2-17.入学試験in筆記試験
( ゜Д゜)YA☆RA★NA☆I★KA!!
Σ( ̄ロ ̄lll)ア―——————————♂
※気まぐれトーカ!と書いてます。 ←は?(笑)
正式名称『王立アスラエル高等学園』は、国中からたくさんの入学希望者が集まる学園である。
なぜならこの学園を卒業した者は将来が約束されているからなのである。
騎士団や王国軍、大使外交館や官僚、武官といった様々な国を支える職に就くためにはこの学園を卒業していることが大前提とされており、そして必須なのである。
騎士団で例えるなら、卒業者ば入団試験が免除されて入団することができるのだ。
それは騎士団だけに限ったことではなく、軍や大使外向館に入る場合にも同じことが言える。
そして何より毎年入学希望者が多くなるのは、平民や貴族といった身分関係なく受験することが認められているのだ。この世界の学園は基本的に貴族しか通えない。平民は村の寺子屋や街のちょっとした教育施設に通うしかないのだ。したがって例え平民であっても優秀であれば入学することが出来る数少ない大きな学園なのだ。
しかし、当然ながら入学するには学園が用意する試験に合格しなくては入学することができない。毎年たくさんの希望者が入学試験を受けるが、合格率は毎年三割を切る結果となる。
入学出来れば輝かしい未来が、堕ちれば地道な努力で切り開いていくしかない未来が待っている。
実に分かりやすい成人した人が通る社会の入口なのである。
◇◇◇
「ここが王立学園か。やっぱりでっかいな…」
「本当に大きなところ…」
俺とアイリスは入学試験を受けるために学園の敷地内を歩きながらしゃべっていた。
敷地内は綺麗に整備されており、所々変な銅像が建てられている。なんでもこの学園を卒業した後有名になった英雄の銅像らしい。
それにしてもさすがは王立と言うだけあってとんでもなく広大な敷地で構成されている学園だ。
広さにしておよそ約510,000㎡
日本で例えるなら東京ディズニーランドと同じ広さ。
東京ドーム約11個分の広大な敷地面積で作られている。
学園内には学舎やから球技場、訓練場、闘技場、教会完備の完璧な施設で、入学者全員に学生寮の個室まで与えられる豪華特典付きの学園だ。それも強制ではなく通学か寮生活か希望できる学園で、色々と融通が利くらしい。それに卒業できれば輝かしい未来が約束されているとかどうとか言われている国最大の教育施設なのだ。
敷地内の長い道を通って受付窓口までようやくたどり着いた。
受付は平民用と貴族用に分かれており、当然俺とアイリスは平民用の受付で対応してもらっている。
「これにて手続きは完了になります。こちらが入試用紙になります」
受付の職員さんが俺とアイリスにそれぞれ一枚の紙を渡してきたので、その紙を確認する。紙には名前と入試番号が記載されていた。隣のアイリスの入試用紙も同じ内容で記載されていたがただ一点だけ違う場所があった。
それは入試番号にかかれたアルファベットだ。
俺は入試番号「武官科-A-001284番」
アイリスのは「武官科-B-001285番」
となっていた。
数字は俺と一桁目の数字が違うだけで後は同じだが、中央のAとBに分かれていた。
「それでは、これより入学試験に入らせていただきます。それぞれ入試番号に記載されているアルファベットによって会場が変わりますのでご注意ください。それではいってらっしゃいませ」
なるほど。
どうやらカンニングなどの協力不正が無いように分けられたようだ。
俺とアイリスは受付裏にある紙を見てそれぞれの会場と何時からの試験を受けるのかを確認する。
俺は今から三十分後に始まる「筆記試験」を視聴覚室と呼ばれる会場で受けた後、その後「実技試験」を受けるようだ。
アイリスも同じく三十分後に始まる訓練場Aで開催される「実技試験」から始まり「筆記試験」で終わるようだ。
「俺もアイリスも別々に試験受けることになったな… 実技試験頑張ってこいよ!」
「アレクくんこそ!筆記試験頑張ってね!」
アイリスが拳をグーにして突き出してくる。またかよ、と苦笑いしながら拳をグーにして突き出してごっつんこさせる。
