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コーヒー香る熱波の嵐! 人生初アウフグースと極上のととのい

サウナ室内に充満する独特の静けさと、異国情緒あふれる熱気。

いよいよ、待ちに待ったアウフグースが始まろうとしていた。


ガチャリと扉が開き、ショートパンツを穿いた男性が入ってきた。彼がこの回の熱波を担当するスタッフ、いわゆる「アウフグース・マイスター」だ。

マイスターは手際よくサウナ室の扉を何度か開閉し、大きめのタオルを扇いで室内の空気を入れ替えていく。そしてしっかりと扉を閉めると、参加者に向かって朗らかに話しかけ始めた。


(……当然だけど、全部ドイツ語だ……!)


何を言っているのかは1ミリも理解できなかったけれど、彼の身振り手振り混じりのトークに、周囲のドイツ人たちが「ハハハ!」と楽しそうに声を上げて笑っている。きっと何かユニークなジョークや、今日のテーマについて軽快に話しているのだろう。


(いいなぁ、言葉が分かったらもっと楽しいんだろうな……!)


実は私は、日本でもサウナに行ったことがない完全な「サウナ初心者」だ。本場ドイツはもちろん、日本のサウナでよく聞く「ロウリュ」すら未体験。一体どんな感覚が襲ってくるのか、期待と不安で胸がバクバクと高鳴っていた。



「——サー、始めます!」


マイスターがそう言った(気がした)瞬間、アロマオイルの入った液体が、中央で赤々と熱せられたサウナストーンへ一気に注ぎ込まれた。


ジュゥゥゥゥウウウッ……!!


豪快な蒸気音とともに、香ばしく芳醇なコーヒーのアロマが室内いっぱいに広がる。

続いてマイスターが大きなタオルを頭上で旋回させると、熱い蒸気の波がダイレクトに肌へと押し寄せてきた。


(うわっ……熱い……! でも、なんだかすごく不思議な感覚……!)


温かい風が全身を包み込み、体の芯まで熱がじんわりと染み込んでいく。

マイスターがタオルを振るたびに室内の温度はうなぎ上りに上昇し、私の額から、全身から、滝のような汗が吹き出していった。


(あ、熱い……! 耐えられるかなこれ……っ!?)


身体に固く巻きつけていたバスタオルが、熱気を吸って逆に熱く、重く感じ始めてくる。

『周りの人たちみたいに、もうバスタオルなんて脱ぎ捨てちゃいたい……!』という強い衝動が頭をよぎるけれど、初心者の私はなんとか必死に耐え抜いた。


「ダンケ・シェーン!(ありがとうございました!)」


マイスターの最後の熱波が終わり、サウナ室内は大きな拍手に包まれる。

や、やりきった……! 人生初のアウフグースサウナを、無事に耐え抜くことができたのだ!



拍手が止むと、全裸の参加者たちがゾロゾロと退室していく。

私たちもバスローブを羽織り、相川さん、斎藤さんと一緒にすぐさま女性専用シャワー室へと駆け込んだ。


ザザザザァァァ……!


「あぁぁぁ……最高に気持ちいい……っ!」


火照りきった身体に浴びるシャワーの心地よさは格別だった。汗と一緒に、日頃の疲れや緊張がすべて流し去られていくような感覚だ。


シャワーを浴びてサウナ室の前に戻ると、予告通り冷たいアイスコーヒーが用意されていた。

グラスを手に取り、一口飲んでみる。


「……おいしいっ……!」


サウナ上がりの身体に、冷たく香ばしいコーヒーがじわ〜っと染み渡っていく。

お酒でも清涼飲料水でもない、サウナ後のコーヒーがこれほど美味しく、心を落ち着かせてくれるなんて知らなかった。


ふと視線を落とすと、目の前の水風呂では、全裸の男女が本当に気持ち良さそうな表情で水に身をゆだねていた。


(全裸での水風呂……最初は『絶対無理!』って思ってたのに……)


身体の中に残る温かな熱気と、目の前で広がる爽快な光景。

私の心の中にあった「全裸への躊躇」や「冷たい水への恐怖」はいつの間にか消え去り、『私もあの水風呂に入ってみたい!』という強い好奇心が、ふつふつと湧き上がってくるのを止められなかった。

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