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2-32.学内ランキング戦 開幕

気まぐれトーカ( ̄▽ ̄)

G.W始まりましたね…。

+バイト地獄が始まりました…。


更新遅れて申し訳ないですΣ(゜д゜lll)

学園生活が始まって一週間がたった。

このくらい時間が立つと、クラス内でそれぞれ自分の立ち位置が決まってくる頃だ。クラスのほとんどは『生徒会』に所属したアクアリア王女殿下や序列二位のトール中心にクラスが固まっている。


アイリスがやらかした初授業の後、アクアリア王女殿下も派手にやらかしたおかげでアイリスよりも殿下の方がやっぱすごい!となってみんなアクアリア王女殿下の方に野次馬が行ったのだ。ちなみにこれにはアイリス自身「凄く助かりました…」と安堵の表情を浮かべて喜んでいた。


ちなみにだが、このSクラスの俺、アイリス、ランバート以外の七名はみんな『生徒会』に入会するために届け出を出したそうだが、入会試験に合格したのはわずか二人だったのだ。それがアクアリア王女殿下と序列二位で公爵家次期当主のトール=フォン=ヴァーミリアンだ。


堕ちた人はそれぞれ別々の研究会に入会していった。

ちなみに現在研究会に所属していないのは俺とアイリスの二人だけだ。ランバートは早々に『肉体言語研究会』という謎のマッスルたちの研究会に入会していた。



「という訳で、俺とアイリス以外は研究会に入会しているのが現状なのだ!」


朝の食堂、いつものメンバーで朝食をとっているとランバートが元気よくやってきて今のクラスの現状を話してくれたのだ。



「はぁ、そうなのですか…」

「へー、そうなんだ」

「さ、さすがSクラスです!」


アレクとアイリス、ロイスはランバートの謎の説明を聞いてテキトーに聞いていた。ロイスだけは何故か感動していたが。


「と、いうことで諸君! 我が『肉体言語研究会』に入会しないか!」


「断る!」

「お断りします!」

「あ、すみません。ごめんなさい」


なぜ入会していないからという理由で『肉体言語研究会』に入会しなければならないのだ!

あんな不衛生な教室含め研究会なんぞに入ってたまるか!ちなみにロイスも既に肉体言語研究会の研究室に学園案内で行ったことがあり、「ごめんなさい!無理です!」とはっきり否定したのだ。



「そんなに否定しなくてもいいだろ… 少しくらい除いて行けよ!」

「俺には必要ないからなぁ…」

「わ、私も必要ないと思いますので…」

「ぼ、僕は… 研究会よりも自分を鍛えてくれるアレクさんの特訓の方を優先したいです!」


そんなこんなで朝食を済ませた後、それぞれの教室へと向かう。


アレクとアイリス、ランバートは学園の最高峰Sクラス所属生徒、ロイスはこの学園の最下層Dクラス所属の、しかも序列最下位の劣等生という謎の組み合わせは寮で暮らしている寮生の間ではちょっとした有名なのだ。



ロイスと分かれSクラスの教室に入る。

始めた見たときはデカすぎる机や高級そうな椅子に若干の緊張と不慣れ感を出していたが、一週間も過ぎればもう慣れたものだ。教室には相変わらず誰もいない。寮生活をしている俺たち三人がいつも一番乗り教室に着くのだ。



「おはよう!アレクくん、アイリスさん、ランバート!」


授業開始のチャイムが鳴るまで三人で仲良く話して待っていると、いつものように序列五位のロベールがやってきた。ロベールは学園近くに別荘を持っている次期伯爵家当主様なのだ。


「おはようロベール」

「おはようございます!ロベールさん」

「おっす!ロベール!」


三者三様の挨拶を済ませ、授業開始までアレクの机の周りで喋る。ロベールの登校を皮切りに続々とクラスメイトたちが登校してくる。このクラスではアレクやアイリス、ランバート以外は全員が王都に別荘を持っている上級貴族出身の生徒たちなのだ。みんな王都に別荘や屋敷を持っている。中でもアクアリア王女殿下はこの国の第三王女で毎朝王城から登校しているのだ。



