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男女混浴・水着NG!? 異文化難度MAXの「ドイツSPA」計画

湯気が立つパスタをお皿に盛りつけ、WGシェアハウスのダイニングテーブルを囲む。今夜の夕食は、相川さん、斎藤さん、そして私の3人。

たわいもない雑談に花を咲かせていた時、相川さんがフォークを止めて、ニヤリと笑いながら切り出してきた。「ねえ、ふたりとも……そろそろ『ドイツのSPA(サウナ施設)』に行ってみたくない?」

「あっ! 私もそれ、すごく気になってた!」「私も……! 行ってみたいです!」

斎藤さんと私がほぼ同時に食いつき、テーブルの温度が一気に上がった。

そもそも、私たちがこれほどドイツのSPAに興味津々なのは、間違いなく岩間さんのせい(?)だ。

岩間さんは大のSPA好きで、普段から「ドイツのSPAは最高! 髪も肌もすっごくツヤツヤになるし、アウフグース(熱波パフォーマンス)の爽快感の後にプール、温泉、施設によってはウォータースライダーが最高で絶対行くべき!」と、その魅力を熱弁してくれていたからだ。だが——。ノリノリで「行こう!」となったものの、次の瞬間、3人の間に一瞬だけ「妙な沈黙」が流れた。


そう、ドイツの本格的なSPA施設には、日本人にとってあまりにも高すぎる【巨大な壁】が存在するのだ。


それは——『男女完全混浴』かつ『水着着用禁止(全裸)』というルール!


衛生上の理由から、サウナ内では水着を着てはいけない決まりになっている。もちろん大きなバスタオルは巻くけれど、移動やサウナ室内では基本的に全裸。文化の違いとはいえ、異文化体験としての難易度は間違いなく『レベルMAX』だ。


(いくら海外とはいえ、男の人もいる場所で全裸になるなんて……恥ずかしすぎる……!)


相川さんが私たちにこの話を持ちかけてきた理由は、すぐに察しがついた。

「岩間さんにナビゲートをお願いして、一緒に連れて行ってもらうかどうか」を相談したかったのだ。


「……一応、女性専用のSPA施設もあるって岩間さん言ってたよね?」

私がそう呟くと、斎藤さんが眉をひそめて首を振る。


「う〜ん、でも女性専用のところって、こっちの本格的なスパに比べると規模がかなり小さくなっちゃうみたいなんだよね……」

「そうなんだよねぇ。せっかく行くなら、岩間さんが激推ししてる『一番規模が大きくて評判がいい本場のスパ』に行ってみたいじゃない?」


3人して「女性専用に行かない理由」を必死に探し始める。

これまでの経験上、岩間さんが心から絶賛するスポットはどれも感動的な体験ばかりだった。だからこそ、妥協した施設ではなく「最高のドイツSPA」を体験したいという思いは全員共通していた。


(でも……流石に異国で全裸混浴サウナに一人で突撃するのは怖すぎる! でも、女子3人で岩間さんにお願いすれば、ハードルも下がるし安心感が段違いだよね……!)



「よし……決定! 岩間さんに『初心者女子3人をSPAに連れていってください!』ってお願いしよう!」


相川さんの宣言に、私と斎藤さんも強く頷いた。


渡航前はSPAなんて全く興味がなかった。だけど、ドイツに来てから新しいことに挑戦する楽しさを知った今の私は、「髪や肌の美容ケアにも最高らしいし、せっかくドイツにいるならここでしかできない異文化体験を全力で楽しみたい!」という気持ちが勝っていたのだ。


「あはは、全裸で身体を披露する場所に行くと思えば、日頃のランニングやヘディスフィットネスのモチベーションも爆上がりするかもね!」

「本当ですね! お尻と腹筋、もっと引き締めなきゃ……!」


冗談めかして笑い合いながらも、私の胸の奥は「本当に大丈夫かな……!?」という未知の体験へのドキドキとプレッシャーで高鳴っていた。


美味しいパスタを平らげた後、私たちはさっそくスマホを取り出し、岩間さんへ向けて『ドイツSPA案内依頼』のメッセージを作成し始めるのだった。

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