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ゆるっと街づくりin異世界~すべての種族が住む街を作れ!?~  作者: 下河スズリン


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102/120

102.宴会のち採掘

 連続宴会を終えた後。


「「「……すみませんでした……」」」


 俺は宴会に参加していた幾人かを屋敷の外……結構大きめの噴水が出来た場所で正座させていた。




 いやぁ……まさか噴水が出来るとはな。


 昨日、宴会も後半に差し掛かった頃。

 俺は宴もたけなわということでお開きにしようとしたんだが……一部の者たちがまだ続けたいと言ってきた。

 別に断る理由もなかったので、残るといった中に居たシエルに防音用の結界を張るように、とだけ言って俺は部屋に戻って就寝したのだが……。


 起きてみたら。

 何と屋敷の外に噴水が出来ていた。


 それは今も真ん中から高く水を噴き出し、光を乱反射させ周囲をキラキラと輝かせている。

 ……いや乱反射による光だけじゃなくないか? これ? 妙に光が強いんだが。


 とにかく、この光景を見た俺は、周囲に樽を転がしながら寝こけていたものたちを起こし、とりあえず正座させた。

 そしてどういうことか聞いたのだが……。


「ごめーん、覚えてないー……いたた……」


「わたしも~……噴水は多分わたしがやったんだろうけど~……どうやったらこんなの出来るんだろうね~?」


「分かんないっす~……」


「すみません……」


 等々。

 帰ってきたのは、全員どうしてこうなったのか分からないという答え。


 うん。

 完全に酒に呑まれたな、これは。


 しばらく酒は飲まないように。と、達しを出した。


「「「そんな~~……」」」


 ちなみに噴水はそのまま観光スポット? にした。

 ベンチとか縁とかいろいろつけて。

 せっかく出来上がったんだから。


 街民の憩いの場として結構人気になった。


 ……少しだけなら飲んでも構わない。と、許しを出した。


「「「やった~~!」」」




 さて、ちょっと出鼻をくじかれた感もあるが、今日も頑張っていこう。

 まずやることは……。


「では、行って参ります」


 ああ、よろしく頼む、パード。

 ……気合が入っているみたいだが、何よりも安全第一でな。


「はい。分かっております」


 まずは調査団を送り出すこと。


 春が来て、今年はまだ調査団を送り出していなかった。

 海に案内してもらって、そのまま港づくりにも協力してもらっていたからな。


 まあ軽く港周辺の調査とかはやってもらっていたが。

 海が近かったからか、新しい鉱石……砂岩とか……や、新しい植物……塩を溜め込む塩草……とかが見つかった。


 それらのこともあり、調査団の面々はかなり気合が入っている。

 此度の調査でもまた新しい何かを発見してレースピアに貢献しようと。


 まあやる気を出してもらうのはありがたいが、それで勇み足になってしまうのはいただけない。

 なので、自身の安全を最優先してくれと声を掛けておく。

 確かに新たな発見も大事だが、皆のことはそれ以上に大事だ。

 何も発見できずとも無事に帰ってきてくれるだけで構わない。

 そういったことを伝えたところ。


「代表様……それほどに私達のことを……!」


「あっ……ありがとうございますっ……光栄ですっ……! ぐすっ……」


「……皆聞いたな!? 主様は常に俺達のことを考えてくださっている! 必ず全員無事に戻って来るんだ!」


「「「「おおーーーーっ!!」」」」


 なんだか凄く士気が上がった。

 いやまあ嬉しいことではあるんだが。


 くれぐれも引き際はわきまえて……


「分かっております! 主様! では、行って参ります! 皆、出発だ!!」


「「「「「おおおーーーーーーっ!!!」」」」」


 あ、うん。

 行ってらっしゃい。


 ……ま、まあ、リーダーのパードももうベテラン? と言っていい。

 今回もきっと無事に帰ってきてくれるだろう。

 そう信じることにする。




 そうして調査団を送り出したのち。

 心配は尽きないが、それに囚われる訳にもいかない。

 こっちはこっちでやる事やらないとな。


 そういうわけでやってきたのは鉱山。

 なんだか久しぶりだな。


 ……考えてみると去年振りか?

