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ゆるっと街づくりin異世界~すべての種族が住む街を作れ!?~  作者: 下河スズリン


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19.炉づくりと試作

 畑、水田、ウンディーネたちの住居の拡張などの作業を終えた俺は、日を改めドワーフたちと合流。

 当然彼らの希望……炉を作るためだ。


 だいぶ待たせてしまって悪かったな、イアン。


「いえ、食料や住居の重要さは身にしみてわかっております。今こうして我らの希望をかなえようとしてくださっている……それだけで十分ですじゃ」


 そう言ってもらえるとありがたい。

 ドワーフたちのためにも気合入れて作ろう。




 というわけで早速、作業に入る。

 場所はドワーフの住居の近く。

 とはいっても火を扱う施設のため、周りからそれなりに離れた場所。


 作るのは小型の炉だ。

 小型と言っても俺の胸ほどの高さ。

 小柄なドワーフたちにとっては身の丈以上のものだが……。


 ああ、なぜ小型の炉かというと、作りやすいからだ。

 何もないところにいきなり大型の、本格的な炉を作るのはさすがに難しい。

 ドワーフたちには知識があるとはいえ、まだ十分な資材も人手もないからな。


 そういうわけで小型の炉を作っていく。

 まずは、地面から半円状に石を組んで、粘土でしっかり固めていく。

 中身を取り出すための入り口を作ることも忘れない。


 ドワーフたちによるとこの時、粘土には火魔石ファイアストーンを粉末状に砕いて混ぜ込むといいのだとか。

 こうすることによってまず炉内の温度が効率よく上がるようになる。

 さらに精錬された金属に魔力が通りやすくなり、魔力付与がしやすくなる効果が得られるそうだ。


 なるほどな……俺だけだったらそんなこと知りもせず、火魔石ファイアストーン粘土を使わず炉を作っていただろう。

 ドワーフがこのタイミングで来てくれてよかったな。


 石をくみ上げ粘土で固めたら、その上からハンマーでしっかり叩いて固める。

 きっちり密閉しておかないと温度が逃げて上手く精錬できないからだ。

 土をカチンコチンに固められる創造神器のハンマーであれば、粘土もしっかり固められる。


 ドンッ!ドンッ!と、周囲を回りながら、固め残しが無いようにしっかり叩いていく。

 上部の方も木で簡単な足場を作り、壊さないように力加減に気を付け叩く。


 ふぅ。

 上も下も内側も外側もしっかり固めた。

 しっかり丁寧にやったからちょっと気疲れしたな。


 ドワーフたちに密閉具合をチェックしてもらう。

 皆、とても真剣な顔で炉を確かめている。

 彼らにとっては大事な必需品だからな。

 どこかに叩きもれがあったなら、すぐに言ってくれと声をかけて俺は次の作業に入る。


 次に作るのは屋根だ。

 炉を作っても素置きでは雨や雪にさらされてしまう。

 そうしたらすぐにダメになってしまうだろう。


 というわけでドワーフたちの炉チェックの間にササっと作ってしまう。

 今回は本格的なものではなく、簡易的なものなのでハイコボルトたちにも手伝ってもらえばすぐに建てられる。


 本格的な鍛冶場は……いつか大きな炉を作る時に気合を入れて作ろう。

 今はこれでいい。

 ドワーフたちもそれで賛成してくれたしな。


 そしてちょうど屋根を作り終わったところでイアンに声をかけられる。


「代表殿、確認が終わりました。この炉ですが……まっこと素晴らしい出来ですぞ。全く穴も無く、滑らかに固められている。我らドワーフが作ってもこうはいきませぬ。さすがは代表殿」


