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ゆるっと街づくりin異世界~すべての種族が住む街を作れ!?~  作者: 下河スズリン


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143/190

143.闘技祭ー第二回戦

 そんなわけで闘技祭二日目本戦第一回戦すべて終了し、ベスト十六が決まった。


 勝ち上がったのは、ルシュ、ハイラ、イアン、フィーネ、ラウーム、ムイ、リネイア、シエル、クトネー、ニチャ、トゥーナ、フォイル、ワチチ、パード、エイリス、シロの子供。


 やっぱり種族の代表陣が強い。

 特に進化を果たしている種族たちの。


 そんな中残っているトゥーナ、エイリス……かなり凄いと思う。

 組み合わせに恵まれた部分もあったが勝ち上がってきている。


 シロの子供……ずっとこういうのもなんだかアレだな。

 とりあえず仮でシロイと呼ばせてもらおう。

 こっちはシロと同じで進化はしていないみたいだが……元々が強い。

 一回戦の対戦相手のイグニータ……進化した精霊相手に普通に勝っていた。


 ちなみにエイリスはニャジッタと戦って、普通に勝ち。

 ニャジッタは……まあ頑張ってはいたが戦闘は余り得手ではないと思われる。


 凄かったのはトゥーナ。

 トゥーナはハイドワーフ相手になんか普通に勝ってた。

 舞台上に水魔法でいくつも水球を浮かべ、その水球の間を高速で飛び回り、地上にもかかわらずかなり危なげなく勝利していた。

 凄い。




「さあ! いよいよ第二回戦が始まります! 第一試合はマイコニン代表ニチャ選手、対! エルフ代表ハイラ選手です!」


 自身も勝ち上がった選手であるにもかかわらず、きっちり司会もこなしているフォイルの宣言に会場が沸く。


 ちなみに、自身の試合の時は代役でも頼むのかと思ったが……拡音石を試合に持ち込んで自分で自分の試合の実況をやっていた。

 とてもノリノリだった。

 ……実況されながら負けたハイエルフがちょっと落ち込んでたけど。


 ともかく最初の試合はニチャ対ハイラ。


「では行って参ります」


 フォイルに名を呼ばれたハイラは再び舞台まで飛び降りて向かった。

 味を占めたらしい。

 まあ会場は盛り上がっているしいいだろう。


「いひひぃ……勝たせてもらうよぉ……」


「申し訳ありませんがそれは叶いません。勝つのは私ですから」


「戦いが始まる前からやる気十分ですね! 両者とも! それではさっそく……はじめぇー!!」


 フォイルの合図とともに、第一試合、白熱した戦いが展開され……は、しなかった。


 結果は割とあっさりと……ハイラの勝利。


「うぅ~~……むりぃ~~……」


「キノコは採取対象でもありますから。対策はしています」


 試合開始直後からニチャは距離を離され、そのまま遠距離から撃たれ続けた。

 ニチャも何とか近づこうとしていたが……。

 ……ニチャはあんまり機動力無いから……。


「近付けさえすれば……胞子がうてたのに……」


「そうだろうと思ったので距離を取りました」


「くぅ……次までには遠距離対策しておかないと……」


 戦い終わったニチャは珍しく燃えていた。

 かなり一方的だったから悔しかったらしい。




 そして、次の試合。


「第二回戦第二試合は……コボルト代表ルシュ選手! 対! その部下であるハイコボルトのワチチ選手!」


 その声にルシュとワチチが舞台中央へ。


「ルシュ様が相手ですが……全力を出し切ります!」


「お互い主様のご照覧に恥じない戦いをしましょう」


「はい!」


 二人は朗らかに微笑み合っている。

 そして少し距離を離したのち、向かい合うと……。


「両者、準備はよろしいですね!? それでは試合――開始!!」


 試合開始を告げる合図とともに銅鑼が大きく鳴った。




「行きます!」


 そう大きな声で宣言すると、仕掛けたのはワチチ。


 ルシュは動きを見せない。

 待ちの姿勢。


 そのままワチチはルシュの周りを旋回するように走りながら攻撃を加えていく。

 が。


「ラッシュラッシュラッシュ! しかし! ルシュ選手すべて凌いでいる! 横、背後、頭上、足元! 襲い来る攻撃をその両手に持った剣とわずかな足さばきだけで受け切っています!」


 ルシュが上手だな、これは。


 ルシュは試合が開始した場所から動かず、向きも変えず。

 ゆらゆらとまるで柳のように揺れながら攻撃を回避し、回避しきれないものはその手の剣で受け流している。

 ……完全に視線向けてないように見えるんだが? 背後からの攻撃何で防げるんだ?


