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Intrusion Countermeasure:protective wall  作者: kawa.kei


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 敵のエンジェルフレームがエネルギーウイングを小刻みに吹かしながら肉薄。  

 ヨシナリは敢えて距離を取らずに接近戦に応じる。 

 上段から振り下ろされた斬撃を背にマウントされたイラでいなし、防御する為に振り返った動作でそのまま一回転。 


 蹴りを放つ。 胴体に喰らわせてクレイモアを起爆。

 至近距離で喰らったエンジェルフレームはコックピットを吹き飛ばされ胴体から真っ二つになった。

 ヨシナリは距離を取ってアトルムとクルックスを抜いて警戒。 


 相手を完全に撃破したのを確認し、試合終了となったと同時に全身の力を抜く。

 

 「ふぅ」


 息を吐く。 ワールドレイドから一週間経った。

 あの後、時間いっぱいまで戦ったマルメル達が帰ってきて戦闘の詳細を聞いたが、最終的には後発で入って来たフランスサーバーのプレイヤーが美味しい所を持って行ったとの事。

 

 以前に戦った時と比べてかなりの戦力増強がなされていたとかでヨシナリとしては見逃したのは勿体ないと悔しさが募る。 

 リプレイ映像を見返す事も不可能だった事もあって簡単な情報交換と反省会をおこなってその場は解散となったのだが、翌日に振り込まれた報酬のPは中々の額でボス撃破に寄与したのが良かったのかもしれない。


 今の所は公式から次のイベントのアナウンスはない。

 先日のワールドレイドがどういった位置づけになるかで変わって来るが、ねじ込んだ形で入ったのなら次回は侵攻戦となるだろう。 

 

 更なるスキルアップの為に意識して接近戦を行うようにしたのだが、中々に難しい。

 受け流しはモタシラを蹴りはツェツィーリエを参考にしているのだがあのクオリティにはまだまだ届かなかった。 特に近接戦は相手が居ないと実にならない事もあってランク戦で積極的に使っている。


 高機動機相手は蹴りによるクレイモア起爆。 

 蹴りを警戒する相手にはアトルムとクルックスか、エーテルで強化を施した貫手。 

 打撃はまだまだ練習が必要だった。 シニフィエのように防御をすり抜けるような一撃を放つのは現状では難しい。 


 ヨシナリは考えてから動く事もあって最適な挙動をしっかりと体に覚え込ませておかないと反応がどうしても遅れてしまうのだ。 アドリブでの近接攻撃は体感で半歩分遅れる。 

 その為、打撃、斬撃を繰り出すシチュエーションをいくつも想定して動きを体に馴染ませるのだ。


 反射で出るようになったのなら完成なのだが、想定が甘いのか微妙に外して来る敵が多い。

 

 ――動きの鈍重な相手ならイラが使い易いんだけどなぁ。


 特にイラはフィールドの無効化――斥力フィールドと空間歪曲には対応していないが――する事が可能な事もあって堅牢な造りの敵には非常に効果的だが、高機動機相手ではあまり出番がない。

 個人的にはユウヤのように高機動機相手でも叩き込める域に達したいのだが、今のホロスコープでは物理的に難しいのだ。


 彼のプルガトリオはあの武器を使いこなす事を意識してフレーム設計がされているのか全身が非常に柔軟だ。 大半の機体は人型ではあるが、プルガトリオはより人体に近い動きと柔軟性を追求している印象があった。


 仰け反った時の角度、可動域、鞭のようにしなる手足。 

 それに加えて当人の高い技量と闘争心が揃って成立する芸術のような挙動、戦い方だ。

 ある意味、完成されたスタイルではあるが、ヨシナリの目指す方向性とは少し違う。

 

 攻撃力と機動性を両立させたスタイル――ラーガスト? いや、違う。

 恐らく目指すべきはタカミムスビに近いスタイルだ。 外装を装備した前と後の立ち回りの変化。

 前者は圧倒的な視野の広さと火力、後者は詳細までは分からなかったがスピードと手数。


 アレを一部でもマネできれば自分のスタイルの完成度は大きく上がる。

 あそこまで圧倒的な強さだったにも関わらず未だに底が見えないのは見せる情報を制限する余裕があるからだろう。 少なくともアレはヨシナリに見られても何の問題もない――いや、敢えて見せて言外に参考にしろと言っているのかもしれない。


 考えながら次の試合へ参加。 相手が決まり、名称とランクが表示される。

 相手はプレイヤーネーム「コンシャス」 ランクはA。

 ユニオン対抗戦では皆勤賞とも言える遭遇率の相手だった。 

 

 格上、それに加えて汎用機という点は対戦相手としてありがたい。

 フィールドはお馴染みの市街地だが、今回は空中戦になりそうだった事もあってあまり関係がなさそうだった。


 『おいおい、またお前かよ』

 「よろしくお願いしますよ」


 嫌そうなコンシャスの声を聞きながら試合開始と同時に動き出す。 

 彼の動きは良くも悪くも基本に忠実だ。 機体も尖った強みはないが目立つ弱みもない。

 特徴がないのが特徴なのだが、それは決して悪い事ではないとヨシナリは思っていた。

 

 高出力のエネルギーウイングを噴かしてコンシャスの機体が急上昇。

 真っ先に上を取りに行った。 シックスセンスでスキャニングすると周囲に重力変動を観測。

 恐らくは推進装置を強化したのだろう。 上昇速度を見れば機体の総合力が上がっているのは明らかだ。


 射撃位置を確保したと同時にロングバレルのライフルを撃ち込む。 

 躱しながら応射するが、太陽を背負っている事もあって微妙に見辛い。 

 使っているのは多機能の突撃銃らしく、パーツの組み換えで用途を変えられるのだろう。


 単発で大口径の銃弾を撃ち込んで来る。 それを機体を振って回避。

 アシンメトリーで応射しながら動きを観察。 ヨシナリの銃撃を最小の動きで躱す。

 これまで比較的ではあるが、楽に勝てはしていたがランカーだけあって手強い。


 上を取らせない為に上昇しようとすると、バースト射撃に切り替えて露骨にこちらの動きを制限しに来る。 明らかにキマイラフレームの挙動を理解している動きだ。 

 変形する素振りを見せればフルオート、人型形態で加速すればバースト射撃。

 通常推進であったならセミオートで捉えようとしてくる。 

 

 特に土台となる基礎性能に開きがある以上、堅実にやれば勝てる。 

 そんな考えが分かる丁寧な戦い方だった。 

  

 ――まぁ、ランカー相手に出し惜しみしてはいられないか。


 パンドラを解放。 300%。

 全身からエーテルが噴出し、機体を鎧のように覆う。 


 『出やがったな。 ベリアルの下位互換野郎がよぉ!』

 「本当にそうかは自分の身で味わってくださいよ!」


 応じながらヨシナリはホロスコープを加速させた。


誤字報告いつもありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
コンシャスさんだ!Aランク維持してるだけあって弱くはないんでしょうね……
おっ、いいねぇ エネルギーウィングと重力制御の組み合わせは個人的にかなり好み
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