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2-16.アレクとアイリス

気まぐれトーカ!

「そういえば、いまさらなんですけど…」


「ん? どしたアイリス」


俺とアイリスは冒険者ギルドで色々とあったが、当初の目的である学園に向けて歩いていた。

その途中、色々と露店や屋台を巡りながら学園を目指していると、アイリスが話しかけてきた。


「アレクくんって、魔法教えてくれた時から薄々気づいてたけど、本当はもっと強いんでしょ…?」


「…っ‼ んーどうしてそう思ったの?」


「最近からなんだけど、相手の魔力からどのくらい強いのか直感で感じれるようになったの…」


……なるほど。俺は魔眼でアイリスのステイタスを覗き見る。


==========

【名前】アイリス

【人族/女性/15歳】

【称号】

【闘級】6,480

(武力:820 気力:150 知力:340 魔力:5,170)

【属性】無・風・光

【技能】

剣術Lv.4

直感Lv.0(New)

状態異常耐性Lv.1

魔力操作Lv.3

魔力制御Lv.4

魔力探知Lv.2(New)

【贈与】剣術《極》

【加護】魔導神の加護

==========


さすがは【加護】持ち。

成長速度が凄まじい。特に魔力の伸びが凄い。


【技能】には新しく『魔力察知』が追加されていた。

魔力察知は対象の魔力量を察知することが出来るのだ。人間含めこの世界の生物は全て魔力に依存して生きている。

そのため、体内にある魔力量が多ければ多いほど強いのだ。



「冒険者ギルドでの模擬戦の時、一瞬アレクくんから感じた魔力量が… そのうまく言えないけど、凄く跳ね上がったの…」


アイリスは『魔力察知』というスキルを手に入れてから相手の魔力量から相手のある程度の強さを測れるようになっていた。


この世界の生物は誰しもが魔力を無意識に放出している。

それを察知することが出来るのが『魔力察知』というスキルだ。

初めてアレクにあった時は、魔力をまったく感じなかったが、今ではアレクくんから魔力を察知することが出来る。


そしてつい先ほどあった冒険者ギルドでのいざこざの時に感じた違和感。


普段のアレクくんからは微量の魔力を察知することが出来るのだが、模擬戦で一瞬、アレクくんから放たれた魔力は普段のアレクくんからは

感じられないほど濃密で凄まじい量の魔力を察知したのだ。そして、一切感じ取れなくなってしまった。


それが何故なのかは分からないが、これだけは分かった。

アレクくんは本当の実力を何らかの方法で隠していて、模擬戦の時に無意識にその枷を解除してしまったのだと。

つまり、アレクくんは私の知らない本当の実力を隠している、と。


なぜそんなことをしているのか分からないけど、あの一瞬だけ感じることができたアレクくんの魔力。

相手の魔力を感じられるようになってから初めて感じた未知数の魔力。

冒険者ギルドであったギルドマスターらしきスキンヘッドの男から感じた魔力量とは比較にすらならない圧倒的というまでの魔力。


きっとアレクくんは何かある、と感じた。

それを口にするか迷っていたけど、思い切って聞いてみたのだ。



「アレクくん… アレクくんって本当は何者なの?」





◇◇◇





「アレクくん… アレクくんって本当は何者なの?」


その言葉にアレクは戸惑いを感じていた。

なぜ突然アイリスがこんなことを言い出したのか分からないが、少なくてもアイリスは俺のこと疑っているように感じる。

それは『敵なのか、味方なのか?』という分かりやすいものではなく、もっと別の何かを知りたがっているようだ。



俺のステイタスと俺の修行のことを言えば、おそらくアイリスは納得するだろう。

だけど、そこまでだ。


余計にアイリスを混乱させてしまう。

アイリスには一般常識が欠けていることは道中分かった。だけど、それは俺も同じことなので何ともいえない。

だけど、人族が暮らすことのできない魔界で修行してました、なんて信じる信じない以前におかしなことに気づくだろう。


俺は人族なのか? と。


俺の本当のステイタスを見せれば、このことは納得するだろうが、もっと踏み込んだ質問をされる可能性が出てくる。

アイリスはバカっぽいが、感の鋭い奴だ。


さて、どうしたもんかな。





◇◇◇





「…ごめんなさい。やっぱり話しづらいことだよね…」


アイリスがいつまでも返事のしない俺に悪いこと聞いたのだと思ったのか、謝ってきた。



「あ、別に… ちょっと話しづらいってだけだから気にしてないで」


反射的に謝り返した。

別にアイリスになら全て話してもいいと思うんだが、言ったあとことを考えるとこの関係が壊れてしまうかもしれない。

と思い、なかなか話せなかった。



アイリスと俺との間に流れる雰囲気が一気に悪くなってしまった。

凄く居心地が悪い。な、なんとかしないと…‼



と思って話題を模索していたが、中々話題が見つからなかった。

ただ気まずい雰囲気の中、学園への道を歩き続ける。



なにか話題を!と必死で考えていたが、なんとアイリスの方から話しかけてきた。



「あの… アレクくん」


「っ! ど、どうしたアイリス?」


突然話しかけられて、ビクッとしてしまって言動がおかしくなったがまぁ大丈夫だろう。

と思っていたが、そんな俺の姿をみてアイリスが笑い出した。どして?



「ぷっ あはははははははは! あははは…ご、ごめんなさい。なんだがおかしくって!」


「お、おう。おかしくって…?」


「なんだかこの雰囲気がおかしくてね。で、私が話し始めたことでなっちゃったことなんだけど、それがおかしくて笑っちゃったの」


おかしいじゃなくて、気まずいっていうんだよ。

なるほど、それを笑い飛ばそうとしたのか。素かはどうか分からないけど、ある意味助かったよ。



「ねぇアレクくん! もしよかったら、私のこと鍛えてくれない?」


「…今なんて?」


「私のこと、鍛えてくれないかなって思ってね」


「アイリスは今のままでも十分強いと思うよ?」


「あ、それ言いますか… アレクくんに言われても嫌味にしか聞こえないよ」


「あはははは…」


今度は俺が苦笑いする番だったか。

けど、どうして突然そんなこと言いだしたのかアレクには解らなかった。



「…どうして強くなりたいんだ?」


「今は秘密ってことでっ! で、…やっぱりだめかな?」


「いや… 別に構わないけど…」


そこのところを訪ねてみるとアイリスにははぐらされた。





「よし!解った! 俺がみっちりと鍛えてやる!泣き言いっても逃がさないからな!」




「ありがと! もちろん絶対に逃げ出さない!私は絶対に強くなってみせるんだから!」






俺は学園の入学試験までの残り十日間、全てアイリスを鍛えることだけに注ぎ込んだ。

俺の知っている知識から技術、師匠からの教え… そしてアイリスのあげた魔剣の真実。

それを全てスポンジのように吸収し、自分の力へと変えていった。



そして学園入学試験 当日を俺たちは迎えた。


次回から入学試験編に突入予定!

( *´艸`)張り切って執筆していくぜ!

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