ちなみにこれはアイリスの修行中に俺が教えた悪ふざけなのだ。「お互い頑張りましょう!」の意味を込めた努力の証なのだ!とふざけて教えたのだが、アイリスは気に入ってしまったのだ。
「「じゃ!お互いに頑張っていきましょうか!」」
俺とアイリスはふざけた挨拶を済ませた後、それぞれの試験会場に向かっていった。
バカでかい敷地内には全部で八個の校舎がある。
どれも日本の一般的な学校四階建て校舎と同じ作りだ。
それにそれぞれの校舎は渡り廊下で繋がっているため行き来可能だ。
俺はそのうちの一つ『第二校舎』の視聴覚室と呼ばれる部屋で筆記試験を一時間半行うそうだ。
内容はペーパーテスト方式で、一枚のテスト用紙に全ての問題が詰められている。
それを制限時間内に解き切るのだ。
俺は第二校舎の一階にある視聴覚室に入る。
中には既に同じ受験者が五十人ほど待機しており、勉強する者、ブツブツと何かを唱える者、友達と喋っている者などみんな思い思いに行動していた。ちなみに席は自由のようで、みなそれぞれ好きな席に座っていいらしい。
俺はアイリスと分かれたので喋る相手がいない。それにこういうのは今までの経験から考えて一番後ろの窓側の席に着いくのが正しい!と訳の分からない解釈で一番後ろの窓側の席を占領した。
したはいいが、やることがない。
結局外をボーと眺めて時間を潰すことになった。
「すまないが、そこの席を変わってもらえないだろうか?」
ボーとしていた俺に、突然声を掛けられた。
振り返るとそこには茶髪の髪の毛を短くカットした如何にも貴族様ですといった服装をした青年が立っていた。後ろには取り巻きが三人もついている。貴族のボンボンか。面倒なことにならないといいのだが。
「はぁ…どうしてですか? 確か席は決められていなかったと思いますけど」
めんどくさそうに返事を返す。
その態度が気に入らなかったのか、後ろの取り巻きが騒ぎ始めた。
「平民ごときが、なんだその態度は!」
「そこのお前!このお方を誰と心得る!」
「平民は黙って席を譲ればいいんだよ!」
「三人とも待て。私はどうしても一番後ろの窓側の席で試験を受けたいのだ。どうか変わってもらえないだろうか?」
「はぁ、分かりました」と言って席を立った。
別に席は決められていないのだから、すでに俺が座っている席より空いている席に行け!と言いたいが、別にこの席に拘る理由もないので席を譲ることにした。取り巻きたし三人は「さっさと変わればよかったんだ!」と口々に小言を言っているが、それを聞いて怒り出すほど俺は子供じゃないんでね。
さて、空いている席を探すと既にほとんどの席が埋まっていた。
どうやらボーとしている間に受験者が続々と部屋に入ってきたようだった。
この視聴覚室の机は長机が使われており、一つの机に大体四人ほど座れるスペースがある。その長机が横に四個、縦に十個づつ均等に配置されて並べられている。約160人が受けることが出来る計算だ。その八割ほど、大体130席くらいが既に埋まっていた。
(すごい集まってたんだな…)と感心しながら空いている席へと座った。その席には既に一人座っており、お互い端っこに座っていたため会話は無かった。
そろそろ筆記試験開始時間かな、と思っていると試験官らしき人達が入ってきた。
「さて、そろそろ筆記試験を始める。それぞれ机の上に置いてあるものを締まってください」
試験官らしき人が十人ほど、視聴覚室の前の扉から入ってきた。教壇に立った試験官が受験生全員が机の上を片付けたことを確認し、周りの試験官の人がペンと試験用紙を配り始めた。
用紙は大体A3の用紙を四枚重ねた冊子で作らており、開くと問題とその問題の答えを書く欄が一緒になったペーパーテストのようだ。
「私の『はじめ!』の合図で一斉に始めてください。それでは… はじめ!」
全ての準備が整うと、前の教壇に一名、左右に試験官が三名づつ、後ろに三名が配置された。
それを一番前の教壇に立っている試験官が確認すると、「はじめ!」といって筆記試験が開始された。
(さて頑張りますか!)