「嗅覚です」


 観戦席に戻って来て、控えていたハイラが答えをくれた。


「ルシュは進化と鍛錬により、相手の行動すらも先読みして察知できるほどの嗅覚を身に着けたらしく……手合わせでは私の超遠距離からの狙撃も視線を向けずに躱すことが出来ます」


 それもう嗅覚ってレベルじゃなくないか?

 いや、まあでも異世界だしな……あり得るんだろう。


 にしてもハイラの遠距離からの狙撃でも躱されるんなら、弓矢とかもう当てる方法ないんじゃないか?


「いえそれはありますが」


 あるんだ。


「はい。相手に矢を当てられないなどエルフの名折れなので。進化していたなら尚更です」


 そう言ってハイラは胸を張る。

 それを横目で捉えながら、視線は舞台へ。


 ちょうどそこではワチチが埒が明かないと悟ったのか、ルシュの正面で立ち止まっていた。


「……流石です、ルシュ様。このままでは消耗して動きが鈍った私は一方的にやられてしまうのでしょう……。ですのでその前に! 全てをぶつけます!」


「構いません。受けて立ちます」


 ワチチの宣言に、だらりと下げていた両手を上げ、構えを取るルシュ。

 ワチチはそれを視界に収めると一つ大きく深呼吸し……真正面から突撃した!


 ガギィン! と、金属同士がぶつかった大きな音が鳴り。

 次の瞬間俺の目に入った光景は。


 ワチチが渾身の力を込めて振り下ろしたであろう剣を、片手の剣……と、それに添えた足で止め、もう片方の剣をワチチの首元に突きつけている姿。


 ……ルシュの勝ちだ。


「そこまで!! 同族対決は、ルシュ選手に軍配が上がりました! 相手の全力を受け止めたうえで見事勝利! 代表としての貫禄を見せつけましたぁ!!」


「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーっ!!」」」」


 歓声が響く。

 特にコボルト、ハイコボルトたちだな。

 ここまで残った進化したコボルト同士の戦いにとても興奮したようだ。


 まあ俺も正直かなり興奮した。


 ルシュとワチチは最後に舞台中央で握手を交わし退場。

 盛り上がったまま闘技祭第二回戦は続いていく。




「お見事です! どれもまったくもって素晴らしい試合でした!」


 そのフォイルの宣言と共に会場が沸く。

 いやー素晴らしかった。


 俺はどの試合にもパチパチと拍手を送った。


 勝ったのは八人は、ルシュ、ハイラ、イアン、シロイ、ムイ、フィーネ、フォイル、クトネー。


 結構妥当かな? とは思うが……いやムイは驚いてる。

 基本的に俺の肩に乗ってきてぽよぽよしている姿しか見ないんだが……普通に強かった。


 一回戦では、思い切り体当たりして相手を舞台外に落として勝利。

 二回戦は相手もそれを警戒して真正面に武器を構えていたんだが……一切怯まずムイは突進。

 構えていた武器に当たるかと思いきや……その構えていた武器を避けるようにしてぐにゅんと形を変えると勢いを落とさずにそのままぶちかまし。

 相手を場外へ。


 いやぁ……少し目が点になった。

 明らかに物理的におかしい挙動だったもん。

 いや、異世界のスライム? に物理法則を期待するなって話だが。


 というかあれやられたら大きい盾を持つ、くらいしか防ぐ方法なくないか?


 あと驚いたのはフォイルだな。

 今回もまた自分で自分の試合を実況していたからな。

 会場は盛り上がってたが……。

 本当によくそんなことが出来るもんだ。


 ……と、まあそんなわけで第二回戦は終わり。

 次は第三回戦だ。


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