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ゆるっと街づくりin異世界~すべての種族が住む街を作れ!?~  作者: 下河スズリン


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156.海遊び

 さて、海の屋敷に問題は無く、海水浴場は完成した。


 というわけで早速海開き。

 海水浴場を開いた。


 とはいっても街にプールも作ったばかりだし、そもそもこれは港にも遊泳場所を作って欲しい、というトゥーナの頼みで作ったものでもある。

 港の者たちが中心に来るぐらいだろう。


 俺はそう思っていたんだが……。




「なるほど……海で遊ぶ、それは盲点でした」


「あー……向こうで流れるのもいいけど、こっちで波に揺られながらぷかぷかするのもいいなあー……」


「うぉっ……波に体が持ってかれる……! これ、訓練にもいいかもなあっ……!」


「……ふむ。なるほど。確かにマーメイドたちに頼んでもっと波を大きくしてもらえば……良い水中訓練になるかもしれません」


 なんか街の方からも結構遊びに来た。

 いやまあ、港と街の間はケンタウロス交通があるから結構気軽に来れはするんだけど。

 ここまで来るとは正直思ってなかったな……。


 俺の目の前にある光景は、砂浜にも海の屋敷にもたくさんの住民が押しかけてきている光景。

 もちろん、全員ではないが……何でこんなに?


「こちらに代表様がいらっしゃると聞いたので」


「海水浴場ってどんなものか気になって」


「プールも良かったけどやっぱりこっちの方が広いだろ?」


「それにプールもかなり人が集まってぎちぎちになっていましたし」


 ……なるほどな。

 プールじゃなくこちらに来た理由としては……俺が居る、というのはいったん置いておいて。


 こっちの方が広いから。

 それと、プールだけに人が集中してごった返していたから。


 だな。

 まあそれなら納得できる。

 プールもかなり大きめに作ったとはいえ、それでも広さはやっぱり海水浴場の方が上だし。

 さらに人も集中していたとなれば、なおさらこちらの方が開放感があるだろう。


 まあだけど、こっちに人が流れた分プールも結構開放感出たんじゃないか?

 海よりプール派の住民たちもほくほく顔でプールを楽しんでいそうだな。


「それと海とは直接は関係ありませんが……あの、海の屋敷、でしたか? あれが気になったので」


 ああ、そっちもあったか。


 俺は海と砂浜の方に向けていた視線を再び海の屋敷へ。

 そこには外から見える休憩スペースだけでも結構な数の住民がまったりしているのが見える。

 さらには、かすかにソースの香りも漂ってきている。

 食事処も盛況みたいだな。


「だけどー……ちょっと一つだけ不満点があるかもー……」


 ぷかぷかと波に揺られながら、翼で器用に舵を取ってこっちに近づいてきたシエルがそう口にする。


 不満点?


「うん、海の屋敷もすっごく居心地よかったんだけどぉ……」


 波間でぷかぷかしているとこしか見なかったんだが……いつ行ったんだ。


「海の屋敷にはウォータースライダーが足りないよねー……」


 そう言ってくるシエル。

 いやまあ確かに海にウォータースライダー作るって発想は出なかったな。


「でしょ? でもあってもいいんじゃないかなー……?」


 ふむ。

 確かに。




 シエルの提案にハッとした俺は早速ウォータースライダーを作ることに。

 作ってどうするのかとか考えない。

 あった方が楽しい。


 というわけで始点は海の屋敷、その三階部分。

 休憩スペースになっているそこを一部ウォータースライダーの始点に改造する。


 マーメイドたちも使えるように、水路の近くに台と階段を作り、海の方向へとスライダーを伸ばす。

 後はそのままハンマーで砂浜に思い切り柱を打ち込み、その柱の上にスライダーを取り付けていく。


 構造は単純なのですぐに完成。

 三階建ての海の屋敷から海につながったウォータースライダーが出来た。


 それじゃあ早速美辞に滑れるか確認を……。


「はーい、それじゃ試験行きまーす!」


 しようと思ったところで。

 スライダーの開始地点にシエルの姿。

 いつの間に。


「まあまあいいでしょ? いざとなったら飛べるんだから試験にはもってこいだよ」


 完全に滑る気満々で俺にそう言ってくるシエル。

 だがその言葉には一理ある。

 創造神器を用いて作ったからまず大丈夫だとは思うが万が一があるからな。

 マーメイドたちにも、もし危なくなったら、水魔法で受け止めて欲しいと声を掛けておく。


「じゃあせっかくだし代表様も一緒に滑ろー?」


 俺も?


