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ゆるっと街づくりin異世界~すべての種族が住む街を作れ!?~  作者: 下河スズリン


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16.新フェンリルの名づけとエルフとドワーフの住居づくり

 そして翌日。

 種族が増えたことによりあの声が頭に響いた。


 ”累計五種族、結集確認。新たな形態、「鍬」「金槌」解放”


 創造神器の新形態の解放だ!

 しかも望んでいたクワ!

 ありがたい。

 次からの畑づくりが楽になる。


 それと……金槌?

 この形態は……ハンマーと何が違うんだ?

 まあいい。

 使ってみればわかるだろう。


 というわけでムイを連れて俺は家を出る。

 ちなみにシロは昨日は帰ってこなかった。

 連れ帰ってきたフェンリルと共に過ごしているらしい。


 ……ん? ということはシロたち用に新しい家を建てた方がいいんじゃないか?

 俺の家にシロとさらにもう一頭増えるとなるとかなり手狭になる。

 考えておこう。




 俺は畑近くの適当な空き地にたどり着き早速実験を始める。

 まずはクワ。

 待望の形態だ!

 形は普通のクワという感じ。


 早速適当に耕してみる。

 ここらはそのうち畑にする場所だからいいだろう。


 サクッサクッサクッ……!


 これは凄い。

 畑がサクサクできていく。


 つるはしだと耕すのに、掘る→土を戻すの二工程が必要だったが、クワなら一工程で済む。

 しかも、心なしか畑の出来もいいような……。


 これなら次の畑づくりはかなり楽になる。

 エルフやドワーフたちにも手伝ってもらえば、畑をさらに拡張できるだろう。

 楽しみだ。




 そして次。

 金槌。


 ハンマーと何が違うのか……出してみたら分かった。

 創造神器のハンマー形態、その外観は木のハンマーだ。

 全体が木でできた、見るからに建築で使いますよ、といった感じの形態。


 だが金槌は鉄だった。

 柄は木製で同じだが、ハンマーと違って叩く部分は鉄で出来ているのだ。

 こちらは見るからに……鍛冶で使う、といった感じの形態だな。


 鉄鉱石も採掘出来ているし……もしかしたら割とすぐに使うことになるかもしれない。




 さて、新形態のある程度の確認は終わった。


 ので。


 昨夜は後回しにしてしまったことを片付けていこうと思う。


 まずは……フェンリル。


 昨日はエルフとドワーフたちが俺を神と呼ぶのを修正するのに忙しくて挨拶できてなかった。

 なので早速向かう。


 ……どこに居るんだ?


 俺が迷っているとムイが方向を指し示してくれる。

 他に頼るものもないのでしたがって行ってみると……。


 シロたちを見つけることが出来た。


 凄いな……どうやったんだ?

 分からないがムイが誇らしげにしているので撫でておく。


 そして俺はシロたちの方に向かった。


 新たなフェンリルは昨夜と同じようにシロに寄り添っていた。

 昨夜もずっとシロに寄り添っていたことから、ある程度予想はしていたが……どうやらメスのようだ。

 シロのつがいということになるな。


 そうか……シロ……あんなに小さかったお前がつがいを見つけて……。

 つい感極まってしまう。

 俺が出会ったときはほんと、子犬くらいの大きさだったのにな……。


 ふぅ。

 落ち着こう。


 今は新たなフェンリルの方だ。

 にしても新たなフェンリルっていちいち呼ぶのは面倒だ。

 名前を付けさせてもらおう。


 フェンリルだから…………リルだな。


 …………。

 ……分かっている。


 自分で自分のネーミングセンスのなさにあきれている。

 もっと他にないのかと思うが、思いつかないものは仕方がない。


 幸い、メスフェンリルの方は拒否していないようだ。

 仕方ない……それでいいよ……みたいな気配を感じる。


 ありがたい。

 というわけでこれからはリルと呼ばせてもらう。

 シロのことつがいとしてよろしくな……と、そんな意味も込めて撫でようとしたら、するりと避けられた。

 まだそこまで心を許してもらえてはないみたいだ。


 シロがあたふたとしているが、気にするな、と撫でておく。

 そのうち仲良くなれたらそれでいい。


 ちなみに俺のそんな姿をハイコボルトたちが遠巻きに見ていた。

 シロたちに声をかけないのか? と聞いたところ……。


 フェンリル二頭が仲睦まじく過ごしている姿を見ることが出来るだけで満足らしい。

 むしろ声をかけて自分たちに意識を向けてほしくはないのだとか。


 神カップリングを前にしているときのオタク?


 俺はそう思ったが、まあ、人の趣味? に口を出すのはよくない。

 シロたちが嫌がるならやめるように言ってその場を離れる。




 そして俺が次に訪れたのは簡易テント。

 コボルトたちのかつての住居だ。


 エルフとドワーフには今ここで過ごしてもらっている。


 これは俺の不手際だが……住居を用意していなかった。


 理由は二つ。

 まず一つは、俺はこの調査で新たに移住してくる種族が見つかると思ってなかったこと。

 そしてもう一つは採掘に夢中になっていたことだ。


 うん……俺の見通しが甘すぎたな。

 反省しよう……。


 さて、エルフとドワーフの住処は急ピッチで用意するとして。


 今はまず話を聞こう。

 昨日は聞けなかったからな。


 代表のハイラとイアンを呼んできてもらう。


 聞きたいことは、何ができるかだ。

 得意なことがあるのならそれをやってもらった方がいいからな。


 で、どうなんだ?