「皆おはよう、今日も遅刻・欠席者はなし、と! では朝のホームルームを始める。全員席に着け」


ジョナ先生が授業開始を告げる鐘と共に教室にやって来た。


「みんなおはよう!」


「「「「おはようございます!」」」」


「じゃ、いつも通り今日の予定を伝えるぞ。今日は午前中は座学だ。『戦術学』『魔物学』の二科目だ。昼食後は野外訓練場にて『戦闘訓練』と行う予定だ。それと昨日伝えたように本日から学年抗争戦が正式に始まる。まぁ学年ランキング戦だな。Sクラスの諸君はみんなそれぞれ知っていると思うが、絶対に敗北等は赦されない、それに挑まれたら絶対に受けなくてはいけないことを忘れないように… 本日の連絡事項は以上だ。質問とかあれば今聞いておけよ」


あ、そういえば今日から学年ランキング戦が始まるんだっけ…

まぁ基本的にSクラスに挑む奴はいないそうだが、たまに命知らずが腕試しと称して挑んでくるらしい。まぁ楽しみに待っているとしようか。


「では本日のホームルームは終了だ。この後セレナ先生がやってくるから、全員しっかりと授業を聞くように。では失礼」


ジョナ先生が教室から出ていく。

ちなみにセリア先生とは座学の『魔物学』担当の教師で入学式や研究会説明会などで司会を務めた女性教諭だ。何度か座学を受けたことがあるが、見た目は優しそうなのに、意外と厳しい先生だ。



◇◇◇


「———————と、次のように共食いを繰り返した魔物や又は上位の魔族によって『名付け』された魔物はさらに体内の魔素を増幅させ、より強く、より凶暴に進化するのです。やがて進化した魔物は自我に目覚めます。自我に目覚めた魔物は自らの名を名乗り、人の言葉を発し魔物を統率していくユニークモンスターになります。そのような魔物を『名持ち』と呼ばれています。 本日の座学はここまでとします。予習復習を忘れないように… では失礼します」


セリア先生が教室を出ていくと同時に授業終了の鐘が鳴り響く。

今日の座学の授業はこれで終わりだ。あとは昼食後の実技演習『戦闘訓練』の科目を受ければ今日の授業はすべて終わりだ。


「はぁ終わった終わった… あの先生眼つき怖いわ…」


隣の席のランバートが話しかけてくる。

たしかしセリア先生は美女だが眼付きがキツい先生だ。ランバートはああいう先生が苦手なのだ。


「だけど授業は凄く分かりやすいですよ?」


後ろの席のアイリスが話に入ってくる。

まぁ眼つきはともかく先生としては一流だ。間違いなく。分かりやすく要点のみをまとめた授業、実に効率的で分かりやすい授業内容だ。


「カー!確かに授業は分かりやすいけどよ… もったいないぜぇ!そう思わないかアレク?」


「俺を巻き込むなよ…」


「アレクも男だろ! あの胸に包まごほっ‼」


ランバートの腹にアレクの拳が突き刺さる。

だからその話を俺を巻き込むな。


「なんの話をしてるんですか?」


アイリスは笑顔で聞いてくる。しかし顔は笑顔だけど目が笑ってない。心なしか後ろに般若のような禍々しい何かが見えるんだが…。


「さあ、何の話をしているんだろうなー あははははは」

「あ、そ、そそうだ! 昼食食べに行こうぜ!早くいかないと食堂の席無くなるからよ!」

「あぁ、あ…そ、そうだな! おいアイリス…早く行こうぜ!」


「じー――――――――――――……」


アイリスの鋭い視線に苛まれながらもなんとか教室を脱出して食堂へと向かう。

アレクとランバートが前を歩き、その後ろを鋭い目線を繰りながらアイリスが付いてくる。


(おまえがバカなこと言うから、アイリスが怒っちまっただろ!)

(しるかよ!それこそアレクだって興味ないのかよ!あの大きな胸に!)

(興味ねぇよ!っていうか命欲しいからそんなこと言えねぇよ!犠牲者は一人で十分だ!)

(ちょっとまて!犠牲者って俺か!俺なのか!てめぇも道ずれだ!)


