表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Intrusion Countermeasure:protective wall  作者: kawa.kei


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

882/886

882

 レーザーが敵機群とコアを焼き払う。 

 敵機は抗う事すらできずに蒸発したが、コアは表面が溶けただけに留まっている。

 

 ――アレを喰らってあの程度のダメージなのか。


 だが、タカミムスビとしてはそれで充分だったようだ。

 コアの周りから敵が居なくなった事でニニギがコアへと肉薄。 赤熱した拳を叩きこむ。

 背面の光輪が太陽のような輝きが増す。 凄まじい熱量がコアの表面を溶かし、拳がずぶりと沈み込む。


 コアは黙ってやられるつもりはないらしく、表面がボロボロと剥がれるとそれが固まって小型のコアを形成。 近くの残骸を磁石のように引き寄せて機体をでっちあげる。

 コア自体がジェネレーターを兼ねているので、その辺の残骸があれば増やせるようだ。

 

 ただ、それは自身の身を削る行為でもあるので諸刃の剣といえる。

 コアが味方を増やせば増やすほどに耐久力が落ちるのだ。 それによりニニギの攻撃が通り易くなる。

 どちらにせよ悪足搔きでしかない。 黙って見ていれば終わりそうだが、ヨシナリとしては簡単すぎると思ってしまう。 


 これまでに経験したイベントの傾向上、もう一つか二つ何かを残している可能性が高いからだ。 

 その通りだと言わんばかりにコアの内部でエネルギー流動が変化。 

 中心に収束している。 同時に神経のような物がコア全体から噴き出すように四方に伸びた。


 一部の機体が絡め取られたが一番近くにいたニニギの赤熱した機体には触れなかったようだ。

 

 ――何が狙いだ?


 雑魚を増やして時間を稼いでいるのは分かる。 

 そう、明らかにこちらの撃破ではなく時間稼ぎを狙っているのだ。 

 敵はコアの中心で何かを作っているのは分かる。 


 同時に巨体に神経を張り巡らせて何かをしているのはどういった狙いがあるのだろうか?

 ロジック的に意味のない事はしない。 知らないでいると不味い事になる。

 そんな嫌な感じがするのだ。 似たような事を考えたのか霧ヶ峰とグロウモスがコアから周辺に伸びている神経を狙い始めた。 狙いの看破はしていないが、放置は危険と判断したのだろう。


 「これは吸い出しているのかな? ――まぁ、これはこれで面白い物が見られそうだ」 


 タカミムスビがそう呟いたと同時にニニギがコアから離れた。 

 理由はコアから光が消え、無数の亀裂が走ったからだ。 明らかに何かが出てきそうな雰囲気だった。

 その証拠に中心には高エネルギー体が残っている。 


 コアから腕のような物が突き出し、まるで卵から孵るような光景には少しの生々しさがあった。

 現れたのは一機のトルーパー。 

 その辺の石や残骸を寄せ集めていたこれまでと違い、明らかな機能を追求したデザイン性がある。 


 頭部はソルジャーフレームやオビディエンスフレームに似た汎用性のあるデザイン。

 ほぼフレームに装甲を張り付けただけのデザインで胸部には凝縮したのかコアのエネルギー反応。

 コックピット部分が要らないからか、ジェネレーターの格納スペースに余裕が出来たようで見た目に反してかなり大きい印象を受ける。 そして腰部には四基のエネルギーウイング。


 敵機は視線をぐるりと巡らせ――ている途中にニニギが即座に仕掛けに行った。

 判断が早すぎると思いながらも他は慣れていたのか霧ヶ峰が即座に援護に入っている。

 ニニギから距離を取りつつ霧ヶ峰の撃ち込んだレールキャノンに関しては恐ろしい事に弾体を掴んだのだ。 


 「――は? おいおい、掴んだぞ?」


 マルメルが声を震わせている。 掴める物なのか?

