第七章 裏切りの契約
「……何?」
カインの表情が凍りついた。
悪魔はゆっくりと手を掲げた。
すると、カインの胸元に黒い契約の紋章が浮かび上がった。
「ぐっ……!」
カインが膝をついた。
レオンが叫ぶ。
「カイン!」
悪魔は笑った。
「お前が私を復活させたとき、私はお前の願いを聞いた」
『あの少女の魂を取り戻したい』
『レオンに、自分と同じ苦しみを味わわせたい』
「その願いを叶える代わりに、お前は私に力を与えた」
カインは苦しそうに胸を押さえた。
「……まさか、お前……」
「そうだ。お前の力は、すでに私のものだ」
悪魔の身体が巨大化していく。
黒い翼が生え、赤い瞳が何重にも現れた。
「私は、お前たち全員の絶望を糧にする!」
レオンが剣を構える。
「……ふざけるな!」
セラも翼を広げた。
しかし、悪魔の力は以前とは比べものにならなかった。
黒い衝撃波が放たれる。
「きゃあっ!」
ひかるとアリヤが吹き飛ばされそうになる。
セラが必死に結界を張った。
「二人とも、下がって!」
レオンはカインのもとへ駆け寄った。
「立てるか?」
カインは苦しそうに笑った。
「……今さら、私を助けるのか」
「当たり前だろう!」
レオンはカインの腕を支えた。
「君は、僕の大切な友達なんだから!」
カインの瞳が揺れた。
「……レオン」
そのとき、ひかるが叫んだ。
「セラ! レオン! 私たちにできることはないの!?」
セラは驚いたように振り向いた。
「ひかる……」
「私たちも、みんなを守りたい!」
アリヤも頷いた。
「お願い。力を貸して!」
セラは二人を見つめた。
そして、静かに微笑んだ。
「……あるわ」
「本当!?」
「でも、それは戦う力じゃない」
セラはアリヤの指輪を見た。
「その指輪に残っている、祖母の祈りを取り戻すの」
アリヤは指輪を握りしめた。
赤い光の奥に、小さな金色の光が揺れていた。
「……できるかな」
ひかるはアリヤの手を握った。
「一緒にやろう」
アリヤは頷いた。
「……うん!」