眼でアイコンタクトを取りながら会話を成立させる。


熟練のコンビでさえもここまで複雑な会話は出来ないだろう。しかしなぜかアレクとランバートがその会話を成立させることができたのだ。それは二人の息が偶然一致しただけなのか、それとも後ろから追いかけてくる鬼による恐怖から覚醒したのかは分からない。



汗だらだらのアレクとランバートの後ろに笑顔(眼だけ笑ってない)のアイリスが付いて食堂へ向かう姿は謎の近寄りがたい雰囲気を醸し出しながら食堂へと向かっていったのであった。




「今日の昼食は… 久しぶりにがっつり食べてるかな。 おばちゃん!焼肉定食でお願いします!」


午後からは戦闘訓練の科目なので、少しがっつり食べることにした。ちなみに今日の昼食メニューは『焼肉定食』『野菜定食』『オークステーキ定食』の三つだ。オークステーキ定食ボリューム満点で俺には感触が難しいと思ったが、野菜定食は逆に肉類よりも野菜が多い定食なのでここは中間をとって焼肉定食にしたのだ。ちなみにアイリスは野菜定食を頼み、ランバートはオークステーキ定食を頼んでいた。


「やべえ!めっちゃうめぇーわ!」

「ほんと美味しいですね!」

「あぁ!ほんと美味しいわ!」


ランバートが皿にこれでもかと盛り付けられたご飯の上にオークステーキ肉を丸々ワンスライス乗せられたどでかい定食を「うまい!うまい!」と言いながら齧り付いている。いつもなら引く光景だが、もう見飽きたのかアレクとアイリスは平常運転で食べている。


そこに少し遅れてロイスが登場。ロイスは俺と同じ焼肉定食を頼んできたようだった。これでいつもの昼食メンバーがそろったのだった。



「それにしても今日から始まるな… 学年ランキング戦だっけ?」

「あぁ始まるな! もぐもぐもぐ…」

「少し楽しみですね」

「ぼ、僕は… 全然楽しみじゃないです…」


学年ランキング戦とは学年内での序列順位を決める決闘戦であり、勝てばランキング、つまり序列が上がるのだ。より高い序列の者と戦い勝つことによって自分の序列順位を上げるのだ。俺やアイリス、ランバートはこの学年でトップクラスの序列順位生が集まるSクラス所属なので、基本的に戦いを申し込まれることは少ない。


Aクラス~Cクラスが主に争っているのだ。

Sクラスのような突き抜けた実力者に挑む生徒はまずいない。かといって序列低すぎる劣等生クラスと言われるDクラスに挑む生徒もほとんどいない。したがって俺たちはある意味決闘戦が始めっても大して変わらない日常生活を送れるのだ。


そう思って食堂で昼食を食べながら話しているとバンッ!と大きな音と共に四人の生徒が食堂にやってきた。蒼色の髪をした青年にその後ろを歩く取り巻き三人組。いかにも俺たち強いですよオーラを出しながら食堂にやってきた。


「やべ…あれサザーンだろ?」

「あのBクラストップの?」

「やべぇ初めて見た!」


食堂でご飯を食べている生徒たちが突然現れた青年に騒めきだす。

さっきまで少し騒がしいくらいの食堂が今は一気に静かになった。


「あれ誰だ?」

「知りませんね」

「ん? 俺も知らん」

「え、ちょっ… あれサザーン様ですよ!序列41位のエリートですよ!」


サザーン…? どっかで聞いたことあるような無いような…。

まぁどうでもいいか。と思い食事を再開する。食堂に入るだけなのにわざわざ扉を蹴って大きな音だして登場してくるので何事かと吃驚してみたけど、すぐに興味を失ったように食事を再開する三人。ロイスだけは淡淡としていた。



