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Intrusion Countermeasure:protective wall  作者: kawa.kei


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875

 レールガンと同じ理屈で射出した弾体が地中で爆発。 

 地下から一気に地上を吹き飛ばす。 それを数千機で行うのだ。

 地面が丸ごと噴き出して地形ごと敵を吹き飛ばした。 地形が完全に変わっており、まともに立てる有様ではない。 


 特にパンツァータイプを筆頭に陸戦機は軒並みまともに動けなくなっていた。

 バズーカを構えた機体群は再度、発射。 着弾後、少し間が開いて爆発。

 それにしても何だあの機体は? 


 武器に関しては既知の物であった事もあってあまり興味はなかったが、あの機体には興味があった。 

 下半身を換装しており、シックスセンスで確認すると重力制御で浮遊、飛行をしている。

 見た事のないパーツだ。 イベントの進捗で解放される装備なのだろうか?


 パンツァータイプに近い形の運用なのだろうが、重力制御を可能にするユニットは中々に素晴らしい。

 特にマルメルのような重装備の機体でも飛行が可能になるかもしれないので夢のある装備だった。

 運営は既存機の強化や機能拡張に力を入れているのだろうか?


 人口の多いD~Fランク帯のプレイヤーはソルジャーフレームを使用している割合が多い。

 その為、ソルジャーフレームの強化に対する需要はかなり高いだろう。

 新規ユーザー獲得の為のテコ入れを兼ねているのかもしれない。


 思う所がない訳ではないが、助かった事にほっと胸を撫で下ろしながら先へ。

 寄生コアをばら撒いている奴はどんなのだと目を凝らしたが、視認する前に爆散。

 ちらりと見えた姿は虫っぽかったが、分からずじまいだった。 アメリカのプレイヤー達がうおおおおと勝利の雄叫びと拳を振り上げている。 


 ――この様子だと一先ずは終わりという事か?


 それにしても奇妙だ。 こんなにもあっさりと片付いた事に違和感しかない。

 アメリカのプレイヤーが弱いとは思っていない。 生き残っている時点で猛者揃いなのは分かるが、北にいたプレイヤー達もそれは同様のはずだ。 彼等がやられた原因が何かあるはずなのだが――


 寄生トルーパーはまだまだ残っており、ヨシナリへと襲い掛かって来る。

 それを躱しながら周囲を警戒。 視るべきは目の前の敵ではなくフィールドそのものだ。

 タカミムスビとの戦いは非常に為になった。 特に分からない事を分からないままにしておく事の危険性を、だ。 結局、本体の存在を看破できずに敗北した。 


 今後の戦いで必要なのは相手の底を知る事。 これがヨシナリが学んだ新しい視点だった。

 一朝一夕で出来る事ではないが、意識しているのといないのとでは違う。

 エネルギー流動を視ると大地は敵機体や味方機体、そしてそれらが交わす砲火で目が痛くなりそうだ。


 ごちゃごちゃとしているお陰でフィルターをかけたくなるが、それをやってはいけない。

 素直に考えるのなら物量での圧殺だが、押し返せている時点でそれ以外の何かがある。

 目を凝らせば何かが見えるのではないか? そんな考えでシックスセンスの全ての探知項目を順番に眺める。 


 ずっと使っているがこのシックスセンスというセンサーシステムは非常に面白い。

 探知項目を絞れば文字通り世界の見え方が変わるのだ。

 エネルギー流動のみに絞ればトルーパーのジェネレーターとエネミーのコア。

 

 その二種類の心臓が体にエネルギーという血液を全身に送り込んでいる事が分かる。

 心臓と形容している通り、文字通りそいつの生命が、生きている証のような物が視覚的に認識できるのだ。 空気の流れを視覚的に見る事で、姿が見えなくてもそこで何かが動いている事が分かる。


 視覚は誤魔化せても動体反応を隠すのは難しい。 

 寄生トルーパーが推進装置に大量のエネルギーを注ぎ込んでいるのが見える。 

 それによりどれだけの加速をかけようとしているのが感覚的に分かるのだ。


 そこを先読みすれば当てる事は難しくない。 アトルムで一発。

 それでコアを撃ち抜いて一撃だ。 

 コアが破壊されエネルギーの生産、流動が行われずに死んでいく姿が見える。


 ――あれ?


 そこでふと疑問が生まれる。 地上の様子だ。

 ヨシナリの現在地は敵の大軍勢の奥の奥、つまり下は敵で埋め尽くされている。

 そしてその敵もさっきのレールバズーカによる絨毯爆撃でごっそりと減っており、それは今も続いている。 実際、地中から爆破された場所はエネルギーを発している存在は消え失せ、黒い穴のように見えるのだが、それを埋めるように何かが集まっていた。


 形状から敵のコアである事が分かる。 ぐちゃぐちゃとコアが互いに神経のような物を伸ばして絡み合う姿はこうして見ると妙な生々しさがあって妙な生理的な嫌悪感を掻き立てた。

 宇宙生物という前段階の情報を得てはいるのでおかしな事ではないと頭では分かってはいたが、どうに見ていても気持ちが悪い。 


 なんだありゃキモいで片付けては不味そうだった。 

 明らかに放置しておくと碌な事にならなさそうだが、かなり深い位置で手を出すのが難しい。

 誰か気付いている奴は居ないかなと思っているとさっきからレールバズーカで地面を掘り起こしているプレイヤーの一部が執拗に撃ち込んでいた。 明らかに気付いている動きだ。


 ただ、届いていない。 かなり深い位置で作業を行っているようで妨害には至っていなかった。

 

 ――これは無理だな。 

 

 妨害よりも防ぐ事に注力した方がいい。 正直、何をしようとしているのかは分からない。

 考える。 大規模な何かである事は分かるが、この状況で効果的な一手は何だろうか?

 EMP? ありそうだが防ぐ手段、無効化できる機体は多い。 


 なら一部のジェネシスフレームが使用するエネルギーの吸収や強制放出だろうか?

 可能性は高そうだが、同様に耐性の高い機体はそこそこいるはずだ。

 どれもピンとこない。 こういう時は一人で考えるから思考が行き詰まる。


 誰かに意見を求めるのが解決への近道だろう。 なら誰に尋ねようか?

 近くに居て色々と知っていそうなプレイヤー。 普段ならユウヤやベリアルが真っ先に上がるが、二人は脱落してしまった。 


 生存が確認できて知識が豊富なランカーと条件を並べているとズンと地面が縦に揺れる。

 振り返ると目立つ機体が前線で暴れまわっていた。 ヨシナリはそれを見て悩んだ。

 こいつなら絶対に知ってそうと無意識レベルで確信はしていたのだが、話しかける事に躊躇いがあった。


 葛藤したのは刹那。 ダメ元だと通信を試みた。


誤字報告いつもありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
アメリカ側で思い浮かんだのが金ピカ騎士のランドルフと放熱カウンターのアンドリューだけどどっちもヨシナリとの絡みほぼなかったから声かけ躊躇うまではいかなそうだし本当に誰なんだ…? ついでにかつてヨシナ…
ヨシナリが苦手というか躊躇する相手… パッと思い浮かぶのがタカミムスビ・カナタ・コンシャスあたりだけど、他二人に比べたらタカミムスビは好きではないとしてもこういう場面で躊躇しないで話行きそう。 カナタ…
おー、ソルジャー用の重力ユニットはええなぁ 気象兵器もだけどイベントの進捗がダイレクトに戦力上昇につながるから日本サーバーもなんとか追いつきたいところ
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