俺は久しぶりのペーパーテストで少しテンションが上がっていた。
そして勢いよくテスト用紙をめくってテストを解き始めた。
◇◇◇
冊子を開いて第一問を見る。簡単な計算問題のようだ。一番上の方には【計算認識問題】と書かれている。念のためにページ全体の問題を確認すると、どうやら本当に計算問題のようだ。
問題は足し算、引き算と簡単な文章問題で構成されていた。転生者の、しかも三十路の俺には簡単すぎる小学生レベルの問題だ!あっという間に解けてしまった。
(掛け算が出てきたらヤバかった…)と思ったがもちろん黙っておく。
だって…『九九』なんてもう忘れたよ。
そして一枚目の計算問題をあっという間に解いて二ページの問題に入る。
二ページ目の問題は、一番上に【常識認識問題】と書かれていた。
(はんっ!常識問題なんて楽勝だ!)
とアレクは思ったが、ここでアレクは一つ思い違いをしていた。
アレクは日本の常識はあっても、異世界の常識なんて知らないという根本的なことを忘れていたのだった。
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【常識認識問題】(全10問/配点2)
次の問題に答えよ。
問題:初代国王の『英雄王』の正式名を答えよ。
問題:アスラエル歴三十六年に起きた聖戦の正式名称を答えよ。
問題:アスラエル歴二百四十年に起きた『アスラエル危機』で活躍した英雄の名前を答えよ。
問題:アスラエル歴四百……etc
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知るかァアアアアア!!!!
知るわけナイダロォオオオオ!!!!
これは何か!俺の固有魔法『ワールドディクショナリー』を使えってか!
合法的なカンニングをしろってのか!?
うおおおおおおおお! していいのか!? しちゃダメなのか!?
いやモラル的にはしちゃだめだ!カンニングはダメだ!
いやまてよ… これは俺の力だぞ?ならセーフじゃ…。
あぁあああああああああああああ!!!!
アレクはプライドと戦っていた。
はい。このページの問題はおしまい!
分からない問題は飛ばしていく!次だ次ィ!
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【魔物認識問題】(全10問/配点2)
次の魔物と遭遇した場合、あなたが思う適切な行動とその理由を考え答えよ。
問題:ゴブリンと遭遇しました。
問題:オークジェネラルと遭遇しました。
問題:ゴブリンシャーマンと遭遇しました。
問題:ブラッディ・ベアと遭遇しました。
問題:レッドグリズリーと遭遇しました。
問題:ワイバーンと遭遇しました。
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だから分かるかァアアアア!!!!
なんだ適切な行動って!? 理由ってなんだ!?
そんなの知るわけないだろぉおおお!
全部俺一人で討伐できるわぁああああ!
っていうかしてきたわぁあああ!
結果、俺は全ての問題の解答欄に「討伐する」とだけ書いて次のページの問題へと眼を移した。
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【戦術問題】(全5問/配点10)
次の状況に適切な行動を答えよ。
問題:オークの集落に女性が拉致されました。あなたは依頼で救出する任務を受けました。
次の構成や状況から導き出される適切な行動を答えよ。
【パーティ構成】重戦士2名 魔法使い1名 軽戦士1名 盗賊1名 +受験者
【オーク集落規模】推定三十体/上位種:五体、通常種:二十五
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うん。戦術問題のようだ。
これなら簡単だ!なぜなら…
その程度の任務!俺一人で何とかできるから!
そして解答欄にはこう書いておいた。
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回答:パーティメンバーにはその場で待機させる。俺が一人で突撃して救出して殲滅します。
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ふっ… 簡単な問題で助かったぜ!!
この調子で次々と問題を解いて回った。全四ページのすべての問題を解き終えたところでちょうど試験官の試験終了の声がかかった。ギリギリセーフだったな。
「それでは!全員ペンを置いてください!」
受験者全員がペンを置く。そして試験官がペンと答案用紙を回収して廻る。
「ひぃーふーみ…。 よし!全員の提出を確認できました。これにて筆記試験を終了とさせていただきます。お疲れさまでした」
試験官たちが前の扉から次々と退出していく。それに続いて後ろの扉から受験者たちが退出していった。
みんな次の「実技試験」に向けて移動を始めたのだ。アレクもそれに続き次の実技試験の会場である訓練場を目指した。
若干の不安を残しつつ、無事に筆記試験を乗り越えたのであった。




