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Intrusion Countermeasure:protective wall  作者: kawa.kei


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 「凄い事になってるな」


 ヨシナリは思わず呟く。 敵味方が入り乱れており、完全に乱戦状態となっていた。

 特に拠点攻略に向かったメンバーが戻って来た事もあって俯瞰しないと詳細が分からない状態だ。

 マップの中央には巨大な肉の柱。 そこから次々と生えて来る敵性トルーパー。


 ふざけた事に既存機だけでなくオビディエンスフレームまで混ざっているのは物申したい所だが出てきた以上は叩き潰すだけだ。 それを南北から戻って来た味方が仕掛ける形になっている。

 加えて拠点から彼等を追ってきているエネミーと完全に包囲された形になった。


 特に援軍は挟み撃ちにあっているような物なので、状況は余り良くない。

 悪い方に考えても仕方がなく、クリア条件の反応炉が自ら出て来てくれたと前向きに捉える場面だろう。

 現在は地上から300メートル辺りに居るが、まだまだ上昇している点から早めに処理しないと最終的にはトルーパーの限界高度を越えるかもしれない。


 柱は直径4、50メートルといった所だろうか? 

 中身を露出させるには掘り進める必要があるのはイベント戦時と変わらない。

 オビディエンスフレームがこちらを捕捉して仕掛けに来る。 


 装備構成は突撃銃と機体各所にミサイルポッドと腰にブレードとマシンピストル。

 エネルギーウイング四基装備で機動性を重視しているようにも見えるが、強化装甲で防御力を盛っている点から汎用性重視といった所だろう。 


 武装が実体弾に偏っているのはこの環境を意識した結果か。

 挙動に関してはもはやいつものだが、対抗戦やホーコートのそれに比べると荒く、頼り切りといった印象を受ける。 


 舐めてかかると痛い目に遭うのは対抗戦で嫌というほどに思い知らされた事もあって警戒は解かずに一機ずつ丁寧に落としていく。

 アトルムとクルックスでは装甲を貫くのは難しいと判断してアシンメトリーを構える。


 距離を測ってエネルギー弾を選択。 

 減衰するから有効射程は落ちるが、使い物にならない訳ではない。

 一発目を躱させた後、回避先を狙って二発目で仕留める。 


 コックピットを綺麗に射抜かれた敵機はそのまま爆散。

 ソルジャータイプのバリエーション機体も多数確認される事もあって、中身だけでなく機体にもピンキリが激しく脅威度を正確に測れない。 


 ――これも狙いか?


 混ぜる事でこちらの油断を誘う作戦と取れなくもないと思ったからだ。

 気持ちよく数機撃墜した所でそこそこ強い奴が一刺し。 あり得る話だ。

 不意に大出力のレーザーが柱を穿つ。 ちらりと下を見ると雪のヴェールの向こうにアリスの姿が見える。 


 どうやら狙撃位置に着いたようだが、減衰が思った以上に酷く表面を僅かに抉っただけだった。

 恐ろしい点は正確に反応炉のあるであろう場所を射抜いていた点だ。 

 届かないと判断した彼女は即座に後退、入れ替わるようにマルメルがカバーに入っていた。 


 敵機が次々と撃墜され、流れ弾がその背後の柱に命中し肉が弾ける。

 視界の端で悪魔型が柱を蹴って地表へと向かい、それをふわわ、ベリアル、ユウヤ、ツガルの四人が追いかけていた。 ヨシナリは判断に迷う。


 反応炉は上、悪魔型は下へ向かっているからだ。 

 クリア条件の反応炉は徐々に上昇している事もあって放置しておくと手が出せなくなる。

 あの悪魔型の狙いは分かっている。 


 自分とクリア目標を分ける事でこちらの意識を散らそうとしているのだ。

 両方は無理だ。 悪魔型は恐らくだが、逃げる先は地上ではない。

 

 ――地下だ。


 それを肯定するかのように大地が大きく隆起。 

 あの柱は生えているのではなく、地中に埋まっていた物を引っ張り出した結果、ああなったのだ。 

 そしてそれは本来地下の構造体の中を通る必要がある。 


 つまり地下施設が丸ごと地表に出て来ると言う訳だ。 

 奴の狙いは構造体の中に逃げ込む事。 今の戦力では勝ち目がないと判断してこちらの分断にかかったのだ。 無視して上を狙うという手もなくはないが、この状況は奴が狙って引き起こした以上、設備だけでなくあの柱に対しても大きな干渉力を持っている事に他ならない。


 つまり放置すると何をしてくるか分からない。 

 可能性といったレベルだが、反応炉の位置を変えるなんて真似も平気でしてくるかもしれないのだ。

 放置は論外だ。 


 「ヨシナリ君。 こっちはウチらに任せてくれればいいから上に行き」

 「ふ、あの走狗と戦うのは初めてではない。 我が闇の叡智もあの時に比べ深さを増している。 負ける道理はない」

 「お前ナシでも問題ねぇよ。 行け」

 「そうだ! 俺達に任せろ! 俺達ランカーにとって戦いこそが全てだ! 恋愛なんかにうつつを抜かしている暇なんてねぇ! 俺もあいつには借りがあるからな! そう、そうだ。 余計な事は考えずに戦うんだ……戦え……戦え……」


 ツガルだけ様子がおかしかったが、何となく事情は察せられる事もあって努めて無視した。

 他のメンバーも言いたい事は同じのようだ。 

 あの敵相手には全体を見れる奴が一人居ればいいと思っていたのだが、ポンポンは混乱して来た地上の統制に回っているようであちこちに指示を出している。


 タヂカラオは――いない? レーダー表示を確認しても姿が見えなかった。 

 通信にも応答しない。 撃墜はされていないと思うが探している余裕はなかった。

 

 「ポンポンさん。 俺は上を処理しに行きます! 地上は任せても?」 

 「分かった。 こっちはやっておくゾ!」


 ヨシナリは機体を変形させると一気に急上昇。 反応炉を追いかけるべく加速する。

 意図に気付いた敵機が複数、追いかけて来た。


 ――まぁ、来るよなぁ。


 ソルジャータイプだとキマイラの最大加速に付いて来れない。

 このまま振り切れるが、オビディエンスフレームは無理だ。 それに――

 柱に無数の切れ目が現れ、押し開くように敵機が顔を覗かせる。


 「流石にキモいぞ!」


 出てくる前に変形してアトルムとクルックスを撃ち込んで黙らせるが、減速した結果、追いつかれてしまった。 突撃銃の連射を横旋回で躱してバースト射撃で応射。

 敵機も旋回で躱すが回避先に先回りし、横薙ぎの蹴りを叩きこむ。 そのままクレイモアを起動。


 爆発と同時に敵機が二つに分かれて墜落。 上、下の順で爆散。

 幸いにも反応炉の上昇速度はそこまでではない事もあって時間はまだあるが、この調子で絡まれ続けるといつまでも進めない。

 

誤字報告いつもありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
カナタに聴かせたい台詞が……
いやーうちのエースどもは頼りになるなぁ そして可哀想なツガル でもその悲しみがツガルを強くしてくれるよきっと おっと、ビキビキタヂカラオが姿を隠した ジョゼは背中に気をつけたほうがいいよ笑
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