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Intrusion Countermeasure:protective wall  作者: kawa.kei


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 狭い縦穴は逃げ場がなく、組み付かれると防ぎようがない。

 ヨシナリは鬱陶しいとエーテルの鎧をスパイク状に変化させて串刺しにするがやってから失敗に気が付いた。 敵機の内蔵エネルギーが増大。 爆発する。


 必死に振り払おうとしたが、どうにもならない。 爆発。

 至近距離での爆発でホロスコープの各所にダメージ。 

 エーテルの鎧があったとはいえ、密着状態での爆発は防ぎようがない。


 何とか耐えたが、後続が突っ込んで来る。 


 ――この野郎。 無限に出て来るからって捨て身で来る気か!?


 流石にこれは想定――できなかった訳ではなかったが、攻めに焦った結果か。

 我ながららしくない失敗だと思いながらもどうにか打開策を――

 

 「その様子だと横取りしても文句は言えねぇな」


 ――不意に通信から声。 何だとレーダー表示を確認すると真下から上がって来る味方の反応。


 ユウヤだ。 どうやら地下からこの縦穴内へと侵入して上がって来たらしい。

 壁を器用に蹴りながら凄まじい速度で駆け上っている。 

 ヨシナリが何かを言う前にユウヤは背の大剣――オディウム=イラを抜く。


 既にセンサー系のリンクは済ませている。 反応炉の急所を見極めたユウヤは敵機を無視して一突き。

 反応炉は一度だけ悲鳴を上げるように内蔵エネルギーを増大させた後、ゆっくりと霧散。

 機能が停止した。 同時に全てのエネミー、敵性トルーパーの動きが止まる。


 そしてウインドウがポップアップ。 ステージクリア。

 ヨシナリは少しの悔しさと何とかなった事による安堵でほっと胸を撫で下ろし、意識は「思金神」のユニオンホームへと戻って行った。


 

 視界がホームに移り、参加メンバーがあれこれと話したり、リザルトの確認などを行っていた。

  

 「皆、今日の参加ありがとう。 想定外のトラブルはあったけど、僕達の大勝利だ!」


 随分と機嫌が良さそうなタヂカラオが解散の音頭を取ると、納得した者、釈然としない者と反応は様々だったが、次々とその場から去って行った。

 ヴルトムはやや疲れた様子でまた呼んでくれよなと小さく手を振って姿を消した。


 他のメンバーも次々とログアウトしていき、最後にはいつものメンバーが残る。

 タヂカラオは譲ると言わんばかりにヨシナリへと視線を向けた。

 小さく頷き―― 


 「取りあえず感想戦をやるので移動しましょうか」


 ――そういった。


 タヂカラオの用意した部屋に移動したのは「星座盤」のメンバーとポンポン、まんまる、ニャーコ。

 ツガルは残るが、フカヤとイワモトは用事があるとの事で離脱。  

 後はタヂカラオと「烏合衆」のメンバーだ。 


 「――にしても今回はかなり荒れたなぁ」

 「ですね。 詳しい話は再生しながらって事で」


 アドルファスの言う通りだった。 開始早々、当初のプランとはかけ離れた内容となったからだ。

 ヨシナリがウインドウを操作してリプレイ映像を再生する。

 映像は真っ暗だったが設定を弄る事である程度の明度は調整できる事もあって輪郭程度は見えるレベルには弄れるが、昼間と同じような状態には出来ない。 


 それを補う為に別ウインドウで簡易的なマップと機体の配置状況を映し出す。


 「これ見辛いな。 何とかならないのか?」

 「基本的にリプレイも環境依存らしいからこういった特殊なシチュエーションではこうなるってさ」


 目を凝らしているマルメルに苦笑しながら映像を進める。

 本来ならまずは部隊を二つに割って近くにある拠点への偵察。 

 基地の種類によって対処を決めるという物だったが――


 「これ、酷くないか?」

 

 マルメルの言う通りだった。 

 映像では見辛いが、レーダー表示では分かり易く、直上から別の機体が真っすぐに突っ込んで来ていた。 その辺の雑魚なら袋叩きにしておしまいだが、今回に関してはそうもいかない。

 

 例の悪魔型の特殊機体。 オペレーターという運営側の用意したSランククラスの実力者だ。

 ここで注目したいのがフカヤの行動だ。 

 異常事態を即座に察知して照明弾を打ち上げて見えるようにしたのは良い判断だった。 

 

 敵に発見されかねない事もあって見方によっては問題とも取れるが、ヨシナリとしては訳も分からずに混乱されるよりは遥かにマシだった事もあってありがたかったのだ。


 「初手で来るのは流石に読めなかったナ」

 「いや、復刻とはいえ仕様が同じはずのミッションでこれを想定しろというのは酷な話ですよ」


 映像の中ではあちこちで混乱が起こっているが、ベリアルを筆頭に好戦的なメンバーは敵を認識した瞬間に嬉々として襲い掛かる。

 

 「いや、アイツのヤバさ知ってるのに秒で行くの別の意味でヤベぇよ……」

 「将来的にはアレに混ざれるぐらいにならないとランカーでやってけないから頑張りなさい」

 「マジっすか……」


 若干、引き気味のマルメルだったが、アリスにそう言われてマジかーといって遠くを見ていた。

 その様子に苦笑しながら敵機にフォーカス。 視れば見るほどに驚異的な反応とマシンスペックだ。

 短剣、剣、長剣と三種類のブレードを使い分けており、転移で出し入れしている事もあって入れ替えの挙動に無駄がない。 


 正面から行ったベリアルを打ち合いで押し返す反応はふわわと同等以上だ。

 ふわわとの攻防を見ると反応速度自体はそこまで大きな差はないが、機体のスペック差が大きい。

 

 「うーん。 やっぱり正面からやと厳しかったなぁ」

 

 当人の言う通り、正面からの打ち合いは分が悪そうだった。 

 ヨシナリに言わせると問題はこの後だ。 アドルファスやカカラ達の集中砲火を物ともしないのはタカミムスビとは別の意味で反則的な強さだった。


 機能に関してはふわわの機体の上位互換に近い。 

 磁界に似たフィールドで実弾兵器に対する高い防御性能。 特にマルメルの突撃散弾銃を完全に防いだのは凄まじい。 ただ、穴としては光学兵器に対しては無力、または効果が低い点だろうか?


 マルメル達はどちらかは効くだろうと判断して属性の違う武装で十字砲火を叩きこんだのだが、レーザーを斬っていた。 吹雪でかなり減衰するとは言え、アリスの武装は大抵の相手は軽く焼き切る。

 それをあっさりと防いでいるのだ。 武器の頑丈さだけでなく、合わせる動きも凄まじい。


 ――で、これか。


 対処としては100点ではないかもしれないが、大きな問題もなかった。 

 直接叩きに行ったメンバーも巻き込まれると不味いと判断したヴルトムの判断もだ。


誤字報告いつもありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
あらら残念ヨシナリ まあ今回は数少ないオペレーター撃破者になれたし良かろうて アリスの姐御がよい感じにマルメルの尻を叩いてる ええ指定関係や こうして見返すと最初は数合で押し返されてたのに、最後には武…
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