 冬の間は閉山というか閉掘してたし、春になったらなったで作物作って海に行って港作ってたし。


「おお、代表殿! 今日はこちらに?」


 ああ、イアン。


 つるはしを担いだイアンが近寄ってきてくれて挨拶してくれる。


 いろいろとやることが落ち着いたから久しぶりに採掘しようと思ってな。

 ……ところで今年の採掘はどんな感じだ? いや、問題があったら報告してきてるだろうから順調なのは分かってるけど。


「ガハハハ! その通り、順調ですぞ! 詳しくは代表会議で報告しようと思っておりましたが……やはり回復している様ですな」


 やっぱりか。


 俺はイアンの報告に対してそう返す。

 回復しているというのは、鉱床のことだ。


 発端は去年。

 冬を越えて、春に再び採掘を始めた時、報告がいくつか届いた。

 掘ったはずの場所が埋まっている気がする、と。


 報告を受けた俺は、まあ勘違いだろうと思った。

 見間違いか何かだろうと。

 もしくは、冬の間に採掘していた場所が少し崩れたとか。


 と、最初はそう思っていたんだが、一人だけじゃなく何人かが報告してきたことや、前世ではありえないこの巨大な山ならそういうことがあっても不思議じゃないか? と思い直し……。


 もしそんな現象が起こるのならば、人口増加に伴って採掘人数が増えた今年であれば、より分かりやすくなっているんじゃないかとそう考えていた。


 そして実際この考えは当たっていたようだ。


 イアンがまとめた報告によると、冬前とは明らかに鉱床の様子が違う……掘ったはずの場所が明らかに埋まっていたと。

 そしてそこからは再び鉱石が掘れたらしい。


「いやまさか回復する鉱山とは。その巨大さと言い……世界には信じられぬモノがあるものですな」


 どうやらここまで巨大で、あまつさえ回復すらする規格外の鉱山はイアンも初見らしい。

 まあ明らかにあり得ない大きさと現象だもんな。

 採掘に同行しているハイノームからは、おそらく地下から強大な土の魔力が湧き上がり、それがこの現象を引き起こしている。と、報告が上がったとのことだが……確かめる方法はない。


 だがまあ、原理はともかくとしてこっちとしては相当にありがたい。

 やはり鉱山の一番の懸念点は資源の枯渇だ。


 それが無い……もしくはかなり遠いというのはとても嬉しい。

 出来れば末永く付き合っていきたいものだ。


 さて、それはそれとして……だ。

 回復するのであれば……より深くまで掘っておきたい、という気持ちが俺にはある。


 例えば、地層毎の鉱床の残り鉱石量を百としよう。

 これを一年で三十掘って、残り七十。

 冬明けで三十回復して元通り百。

 つまり百→七十→百。


 実際にこうかは分からないけどだいたいこんなイメージ。


 これが掘っていない地層なら……

 百→百→百。

 多分こうなる。


 採掘していないということはおそらく回復も起きないということ。

 これだと採掘していない分、損だ。

 ゲーム脳と言われるかもしれないが、俺はそう考えてしまう。

 それに……奥に行けば行くほど貴重な鉱石が出やすい? 傾向もある。

 それも考えると、回復分を採掘していないというのは……うん、ちょっとやきもきする。


 そういうわけで……今の最深層は第七地層。

 そこからさらに深く掘っていきたい。

 あるかもしれない第八地層に向かって。


 そういうわけで……付き合ってもらっていいか? イアン。


「もちろん構いませんぞ! ラウーム殿もお呼びしましょう!」


 二つ返事で引き受けてくれるイアン。


 言葉に甘え、イアンにラウームを呼んできてもらい、俺たちはトロッコに乗り込み第七地層へ。


 ……徒歩よりは楽だけどやっぱり改良したいな、このトロッコも。


「めちゃくちゃ洞窟の中のトロッコを引くのに適したゴーレムを作って引かせるっすか? いやそんなゴーレム思いついてないっすけど……」


「ふぅむ……行きは下りにして、帰りはトロッコに括り付けた頑丈な縄を皆で引っ張る、というのはどうですじゃ?」


 一緒に乗っているラウームとイアンがそう案を出してくれる。

 悪くはないが……うーん……。


 ……まあ、今の状態がとんでもなく不便って訳でもないしな。

 ゆっくり考えればいいか。


 俺はそう思考を打ち切り、まだ見ぬ地層へ向けてトロッコを走らせた。


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