「そうそう。いざという時は私が抱えて離脱するし、何よりせっかく作ったスライダーの初すべりだよ? 一緒に体験しよー」


 くいくいと手招きをしながらそう言ってくるシエル。

 まあ確かに……せっかく作ったんだし最初に滑りたい……そんな気持ちが無いと言えば嘘になる。

 ここはシエルの厚意に甘えさせてもらうとしよう。

 創造神器もあるし大丈夫だろう。


 そう考えた俺はシエルの誘いに乗って一緒に滑ることに。




「ひゃー! たのしー!」


 俺の目の前で、俺に抱かれるように滑っているシエルがそう歓声を上げる。


 いや確かにこっちも楽しい。

 プールに作ったものとは違い曲がってはいない真っ直ぐなスライダー。

 その分スピードもそれなりに出て、そのスピードを維持したまま、海に突っ込んだ。


 ザバァン! と、大きな水音。

 俺とシエルは無事に着水した。


「いや、街のもいいけどこっちのもいいねー!」


 海上に顔を出したシエルが楽しそうにそう感想を口にする。


 本当にな、こっちもこっちでとても楽しかった。


「ねー!」


 感想を言いあいつつ、今滑ったスライダーを見るが、小動もしていない。

 どうやら問題は無いようだ。


 始点の方でこちらも見ている者たちに腕で大きく○の形を作る。

 向こうも俺のジェスチャーに盛り上がったようで、早速次が……あれトゥーナだな……が、滑ろうとしている。


 よしよし……これでさらに楽しんでもらえることだろう。




 その後。


 ウォータースライダーという新しい遊具も出来た海水浴場はさらに盛り上がった。

 特にマーメイドたちが。

 地上から滑って海に突っ込むという体験はかなり新鮮だったらしい。


 トゥーナは街に来て体験していたけどマーメイドたちは今回が初体験だったからな。


 そうやってマーメイドたちの歓喜を見つつ。

 せっかく砂浜があるということで、俺が考案したのはビーチフラッグ。


 ビーチにフラッグを建てて、参加者はそのビーチフラッグから離れたところにうつ伏せで寝転がる。

 そして合図とともに起き上がって走り出し先にフラッグを取った方が勝ちだ。


「ははっ! 流石に砂浜の上とは言え、走りじゃ負けられねえぜ!」


「むぅ……もう一度やりましょう。次は勝ちます」


 当然と言うべきか、やはりケンタウロスたちが強かったな。

 うつ伏せに寝転がった状態から始める都合上、スタートでかなりもたついてしまうが……一度走り出せば圧倒的だ。

 スタートの遅れを取り戻すダッシュ力で旗を奪取していた。


 だが、何回か挑んでいるハイラも大したものだ。

 走力では流石に敵わないが、その代わりスタートが速い。

 フリストルも言葉では勝ち誇っているが、今回はかなりギリギリだった。

 次は本当にハイラが勝つかもしれない。


 そんな感じでビーチフラッグもかなり白熱している。

 遊び程度に提案したのに皆全然ガチだ。

 いやまあ楽しんでくれてるなら別にいいんだけど。


 後、海と言えば思いつくことはスイカ割りやビーチバレーだが……スイカやボールが今は無い。

 なのでこれらは将来の楽しみにしておこう。




 そうして海で泳ぎ、砂浜を走り、スライダーを滑って。

 遊び疲れたら海の屋敷でのんびりし、お腹がすいたら焼きそばを食べ、再びのんびりする。


 そんなことをしていたらいつの間にか日が傾いていた。

 夕焼けに染まった海でまだまだ住民たちは楽しそうに遊んでいる。


 俺はそれを海の屋敷の最上階で寝転がりながら眺めている。


 いやぁ……とんでもないセレブにでもなった気分になれるな、これ。

 作って良かった海水浴場。


 自作のアップルジュースを片手にそんなことを思う俺なのだった。


 ちなみにアップルジュースはその後皆に見つかり、急遽海の屋敷でアップルジュースの屋台をやる羽目になった。


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