「やっと見つけたぞ…‼」


ドガドガと食堂で食べている生徒や机を押しのけてある一点に向かって歩きだす。

そして食堂では少し有名な異色な組み合わせの席前に辿り着く。


アレク、アイリス、ランバートは気にしないで普通に食事をとりながら団欒を楽しむ。

その姿を見た蒼色の髪をしたサザーン青年が睨みつける。

それを交互に見てあたふたしているロイス。


「…何か用か?」


ようやくアレクが気付いて席前までやってきた蒼髪青年に尋ねる。


「何か用だと…? 貴様!俺のこと忘れたわけではあるまいな!」


蒼髪青年が怒気を含ませながらアレクに突っかかる。

それを面白なさそうにアレクが見る。アイリスとランバートは我関せず状態だ。


「…? 知らん」


「……ッ‼‼」


アレクの放った粗忽な返しに蒼髪青年の顔が真っ赤に染まる。


「おい貴様!ここにおわすはサザーン様だぞ!」

「無礼であろうが!たかが平民風情が!」

「そうだぞ!平民風情が貴族である俺たちになんて態度だ!」


取り巻きたちが怒り出したが、それを面白くなさそうな顔で見ているアレク。

さらに取り巻きたちが怒り出すが、それをサザーンが止めた。


「まぁ待て。 そこの序列七位のアレクと言う平民よ。平民風情の貴様にはもったいない席だ思わないか? その『七位の席』…私が変わってやろう。 どうせ卑怯な手段を使って手に入れた席だろう?大人しく渡せば問題にはしないでおいてやるが、いかがかな?」


…突然何を言い出すのだ、このバカは。

アレクもアイリスもランバート、ロイスでさえ呆気にとられた顔をしている。


「…えっとまったく意味が解らんのだが?」


「だーかーら!てめぇのその七位の席はてめぇみたいな平民風情にはもったいないからサザーン様に譲れと言っているんだよ!」

「そーだそーだ!平民風情が貴族様に逆らうな!」

「卑怯な手段で手に入れた席だろ? とんだ無礼で卑劣な平民だな!」


「このサザーン=フォン=ザウバーンは、次期侯爵家の当主なのだ。貴様が望むなら金でも何度も払ってやるぞ? 貴様のような平民では一生無縁の金だって払ってやろう!望むなら女だって用意してやる! さぁその席を私に譲り給え平民風情がっ‼」


「えぇっと… サザーンだっけ?」


「サザーン様だ!」

「様を付けろよ無礼者!」

「不敬罪で一族郎党首晒しにするぞ!」


取り巻きが騒ぎ出すが無視だ。


「俺の序列七位の席が欲しいのか?」


「あぁそう言っている。どうせ卑怯な手段で手に入れた席なのだろう?私が変わってやるから黙って譲れと言っている。代わりに金でも女でも好きなだけ用意してやるぞ?」


この言葉にさっきまで我関せずだったアイリスとランバートも唖然とした顔をしていた。


「は?意味が解らないのだけど?」


「貴様は耳がおかしいのか? 金でも女でも用意してやるからその席を私に寄越せ、と言っている」


「確かここは実力至上主義の学園だよな? ほしいなら俺からその実力で奪ってみたらどうだ?」


「…ッ‼ 貴様…せっかく私が譲歩してやっているのに!なんだその態度は!」

「そうだ!サザーン様がせっかく譲歩してやってんだぞ!」

「穏便に済ませてやろうとしてやっているのに!」

「その上金でも女でも用意してもらえるというのに!平民風情が欲張るな!」


「俺は別に金も要らないし、女も要らないよ?それに序列とか第七位の席とか興味ないよ」


「だ、だったら!私にその席をさっさと譲り給え!」


「…ここは実力至上主義の学園。 ほしければその手で奪い取れ、だろ?俺から奪ってみろよ」


「き、貴様ぁ! この次期伯爵の当主である私が譲歩してやっているのに!なんだその言い草は!もういい!貴様を八つ裂きにしてやる! 序列41位サザーン=フォン=ザウバーンが序列7位の平民アレクに決闘を申し込む!」


さっきまでこの成り行きを見守っていた食堂の生徒たちが驚き始めた。

特待生クラスに仕掛けるのは基本的にAクラスの生徒だけだ。だけどそのAクラスの生徒でさえもこんな始まったばかりの決闘戦でSクラスに挑むバカはいない。今の状態で戦っても勝ち目はないと分かっているからだ。しかし、このサザーンはあろうことかAクラスにすら上がれていないBクラス所属の身でSクラスのそれも序列7位に挑んだのだ。


決闘を申し込まれた方の序列7位のアレクの方をみんなが見る。アレクは初めはめんどくさそうな顔をしてサザーンの相手をしていたけど、決闘を申し込まれた途端に不気味な笑みを浮かべニヤっとした。




「゛Sクラス生徒は決闘を申し込まれたら断ることは出来ない〟だったな… いいぜその決闘!序列7位のアレクが承諾した!」





ゴールデンウィーク中、少し執筆難しいです。出来る限り執筆頑張りますが、バイト三つ掛け持ちしてやっているので執筆時間があまり取れそうにないです( ̄▽ ̄)



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