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Intrusion Countermeasure:protective wall  作者: kawa.kei


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883

 敵機は四基のエネルギーウイングを自在に噴かして凄まじい挙動でアマノイワトへと肉薄するが、タカミムスビは足場として使われていない反射板を戻すと自機の周囲へと展開。

 全身からレーザーを放ち、乱反射させて敵機を全方位から迎え撃つ。


 ――タカミムスビの攻撃もヤバいけど、敵機の挙動もヤバいな。


 凄まじい精度で躱し、回避が出来ない物は腕で打ち払っている。

 

 「どうやってんだよ!?」

 

 マルメルが引いていたが、中身がNPCならできなくはないのだろうがタカミムスビの反射攻撃を正面から凌ぐのは一体何なんだ? 明らかに反応がタカミムスビの攻撃密度を上回っている。

 

 『これは厳しいね。 悪いが足場を使うので降りてくれたまえ』

 「え?」


 反射板が高速で移動し、加速で乗っていた機体をコアを失って動かなくなった巨大な抜け殻へと放り投げる。 マルメルが悲鳴を上げていたが、ヨシナリとしてはそれどころではなかった。

 何とか割り込めないかと思っていたが、あの密度の応酬に横槍を入れるのは難しい。


 全ての反射板を戻すと更にレーザーを発射して文字通りの結界を形成。

 これの恐ろしい点は攻撃がほぼ途切れない点にある。 上下左右、正面背後、何処からでも狙えて好きなタイミングで叩き込める必殺とも言える状態だ。 大抵の相手は反射板に囲まれた時点で終わる。


 恐らくタカミムスビと対峙した者の大半はこの体勢に持っていかれると二手か三手で詰む。

 ヨシナリも躱せて二回か三回といった所だろう。 

 そんな状態にも関わらず敵機は回避と防御を織り交ぜて全て処理している。  

 

 凄まじくはあるが、疑問もあった。 あの結界に対しての分かり易い対処法は機動で振り切る事だ。

 反射板は重力制御こそ使っているが、そこまで速くはない。 

 加えて不規則な動きをすればそう簡単に囲まれる事はないはずだった。 


 少なくともパンドラを開放したホロスコープなら充分に可能だ。

 敵がそれを理解していないとは思えない。 パターン化されたエネミーであるなら超反応で説明が付くが明らかに学習して強化するタイプの敵である以上、最適解を選ばない理由が不明だ。


 何故、正面から受けて立つような動きを? 接近戦に持ち込みたいから?

 それとも寄生によるアマノイワトのコントロール奪取を狙っている?

 こうも露骨に分かり易い動きをするのか? 


 それともプレイヤーを想定しているだけあって深読みしすぎなのだろうか?

 他のプレイヤー達は手出しをしない。 あまりにも攻防が激しすぎて割り込めないのだ。

 闇雲に撃っても邪魔にしかならないと判断しているからだろう。 


 ニニギは腕を組んで観戦の構えなので彼に関しては野暮とでも思っているのかもしれない。

 霧ヶ峰達は武器を構えて機を窺っているようにも見える。 ふわわは無理にでも割り込むと思っていたが、こちらも動いていない。 明らかに観察している。


 どちらだろうと思ったが、恐らくは両方だろう。 

 以前の戦いで彼女にも思う所があったのかもしれない。

 ヨシナリも似た理由で手出しを控えているが、タカミムスビよりも敵機の動きが気になる。

 

 何をしている? 何を狙っている? 理解ができない事が気持ち悪く、どうにか正体を掴みたい。

 そんな気持ちが見に徹しさせていた。 

 シックスセンスで見ると様々な事が分かるのだが、不自然なほどに何をしているのかが分からない。 

 

 視覚的には攻撃しながら逃げ回るタカミムスビを追いかけているだけにしか見えない。

 近寄ろうとしてレーザーに追い払われそれを掻い潜ってまた追いかける。

 その繰り返しだ。 霧ヶ峰もおかしいと思っているのか彼女の機体が僅かに首を傾げている。


 『あぁ、そう言う事か。 道理で支援機の参戦を禁止する訳だ』


 何かを察したタカミムスビがそんな事を呟く。 変化があったのは即座だ。

 反射板の動きが変わった。 敵機を狙う動きから自機であるアマノイワトを狙う動きへと。

 タカミムスビは即座にレーザーの照射を停止。 代わりに尾による攻撃へと切り替えた。


 レーザーですら躱す敵機相手に手数で劣る尾では対応しきれない。

 加えて制御を奪われたのか、一部が本体を狙うような動きを見せた。

 そこでヨシナリの脳裏に理解が広がる。 ハッキングだ。


 即座にウイルスチェック。 

 検査結果はクロ「未知のウイルスに感染しています」とメッセージがポップアップ。

 駆除作業をしながら敵機が執拗に接近していた理由に納得していた。 


 あの機体はウイルスでアマノイワトに対して攻撃を行っていたのだ。

 恐らくは効果範囲の関係で離れられなかったのだろう。 駆除が完了した状態で改めて敵機を観察するとアマノイワトに対して通信――何かしらのコマンドを送り込んでいる事が分かった。


 『まったく、飼い主を裏切るとはなっていない狗だ。 邪魔をするなら黙っていたまえ』


 不意にアマノイワトのうなじ部分と脇腹部分が内側から爆発し、反射板が機能を停止。

 次々と落下していく。 結界が消えた事で敵機は挙動を変えた。

 腕から鞭を出して振り回す。 接触した機体を侵食する装備だ。


 コアから伸びる神経を編み込んだ物なのだろうか? 

 レーザーの反射が使えなくなったタカミムスビはどうするのかと思ったが、両肩のウエポンコンテナに内蔵されたガトリングガンでの斉射と尾の操作で手数を増やして畳みかける方針に切り替えた。


 面攻撃は流石に躱せないのか敵機は防御しながら加速。 

 腕からエネルギーシールドのような物を発生させているのか攻撃が通っているようには見えない。

 

 ――何でもありだな。


 敵機は自機の構成を切り替える事により武装を精製して戦い方を切り替えているようだ。

 エネルギーは凝縮したコアから無尽蔵に引っ張っているのかスタミナが切れる様子が見られない。

 あのコアはもはやジェネレーターという括りで収まる代物ではなく、出力だけなら完全開放したパンドラすらも軽く上回っていた。 


 ――そりゃ息切れする訳がないな。


 改めて見るとタカミムスビの対応力の高さがよく分かる。 

 反射板とレーザーが封じられたにも関わらず、機動性で大きく勝る相手に対して面で圧をかけつつ尾で攻撃。 秀逸なのは尾で回避コースを誘導している点にある。


 接近に対しての機動を制限する事で――爪が届く。

 尾を掻い潜った敵機が鞭を振るうのに合わせて腕から伸びた長大なブレードが敵機へと襲い掛かった。

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― 新着の感想 ―
敵ボスと味方の最強格が一騎討ちして、それを見守る強者たちという構図は定番だけどやっぱかっこいいねぇ
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