ちなみに火鉄とは俺が火打石と呼んでいたあれだ。

 打ち合わせると火花が出てくるあれ。

 鉱石に詳しかったドワーフに、名称は火鉄というのだと教えてもらった。

 火の魔力をわずかながら宿す鉄、ゆえに火鉄。

 シンプルだな。


 話がそれた。


 とにかく心配は尽きないが、現時点の最善は尽くした。

 俺が調査団を送り出そうとすると……そこにリルが来た。


 リルは……当然のようにシロに寄り添っている。


 え? まさか一緒に行く気なのか?


 俺がつい、そう口に出すと、当たり前だろう……といったたたずまいを見せている。


 いや、まあ……シロとリルがともに狩りに出て二頭鹿を狩ってきたことは記憶に新しい。

 リルがついていってくれるならこっちとしてもかなり心強いが……。

 出来れば事前に伝えてほしかったな。


 リルではなくシロの方がしどろもどろになっている。

 シロも聞いてなかったみたいだな。


 まあいい。

 つがいと離れたくないというのは当然の感情だろう。

 シロとリルに皆のことを守ってやってくれと頼む。


 すると。


「「ウォンッ!!」」


 二頭そろって力強く返事してくれた。


 ……頼もしい。


 頼んだぞ。

 そう言って調査団を送り出した。




 調査団を送り出した後。

 俺は山にきている。


 こっちもこっちでしっかり頑張らないとな。


 というわけで、鉄鉱石、石炭、火魔石ファイアストーン、その他もろもろを採掘に来ているんだが。


「やはり……難しいですな。申し訳ありません代表殿」


「謝らなくていい、こっちだって予想してなかったからな」


 問題が発生した。

 ドワーフたちには採掘が出来なかったのだ。


 いやこの言い方は正しくないな。


 可能ではある。

 可能ではあるが……時間とコストがかかりすぎる。


「この火鉄と岩塩と火魔石ファイアストーンが採掘できる層……仮に第一地層と呼びますが、その先……粘土と水魔石アクアストーン、何より石炭と鉄鉱石が取れる第二地層はわしらでは採掘が難しいですぞい……」


 そうなのだ。

 ドワーフたちは完成したばかりの炉でまずは採掘道具……つるはしを作り俺の採掘に同行してくれた。

 何を作るにも材料がなければ始まらないからな。


 これで採掘量も増える……と、そう思っていたのだが。


 第一地層は問題なかった。

 ドワーフたちだけで採掘出来ていた。


 だが問題は第二地層。

 第二地層は……硬すぎたのだ。

 ドワーフたちが採掘に苦労し、そのつるはしがすぐに欠けてしまうほどに。


「第一地層もわしらの知る鉱山よりも硬く、違和感は感じておりました。ですが第二地層がここまで硬いとは……。採掘自体は出来ます。出来ますが……そのために支払う時間と資材が割に合いませんぞ」


 その通りだ。

 時間もかかり、欠けたつるはしを打ち直すのにも資材がいることを考えれば、割に合わなすぎる。

 仕方ない。


「……イアンたちは半分に分かれて第一地層の方を掘ってくれ。第二地層の方は俺が掘るからもう半分で運搬を頼む」


「承りましたぞ」


 第二地層の方は俺が掘ろう。

 創造神器のつるはしであれば簡単に掘れる。


 というかそもそもこんな問題に気づかなかったのは創造神器が優秀すぎたからだ。

 第一地層であろうと第二地層であろうとサクサク掘れたため、ここの地層がかなり硬いということに今の今まで気づかなかった。


 その優秀さに頼り、俺が掘り、掘ったものをドワーフが運搬する……そういう形にする。


 もしかするともっと先まで掘り進めればもっといい金属が手に入ってドワーフたちでも第二地層が掘れるようになるかもしれないが……今は鉄と炉の燃料を掘るのが最優先だ。


 というかそれ以外にも明かりの問題があったな……。

 さらに深くまで掘り進めるということは、光がさらに届かなくなるということだ。


 俺は今、スライムのムイに光ってもらってそれを光源として採掘している。

 だがムイのいないドワーフたちが奥まで掘り進めるならば、別の光源がいる。


 閉所で火を使うのは怖すぎる。

 異世界なんだから、できれば魔法の光とかそういうのがあればいいんだが……。


 というかそもそもムイはどうやって光ってるんだろう?

 生態? それとも魔法か……?


 ……考えてもわからないな。

 後で魔法に詳しそうなフィーネにでも聞くか……。


 思考を打ち切りドワーフたちの言うところの第二地層を掘っていく。

 ハンマーで周りを固めるのも忘れない。


 この辺りの地層はだいぶ硬いことが分かったが、それでも万が一がある。

 崩落には十分気を付けないとな。


 俺だけなら最悪いいが、今はドワーフたちもいる。


 カツンカツンと音が反響する。

 創造神器のつるはしは範囲を掘ることが出来るためガンガン採掘できる。


 必要な石炭や鉄鉱石もどんどん出てきて、ドワーフたちに運んでもらう。

 運搬するドワーフが戻ってきた時に、第一地層の様子も聞いてみるが、向こうも順調に進んでいるそうだ。


 硬いのは硬いがつるはしがかなり優秀で問題なく火魔石ファイアストーンも取れていると。


 それならよかったな。

 この調子で採掘を続けていけるのなら、鍛冶に使う鉄と燃料は十分に賄えるだろう。

 頑張っていこう。


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