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Intrusion Countermeasure:protective wall  作者: kawa.kei


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 完全に当たるタイミング。 通ると誰もが確信したが、タカミムスビの爪は敵機をすり抜けた。

 

 ――違う。 ダミーだ。


 スキャニングして分かったが、エーテル体。 つまりベリアルの分身と同じ。

 恐らくはどこかのタイミングで入れ替わっていたのだろうが全く分からなかった。 

 

 『なるほど。 これは読めなかった』


 即座にウエポンコンテナが起動。 エーテル及び転移阻害のフィールドを展開。

 敵機が掻き消える。 本体はアマノイワトの直上。 真上からの強襲だ。

 位置が割れていなかったのは何故だと思ったが、いつの間にかウイルス駆除のウインドウがポップアップしていた。 


 ――またかよ!?


 どうやら前の分を駆除し切る前に別のウイルスに感染したらしく、駆除の命令がそのまま継続されたようだ。 今後はウイルス攻撃への対策は必須だなと思いながらタカミムスビへと意識を戻す。

 完全に頭に貰うタイミングだと思ったが、アマノイワトが口を真上に向けると口腔から極太のレーザーを発射。 敵機は際どいタイミングで躱すが、その頃にはアマノイワトは空間転移で距離を取っていた。


 転移と同時にタカミムスビはウエポンコンテナに内蔵されたミサイルを発射。

 背面部分にミサイルの発射口があったのか自機を迂回するような軌道を描く。

 敵機のコアから不可視の何か――恐らくはミサイルのロックを妨害するか制御を奪う物だろう。


 ――を仕掛けたと同時にミサイルが全て爆発。 


 上手い。 干渉される前に自爆させて相手の思惑を外した。

 加えて爆発や衝撃で相手の挙動に多少の干渉もできる。 

 ヨシナリに言わせれば一手、いや、その半分だけでも遅らせれば効果としては充分だ。 


 強い。 敵機もそうだが、タカミムスビの実力も凄まじい。

 判断、武装選択、そしてそれらを組み合わせた挙動。 

 最も凄まじいと思ったのはタカミムスビの強さは「理解できる強さ」なのだ。 


 彼はふわわやベリアルのような天才ではあるのだろう。 

 特に視野の広さは常人のそれを逸脱している。

 だが、その洗練された挙動には気の遠くなるような反復練習の痕跡が窺える。

 

 全ての挙動を模倣する事は現状、不可能だが一つ一つを切り取るなら真似する事は出来そうだった。

 だからだろうか? 彼の動きから目が離せないのだ。

 

 『はっはぁ、やるじゃないか! 切れ端でこの強さは確かに脅威だ。 だが、所詮は無機物の類か。 君からは熱量を――魂の輝きが感じられない。 強いだけの力、彼等が許容しない理由はそこか?』


 タカミムスビの言葉は徐々に呟くようにトーンダウン。 

 その間にもミサイル、ガトリングガンで近寄らせない動きをしているが、次々と弾が切れる。 

 自動精製が使用不可能のルールにより、実体弾を用いた武装は弾切れが早い。

 

 それを悟ったのか敵機の動きが変わる。 

 抜け殻となった巨体の一部がボロボロと崩れそれが形を変えながら集まって武器へと変化。

 銃身の長いライフルのような物を形成したが、銃身が縦に割れた。 


 ――レールキャノンか。


 発射。 タカミムスビは転移で躱すが残骸が次々とレールキャノンを精製して銃身を展開。

 流石に見ていられなくなったヨシナリは形成されたレールキャノンにアシンメトリーを撃ち込んで破壊。 他も同様に援護に入るが、精製の速度が早すぎる。 


 次々と無数の銃口が雨のように降り注ぐ。 攻撃範囲が広すぎる。

 明らかにアマノイワト転移範囲を把握した上での制圧射撃だ。

 何処に転移しても当たるように広範囲にばら撒いている。 


 ――こんな物、躱せる訳がないだろうが!


 流石のアマノイワトも躱せずに次々と被弾。 

 ジェネレーターに直撃し、巨体が内側から膨れ上がるように爆散。

 やられたと思った者もいるかもしれないが、以前にやられたヨシナリとしては欠片も心配していなかった。 タカミムスビはここからが本番なのだ。


 レールキャノンが何かに切り裂かれたのか斜めにズレて次々に爆発。 

 アマノイワトの爆発跡からそれは現れた。 黒に近い紅を基調とした細身の機体。

 腰部にはエネルギーウイングが四基、肩部に埋まるように二基。


 明らかに機動性を重視した機体で、忘れもしないあの時にホロスコープを切り刻んだ機体だ。  

 タカミムスビは無言で加速。 速い。 エネルギーウイング四基が生み出す加速は凄まじい。

 敵機はレールキャノンで捉えようとしているがタカミムスビに直撃する物だけが破壊される。


 間合いを詰めたと同時に貫手を繰り出す。 携行武装はないのか?

 敵機は躱すが片腕と胴体が千切れ飛んだ。 


 「は? 何が起こった?」


 速すぎてよく分からなかった。 敵機は包囲に切り替えようとしたが、即座に霧ヶ峰がレールキャノンを撃ち込み、ニニギやカタトゥンボといったランカー達が飛び込むように参戦。 

 何故、ここで割り込んだのだろうかという疑問はタカミムスビの動きを見れば明らかだ。


 ――あぁ、遊ぶのを止めたのか。


 正確には敵の見極めが終わったので、全力で叩き潰す方向にシフトしたようだ。

 それ以前にタカミムスビは一体、何をしているんだ? 

 シックスセンスを使っているのに何をしているのかよく分からない。  


 視界、熱源に反応はない。 

 辛うじて動体に反応があるので何かしらを打撃に乗せて飛ばしているのは分かるが、出が早すぎて詳細が分からないのだ。 あの驚異的な反応を見せていた敵機ですら受けきれずに後退している。

 

 そうなってしまうと他への対処が難しくなる。 

 下がったと同時にニニギが収束させた熱線を放ち精製した武器を焼き払いながら本体を狙う。

 ニニギの攻撃は威力はあるが出が遅い。 あのスピードを捉える事は難しいと思ったが、回避先にまで飛んできていた。 意味が分からない。 


 熱戦が途切れて別の場所から放たれているのだ。 

 何でだと途切れている部分を注視すると巨大なリングがあった。 

 サニーの機体だ。 リング間での転移を用いて攻撃の死角を消した。

 

 タイミングも秀逸でタカミムスビ、ニニギの攻撃を処理させた上で霧ヶ峰の狙撃と敵の残骸を砕いて弾丸に変換している篠突が弾幕を張って回避コースを制限。 

 四手使わせた上で、ニニギの攻撃を転移させて喰らわせたのだ。


 あの敵機もあれだけ挙動を制限されれば躱す事は難しかったらしく、フィールドを展開して全力で防御態勢。 そうなったら後はやりたい放題だった。

 足が止まったと同時にその場にいた全員による集中砲火が襲い掛かったからだ。


誤字報告いつもありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
切れ端に魂に彼らが許容しないか ちょいちょい感じてはいたけどやっぱタカミムスビもそれなりに運営から情報が与えられてるっぽいなぁ まあ事実上のSランクだしライランドたちと同じ扱いはされてそうね にして…
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