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Intrusion Countermeasure:protective wall  作者: kawa.kei


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 ――容赦ねぇな。


 目の前で行われた所業にヨシナリは若干引いてしまった。

 ふわわがシニフィエごと敵機を斬りに行ったのだ。 それに関してはとやかく言うつもりはない。

 理由としてはシニフィエの機体がコックピット部分を貫かれて反応ロストまで秒読みだったからだ。


 敵は一時的に盾にするつもりで瀕死にしたのだが、ふわわには通用しなかったらしい。


 ――前に戦った時の話はしたけど、マジで味方ごとやるとは……


 流石にこれは想定していなかったのか敵機の態勢は崩れる。 

 そこをユウヤが電磁鞭で拘束を狙いに行ったが短剣で切断。 

 若干ではあるが、動きに焦りが滲んでいる点から効果はあったようだ。


 そこをヨシナリがアシンメトリーを一撃。 敵機は転移で回避。

 転移先にベリアルが先回りし体当たりするような勢いでブレードを叩きつけに行く。

 一撃目は無理な体勢で受け、二撃、三撃と重ねる内に体勢を立て直し押し返しに行く点は流石というべきか。 普通はこの体勢でベリアルのラッシュを防ぐどころか押し返すなんて真似は不可能だ。


 だが、こちらには人数が居る。 押し返されてベリアルが下がった所でカカラが真上からガトリングガンで弾丸をばら撒いて圧をかけ、アドルファスが退路を潰すようにドローンと本体で射撃。

 一度戦っている相手だけあって、何をすれば危険なのかをよく理解している動きだ。


 あの敵の強みはふわわと同等以上の超反応と機体性能による圧倒的な手数に転移による回避。

 加えて武装によるスタンも厄介だ。 動きの速さと転移によるフットワークの軽さに惑わされがちだが、本質的には近接機である事には変わりはない。


 つまり、中距離以上を維持すれば一方的に攻撃ができる訳だ。 

 カカラとアドルファスはその点をよく理解しており、相手が手を出せない位置からとにかく圧をかけるように執拗に射撃を繰り返す。 迂闊に踏み込まない点は流石の一言。

 

 ユウヤも似た理由で地上からの射撃と電磁鞭による拘束を意識した組み立てだ。

 隙あらば相手を地上に引き摺り下ろそうとしているのは相手の挙動を制限する為。

 空中と違って地上は全方位には動けないからだ。 ふわわ、ベリアルは自分の強みを活かす形で超えたいとでも思っているのか接近戦主体だが、味方の動きはしっかりと意識できているで問題はない。


 ふわわが正面から打ち合って負けている時点で敵機の凄まじさが分かるが、彼女の何かに火を点けてしまったのか大喜びで斬りかかっていた。 それに合わせる形でベリアルが仕掛けている事もあって、両者の生存に大きく寄与している。


 そして二人で捌ききれなくなった場合はツガルが突っ込んで相手の手を止めると抜かりがない。

 これだけ戦って損耗がシニフィエだけなのもかなり大きい。 

 戦闘にヨシナリ達が加わった事で仕留める目が見えて来たからだ。 


 マルメル、アリスがユウヤに同期してリトル・クロコダイルで制圧射撃。 

 カカラ達のように下から圧をかける。 対処に関しては心得ているのか一定の距離を維持。

 転移の反応が出たら即座に後退する辺りかなり冷静だ。 


 アリスが引っ張る形でマルメルを動かしている点も良い方向に作用している。

 まんまるは下手に混ざらずにカカラ達に同期して邪魔にならない程度に撃ち込んでいる辺り、手探りといった様子だ。 残ったヨシナリ、ポンポンはベリアル達が仕掛けやすいように牽制。


 上下を抑えられている状態で左右で挟めば、挙動の選択肢がかなり狭まる。

 傍から見れば追い込んでいるように見えるが、あの敵機にはまだアレ――強化装甲による性能のブーストがあるのだ。 油断はできない。


 「全員、気を付けてください。 装備による強化を隠し持っています。 ちょっとでも妙な動きをしたら使って来ると判断してください」


 恐らくは切り時を窺っているのだろうがこの状況だとそうかからずに切らざるを得ないだろう。

 そうなってからが本番だ。 あの時はベリアルと合体してようやくだったが、今回は数の暴力で圧殺してやる。 少なくとも生き残ってやってやったぜと拳を握る事は決めていた。


 想定外の横槍がある可能性も考慮して周囲の警戒も怠らない。 

 あの指揮官機を処理した事でミサイルも降って来なくなり、エネミーも数が多い方に行った事もあってこちらには来ていない。 あの敵は隔離されている。 

 

 後は底を引きずり出して撃破するだけだ。 


 ――さぁ、いつだ? いつ切り札を切る?


 

 ――困った。 手札がなくなってしまった。


 ジョゼは非常に困っていた。 何故なら完全に追い込まれてしまったからだ。

 例の装備を使えば打開も可能だが、アメリアから直々に使用禁止を言い渡された上、うっかり使わないようにサリサに機能をロックされている事もあってどう頑張っても扱えない。


 一度戦っただけにも関わらず、プレイヤー達はジョゼのスタイルをよく理解しており、しっかりと対策を整えてきている。

 基本的にジョゼは接近戦に重きを置いているだけあって距離を維持されると強みの大部分が削がれるのだ。 それを理解しているからこそ距離をとって削りに徹している。

 

 自分への対策としては満点に近い動きだ。 今は何とかしのいでいるが、このままでは負けてしまう。

 流石に負けるのは悔しい。 特に今回はアメリアとの賭けまで行っているのだ。

 ここでの敗北は二重の意味を持つ。 ヨシナリ達に再度敗北し、アメリアとの賭けにも負ける。


 それは許容できない。 ジョゼはあまり表には出していないつもりではあるが、負けるのが嫌いだ。

 負けそうになるとレギュレーション違反の装備を使ってしまう程度には。

 さて、そんな彼女がこの状況を想定していなかったのだろうか?


 ――そんな訳ないじゃん。


 ジョゼはウインドウを操作。 管理者の専用メニューを呼び出す。

 アメリアとの取り決めはこうだ。 レギュレーション違反をしない。

 つまりレギュレーションの範囲内なら何をしてもいいという訳だ。


 繰り返しになるがジョゼは負けず嫌いではあるが自信過剰ではない。

 つまり、負ける可能性を考慮しない訳がないのだ。 

 こんな状況になった場合に備えて奥の手を用意しておいた。


 サリサが生き残っていたのなら温存する事も考えたが、落とされたので切らざるを得なくなったのだ。

 本来なら出現条件を満たす必要があるのだが、どうせこいつ等なら何もしなくても満たす。

 だからこれは前倒しでしかない。 操作が完了し、インジケーターが出現。


 少しの時間を経て作業が完了。 戦場に変化が訪れた。


誤字報告いつもありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
あーミッション本来の隠しボス召喚で乱戦狙いか? オペレーター二人がボス枠で登場したんじゃなくて開幕からいたからおそらくミッションのシステム的にはボス枠はまだ未登場扱い そこに推奨人数以下かつオペレータ…
さすがジョゼ汚い! レギュレーションには違反してないということで汚くはない……?
スーパーフルボッコタイム 特にふわわさんとベリアルという日本屈指の近接の鬼コンビの連携はエグいな まだ荒削りみたいだけどこれが洗練されてったらと考えると恐ろしい
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