「はい、代表様。我々エルフは農耕が得意です。見たところ畑を作っていらっしゃいますね? その畑の世話を任せていただければ。それに、ハイコボルトの方たちを護衛につけていただけるのであれば……森の中で採集も行えます」


 ふむ……なるほど。

 エルフは俺の中では森の中で生きる種族というイメージだった。

 採集はイメージ通りだがさらに畑仕事まで得意とは。


 正直助かる。


 今現在、畑の世話は手の空いたものでやっていた。

 皆なんだかんだやることが多いからな。

 それを任せることが出来るのならありがたい。


 それに採集も。

 聞けば食べられる果実、野草、果てには薬草の知識もあるらしい。


 薬草はいいな。

 これまで怪我や病気は運よく無かったが、これからも無いとは限らない。

 薬草があればその時に備えることが出来る。


 ハイコボルトたちの狩りに同行してもらい採集もしてもらうことにしよう。




 次にイアンが答える。


「わしらドワーフは鍛冶を得手としております。もし鉱石がおありならば、わしらがさまざまなものを作ってごらんに入れましょう」


 こっちは完全にイメージ通りだな。

 ドワーフといえば鍛冶。

 こっちもありがたい。


 ちょうど鉄鉱石が取れ始めたところだ。

 加工手段が欲しいと思っていた。

 ドワーフたちには鍛冶仕事をしてもらうことにしよう。


 ドワーフたちにそう言うと、鉄があることに喜び炉を作りたいと言ってきた。

 住居の作成などやることがいろいろあるが、それが一段落したら炉を作ることを約束した。




 最低限聞きたいことは聞けたな。

 他の事はまあ、共に暮らすうちに少しずつ聞いていけばいい。


 というわけで早速、家を作る。

 シロとリルに狩りを頼み、残りの全員で一気に作っていく。


 やはり建築はハイコボルトたちの独壇場だな。

 見る見るうちに家の形が出来ていく。


 エルフとドワーフもとてもやる気を出している。

 やはり自分たちが落ち着いて住み着く場所の建築だからだろう。

 俺も皆に負けないように張り切って木材を作っていった。




 そして。

 人手が増えたこともあってか思ったより時間もかからずに完成する。

 エルフとドワーフたちの家だ。


 エルフとドワーフたちは震えている。

 自分たちが落ち着ける場所を実際に目の当たりにして感じ入っているのだろう。

 俺はそっとしておくことにした。




 そして出来上がったものはそれだけではない。

 シロとリル用の家……小屋? 作った。

 かなり大きめに作ってあり、中にも草や耕した土などリラックスできるような場所も用意してある。

 フェンリルの住処ということでハイコボルトたちがとても張り切って作ったので、かなり良い出来栄えだ。


 もしかしたら今の俺の家よりも良い出来かもしれない。

 まあ、一応シロの新居? だしな。


 シロもリルもとても喜んでいる。

 二匹ともしっぽがちぎれんばかりにぶんぶん振っている。

 どうやらかなり気に入ったようだな。

 ハイコボルトたちも自分たちが作った家をシロたちに気に入ってもらえて喜んでいる。




 そういえば、俺は勘違いしていることがあった。

 ドワーフたちのことだ。


 彼らが家の部屋割りを話しているときに判明した。

 ドワーフたちは皆ひげを生やしていたため、全員男性かと思っていたのだが……。

 どうやら男女半々だったらしい。


 ……よかった……!早めに気づけて……!


 さすがに間違うのは失礼すぎる。

 俺は木材を運びながらそっと胸をなでおろした。




 さて、家を作り終えたのだからあとは家具だ。

 だがこれは心配いらなかったりする。


 なぜなら……余っている家具がかなりあるからだ。


 そう。

 俺とルシュたちが冬の間に作った家具だ。


 やることもなかったためつい熱中してしまい……かなりの量の家具を作ってしまったのだ。

 まあそのうち人が増えれば使うだろうと思い保管しておいたその家具を使ってもらう。


 もちろんシロたちにもだ。

 飲み物用の器など……予備が三セットほどあるからな。

 有効活用できてよかった。


 家具を運び込みエルフとドワーフたちに問題はないか聞く。


「ええ、問題ありません。こんなに質のいい家具を使わせていただき……感謝しています」


「わしらもちょうどいいですぞい。わしらは小柄な種族じゃから大きいかと思ったが……ぴったりですぞい」


「ああ、それは……ルシュたちも進化する前は小柄だったからな。それはその時に作った家具だ。」


「ほう……ではもしもわしらが進化すれば体が大きくなったり……?」


「なるかもしれないな。もしそうなった時は普通サイズの家具に入れ替えないとな」


「ご苦労をおかけいたします」


「こんなの苦労のうちに入らないさ。助け合いだ」


「おお……さすが代表殿……!器が大きい……!」


 普通のことだと思うけどな……。

 いやこれが普通と思えないような経験をしてきたってことか。


 この街が彼らが心安らげる場所になればいいな。

 俺は心からそう思った。




 さて、まだ他にもドワーフに頼まれた炉の作成などやることがあるが……いったん中断する。

 畑の作物が豊かに実っている。


 収穫の時だ。




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