 ただ、無傷とは行かずに掴んだ手は弾体の回転に負け、指はなくなりボロボロに砕けていた。

 グロウモスが即座に撃ち込むが、敵機はエネルギーウイングを僅かに噴かして回避。


 回避先を狙ったエンジェルタイプが先回りするが敵機は腕を振るうと掌から鞭のような物が飛び出す。

 打ち据えるのかと思えば鞭はエンジェルタイプの胴体に巻き付いた。 

 追撃が入ると同時に鞭を切り離して回避。 拘束された機体は不味いと判断したのか剥がそうとしていたが、鞭がぼんやりと光を放つと神経のような物が伸びて機体を侵食。


 『な、なんだこれ!? き、機体がハッキングを受けてる? コントロールが――』


 プレイヤーは何とかしようとしていたが、鞭は機体に沈み込むとギクシャクとした動きで味方に攻撃を仕掛け始めた。 


 「機体の制御を奪いに来るのか!?」

 「はっはっは、やってくれるね。 霧ヶ峰! イソシン! 元に戻る可能性は?」

  

 ヨシナリが面倒なと思っている近くでタカミムスビは愉快と笑いながら仲間に意見を求める。


 「例の神経のような物が機体を侵食して制御を奪うので除去は現実的ではないかと」

 「少なくとも私にはもどせないかな?」

 「よく分かった。 残念だが、諦め給え」


 タカミムスビは何の迷いもなく乗っ取られた味方機をレーザーで撃墜した。

 

 『接近戦は避けた方が良さそうだね。 寄生されたら制御を奪われる前に可能な物は自爆したまえ』

 「――思金神やべぇな。 躊躇なしかよ」

 「ある意味、それが強みだ」


 正直、あまり真似をしたくない強みでもあるが。 

 タカミムスビの即断即決に若干、引きつつも敵の分析を続ける。

 エネルギーウイング四基と足には重力制御装置。 造りに関してはソルジャーフレームやキマイラなどの既存フレームの形を踏襲しているのは寄生等の挙動からプレイヤーから情報を集めている?


 そう考えると腑に落ちる動きも多い。 最初は単純な動きをしているだけだったが、プレイヤーの機体を奪って嗾けて来た辺りから全体的に戦術的に動くようになっていた。

 特に挙動に関しては進化といっても過言ではないレベルだ。 


 寄生トルーパーは元の持ち主の動きを踏襲していた感じではあったが、さっきまで出て来た残骸の寄せ集めはチーターが使っている挙動に近く、最適な挙動を抽出している印象を受ける。

 そして目の前の敵機。 これに関してはもう抽出の域を超えてもはや「応用」だ。


 エネルギーウイングの噴かし方、回避の挙動。 どれをとってもチート特有の硬さがない。

 加えて、敵機を直接奪う事でこちらの戦力を削ぐ以上に反応を窺っているような不気味さがある。

 敵機はアマノイワトに目を付けたのか接触できないので寄生が不可能なニニギを無視する事にしたようだ。


 『はっ! ニニギよりも私の方が楽と判断したのかな? 面白い。 試してみ給え!』


 タカミムスビは楽し気に向かってきた敵機に対して受けて立つ構えを見せた。


誤字報告いつもありがとうございます。


宣伝

パラダイム・パラサイト一~二巻発売中なので買って頂けると嬉しいです。

Kindle Unlimited、BOOKWALKERのサブスク対象にもなっていますのでよろしければ是非!


現在、BOOKWALKER様にてコイン60%還元キャンペーン中との事です。

パラダイム・パラサイトも対象となっております。 

4/30までとの事なので買うのに迷っている方はこの機会に是非!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
正直タカミムスビに実験台にされるチート野郎(推定)の姿が見たいか見たくないかで言われたら首がもげるぐらいにうなずくほど見たい。
コア硬っっつた! ニニギのあの超火力でも破壊するのに時間かかるのやべーな 可哀想なレールキャノンくん ふわわさんに斬られ、モスちゃんに撃ち落とされ、ついには素手で掴まれるなんて酷い
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