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Intrusion Countermeasure:protective wall  作者: kawa.kei


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 横目で見ていたが、ホーコートの動きはそれだけにとどまらなかった。

 とにかく動きが良く、次々と敵機を撃墜していく。 

 よくよく見ると分かるのだが、敵機の動きを先読みし、最短、最高率で削り落としていく動きには見覚えがあった。 


 ユニオン対抗戦で遭遇したライラプスという連中の動きそのものだ。

 恐らくは敵機個別に動きを予測か何かをして先回りする事で撃破を狙う。

 特に集団戦で敵機の連携を崩すという点に於いては非常に有用な動きはヴルトム達の進軍を大いに助ける結果となった。


 ――それにしても――


 動きのキレが凄まじい。 チート特有の硬さはそのままだが、ターゲットの取捨選択が適切で速い。

 敵集団の脆い場所――落とせる機体を確実に潰して数を減らしに行っている点は非常に合理的だ。

 加えて、敵機のヘイトが他に向かいそうになると露骨にミサイル持ちを狙って自分を無視できなくする動きも秀逸だった。 そうして足止めしている間に味方が追い付き、本格的な攻撃が始まる。


 まぁ、活躍はしたのか。 そう思う事にした。

 次に見る場所は決まっている。 フォーカスするのは例の指揮官機だ。

 そろそろ問題のシーンだった。 


 敵機はホバー移動で間合いを維持しつつ、レールガンでグロウモス達を狙う。 

 グロウモスは弾体を撃ち落とし、ケイロンは機動に専念。 空からポンポンが牽制といった形で安定していたのだが、それが崩れたのだ。 理由は単純で敵機が攻撃手段を変えた。


 こうして見ると空からでも分かるぐらいに発光し、高稼働しているのが分かる。

 発射。 グロウモスは嫌な予感はしていたのだろうが迎撃しようとしたが、次の瞬間にケイロンごと貫かれて脱落。 


 「これはどうしようもありませんよ」

 

 慰めにも聞こえるが、ヨシナリは事実だと思っていた。

 何が起こったのかを察したマルメルはひぇと悲鳴を上げている。

 レールガンによるバースト射撃。 一発弾くだけで精一杯のグロウモスに防げる訳がない。

 

 一発でも凄まじい破壊力なのだ。 そんな物を三連発されればケイロンといえど一溜りもない。

 そして誘導能力のお陰で躱せない以上はどうにもならなかった。 

 グロウモスは悔しそうに身を震わせ、ケイロンは同様に震える拳を握っていた。

 

 こうなるとポンポン一人で抑えるのは無理だ。 

 ヨシナリは即座にそう判断して悪魔型から離れてポンポンの援護へ向かう。

 

 「正直、助かったゾ!」

 「間に合ってよかったです」


 ヨシナリが行ったのには自分が最適だったという事もあるが、防ぐ手段に心当たりがあったからだ。


 映像の中で敵機がフレアを撒いてヨシナリにもマーキング。

 高機動機が増えるのは鬱陶しいとでも思ったのか、即座にヨシナリに狙いを付けた。

 発射。 ヨシナリは咄嗟にイラで受け止める。 ケイロンの重装甲ですらあっさり撃ち抜いた弾体を喰らっても折れないのは本当に不思議だったが、イラで防げるのは半ば確信していた事もあっての行動だった。


 ――ただ、イラは無事でも肝心のホロスコープがそうもいかないのが問題だった。


 「その大剣で防げる自信があったからあたしの方へ来たんだろ?」

 「そうですけど映像でも分かる通り、衝撃を殺しきれずに体勢が崩れてます。 比較的マシってだけで喰らい続けると落ちてましたね」


 実際、一撃防いだだけで関節を始め機体各所にダメージが入っていた。

 長期戦は難しいと判断せざるを得ない相手だ。 それでも勝ち目がない訳ではない。

 ポンポンにディフェンスを任せ、相手の攻撃の前後を突く形で攻撃。


 彼女の防御を突破して来るものはイラで受ける。 


 「こいつホバーでここまで動けるのヤベぇな」


 似た装備構成のマルメルから見ればこの機体の動きの凄まじさが分かるのだろう。

 アリスは無言ではあるが明らかに興味深いといった様子だった。

 視野が広いのもあるのだろうが、確実にこちらが防御し辛いタイミングで撃ちこんで来る。

 防がれる場合にしてもこちらが体勢を崩す撃ち方をしてくる点も嫌らしい。


 「きつかったけど有効ではありましたね」


 その証拠に明らかにエネミー等に対するケアができていなかったからだ。

 ヨシナリ達に集中しすぎていたと言い換える事も出来た。

 不意に敵機が大きな動きで回避行動。 地面に弾体が突き刺さる。


 ミサイルの処理が完了したマルメル達が合流したのだ。


 「流石にこの面子なら問題ありませんでしたね」


 いくら動きがいいと言っても敵機はホバーで空中戦はまともにできない機体構成だ。

 つまり挙動の幅が狭いのだ。 

 マルメル、アリスが挟みに行き、まんまるがレーザーやプラズマグレネードで回避コースを制限。


 余裕がなくなったのか敵機はレドームを捨てて軽量化。 

 動きが軽くなったが、挙動のクオリティが爆発的に上がった訳ではない。

 テンポを上げるだけで対処可能な範囲だ。 三人の攻撃で挙動を制限し、反撃はポンポンが防ぐ。


 そして隙を衝いてヨシナリが積極的に仕掛ける。

 攻撃の組み立てとしては充分な完成度だったのだが――


 「正直、まだ何かあると思ってたからちょっと拍子抜けだったな」

 「だナ。 例の悪魔型と同じで追加の装備を呼び出してパワーアップはあたしも想定していたゾ」


 映像の中ではヨシナリが敵機の回避先に先回りし、イラを一閃。

 躱しきれずに胴を薙いで両断。 撃破となった。

 正直、釈然としない物を感じたが、勝ちは勝ちだ。 今はこれでいいと少し離れた位置をフォーカス。


 例の悪魔型だ。 ふわわ、ベリアル、ユウヤ、ツガル、シニフィエに合流したアドルファスとカカラまでいる布陣はそう簡単に突破できる物ではなく明らかに押し込まれていた。

 

 「例の強化装甲を使って来る事を想定してたんだけど使わないな」

 「奴の紫電を纏いし甲冑は何らかの制約があるのか、それともこの場では領分を越えた代物なのか……」


 ベリアルがふむと小さく呟いて首を捻る。 

 要はイベントと復刻ミッションでは難易度の設定が違う事もあって、敵側にも装備使用の制限に近い物があったのではないかと考えたようだ。 


 「あぁ、なるほど。 防衛戦よりも低難易度のミッションって体だから例の装備を持ち込めないって事か」


 そこまでは考えていなかった。 

 ヨシナリが合流の為に向かっている事を察知したのか、悪魔型の動きが変わる。

 標的を定めたからだ。

 

誤字報告いつもありがとうございます。


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