 どうやら小型炉はドワーフたちのお眼鏡にもかなうほどしっかり固められたらしい。


 ふぅ、それならよかった……。

 俺はほっと胸をなでおろす。


「ですが代表殿。今は問題がありませんが、本当に問題がないかどうかは……」


「ああ、分かってる。実際のところは使ってみないとわからないよな」


 そう、実際につかってみなければ本当に問題がないかどうかはわからない。

 今はよくても、火を入れたら割れた……とか、崩れた……とか、そんなことになったら片手落ちだ。


 まあ例えそうなっても問題ない、そういうリスクも考えて小型の物を作ってるんだしな。

 もしそうなったらまた作り直せばいい。


 そういうわけで早速ドワーフたちに頼む。


「じゃあ実際に炉を使ってみてくれ」


「はっ!では火を入れさせていただきますぞ……!」


 イアンがそう言うとドワーフたちが動く。

 炉の中に石炭を敷き詰め、火魔石ファイアストーンを用いて火をつける。


 すると。

 ボウッ!と一気に炉の中を火が荒れ狂った。

 少し離れている俺のところにまで熱気が届く。


 凄まじいな……。

 今まで火魔石ファイアストーンはお湯を作ることにしか使ってなかった。

 火をつけることに使えばこれほど燃え上がるとは。

 興味本位で焚火に使ったりとかしなくてよかったな……。


 ドワーフたちは一気に上がった温度にも驚くことなく鉄鉱石を炉に入れる。

 そしてさらに火魔石ファイアストーンを追加。

 さらに熱気が強まる。


 その熱気に動じることもなく、ドワーフたちは真剣な目で炉の中をのぞいている。

 数分ほどそうしていたかと思うと……おもむろにイアンが炉の入口に近づく。


 そして……鉄鉱石が取り出される。

 鉄鉱石はドロドロに溶けていた。


 大して時間もたっていないのに……これが火魔石ファイアストーンの力か。


 取り出した鉄にイアンが金槌をたたきつけていく。


 カンッ!カンッ!カンッ!


 見る見るうちに形を変え……見事な刀身が形作られた。


「どうぞ……代表殿。試作故、大きなものは作れなんだが……包丁にでも使ってくだされ」


「あ、ああ……ありがとう。ありがたく使わせてもらう」


 俺は答えながらも少しどもる。

 なぜならその刃物がとても綺麗で目を取られてしまったからだ。

 とてもなめらかで、日に当てるときらりと優しく光る。


 すごいな……炉の試しで作ったものなのにこれほどのものが出来上がるとは。

 ドワーフたちが自分で鍛冶仕事が得意だと言うのもうなづける。


 よし。

 ドワーフたちにはこれからも鉄製品をたくさん作ってもらおう。

 狩猟用の武器、罠、解体用のナイフ、料理用の包丁、フライパン、なべ、等々……作ってもらえばここの生活がもっと楽になるだろう。


 その旨をイアンに伝えると。


「もちろん、お任せくだされ!我らドワーフ一同、受け入れていただいた恩を返すためにもしっかり働かせていただく!」


 そう力強く返答してくれた。


 他のドワーフたちも目を輝かせている。

 得意なだけではなく……心から鍛冶仕事が好きなようだな。

 やる気に満ち溢れているように感じられる。


 その姿に畑仕事の時ににじませていた焦りはない。

 これで自分たちも貢献できると……安堵しているようにも感じられる。


 これならもう心配する必要もないだろう。


 さて、そうすると……もっと採掘に行かなければならないな。

 加工用の鉄鉱石もそうだが……それ以上に石炭と火魔石ファイアストーンだ。


 試しの鍛冶を見た限り、この二つは俺の想像以上に使う。

 そこそこため込んでいたからまだ余裕はあるが、もっと多く採掘してこないとそのうち尽きるだろう。


 そのためには……そうだな。

 ドワーフたちにも手伝ってもらおう。

 俺一人じゃ大量の採掘は出来ても、そのすべてを持ち帰ることはできない。

 だが、人手を増やせば十分な量を持って帰れるだろう。


 ああそれと。

 鉱石なんかの保管場所も作らないとな。

 今は食料なんかと一緒にまとめて地下倉庫に入れてあるが、量が増えればそういうわけにもいかなくなる。

 種類ごとに倉庫を分けた方が後々楽だし、採掘に行く前に鉱石用の倉庫も作ってしまおう。


「なんと……炉だけではなく新たな倉庫まで? ありがとうございます、代表殿!」


 礼はいらない。

 ドワーフたちにも手伝ってもらうしな。


「もちろん!しっかり働きますぞ!」


 ふぅ……よし。

 これでここにも鍛冶場が出来た。

 今は鉄だけだが……他の金属も手に入れることができたら、さらにいろいろな物をドワーフが作ってくれるだろう。

 楽しみだ。


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