秘めた力
「小さい時から
馬が 自分の思うように
動いてくれる時があるよ」
「動物への 能力だと 思っていたけれど
この前の 球馬の披露のときも
馬は自由に、動くので 小さく回転するのも 楽だった
そういうのは 誰にもあると思ってた」
「でも この地図模型まで 思うようになるなんて
それもマリーンの前で」
「僕たち二人に 何か あるのかい、、」
「考えてもわからないわ
教えてくれる人がいると 良いけれど」
「マリーンを 今以上に身近に感じても、いいかな」
「今だって、とても 身近でしょ、、?」
「まぁね、、」
「この地図模型 もう動かすの怖くなっちゃった
ここで壊れてたら、、私だけでなく シバまで迷惑かけちゃう」
お父様に 顔向けできない ところだったわ
「 地形を頭に入れておくよ」
「こういう地形も すぐに頭に入るの」
「割と入ってる」
「じゃ川は 何本あった?」
「大きな川が 三本と 小さな川が二本の 五本」
「シバって 本当に すごいのね
お父様の お気に入りに 入るはずだわ」
「あぶないから 模型を 部屋の近くまで 持っていってあげるよ」
「ありがとう、来客になって シバの動ける範囲も 多くなって
そのうち 制限なくなると良いね」
「そうだね、まだマリーン頼みだけれど」
「シバ 次第よ」
僕 次第か、、
外に出ると
モトが、また石の後ろに隠れてる
「モト、、
また かくれんぼ?」
「そう 今日は どれくらいで 私を見つけるか 試しているの」
「頑張ってね」
「シバ、、は、どこへ行くの?」モトが聞いた
「荷物運び」と模型の地形を 少し上げた
「すぐに戻るよ」
「ふーん」
「モトが シバの名前 覚えたみたいね」
「君の妹の 子守役だな、、僕は」
「球馬を 指導する先生よ、シバは」
マリーンの部屋の 前で
「ありがとう ここで、いいわ」
「いいよ 指定の場所まで もっていくよ」
「でも、、」シバを自分の部屋に 入れていいか 迷う
「昨日も 君の部屋に入ったし」
「ええっ?」
「覚えてないの ベッドまで 運んだの
ベルもセイラも 重すぎて 運べないから」
「シバが、、私の、部屋の中まで 運んでくれたの、、」
そうだったんだ
両頬を手で隠すマリーン
「僕の馬の前に乗ったのは 覚えてるの?」
「あ、、なんとなく、歩きたくなくて、、頼んだような、、」
覚えてないんだ、、
「でも ここで大丈夫よ」と手をのばすと
地形の模型を 持っているシバの手に 触れてしまうマリーン
「あっ、、」と、手を引っ込める
動じない 気にしてなさそうなシバを見て 安心するマリーン
目の前の 庭園を、モトが 侍女に、引っ張られて 戻って行く
また シバとマリーンに気がついて 後ろ向きで手をふるモト
危なかしい もうすぐ置き石があるのに、、
シバが何か 感じたのか 眉を寄せる
案の定モトが、つまずく
つまずくのが、シバも分かっていたの?
置き石に 付きそうな所を 侍女が、モトを すくい上げる
お上手
優秀な侍女だわ、、
何度も ああいう風に
危なかしいモトを 助けてるんだろう
平気な顔で 連れて行く
そういえば、私も 小さい頃
いつも膝小僧に 怪我が 絶えなかったな、、
「ほらっ 」
シバの声に 現実に戻る
「どこに、置けばいいの?」
「じゃ こっちに、、」と、シバを部屋に入れるマリーン
地形の模型を 置くと
その前の 机の上に 何枚かのマリーンが描いた絵が
ユリの花の 欄干の絵が あった
もう一つ 鳥の図形の 橋の欄干の絵
「これは、、」
「私達 2つの国に 架かる橋の、デザインなの」
「国境を渡るときに 空に鳥が二羽 飛んでいて
陸には、国境があるけれど
鳥は その上を 国境なんて関係なく 自由に飛んでいて
国境のない空の シンボルで 鳥が 良いかと思って」
「国境のカンバ川の、橋の設計を もう考えてるのマリーンは」
「だってシバが教える球馬の競技が 2つの国で試合が出来る時
みんなが渡る橋が 必要でしょ」
「そんなに 一人で急ぐと 潰されるぞ マリーン」
「シバ、、」
「あまりにも 早すぎるよ
国王に 任せたほうが良いよ 国境の橋のことは、、」
シバの ミスのない慎重さ
膝小僧に怪我が絶えなかった モトと同じような危なかしさの自分
「そうね 難しい国のことだものね
まだ 構想中よ
先に、シバの球馬の練習の絵を 書き上げるわ」
「そうしてくれ マリーン」
「球馬の指導 シバ 頑張ってね」
「ああ 今の 僕は 2つの国を仲良くさせたい
マリーンの、、 君の いいなりだから」
シバが 冷たく言った
「 シバ、、そんな、、風に 言わないで、、」
また私と 距離を取る シバに、、戻ってしまう
まだ、敵の国の私に 素直なのが 貴方のプライドが許さないんだ、、
僕は、、マリーンを、、傷つける言葉しか、言えない、、
君を、思い通りに出来たなら、、
マリーン、君を、、
シバが念じる
今さっきの 地形模型や
いつも、馬を 思い通りに動かすように
僕が、マリーンも 思い通りに 動かせたら、、
マリーンの手が 意識がないのに 上がって
戻ろうとする シバの体を、
後ろから、、マリーンは 手を伸ばした、、
シバが 立ち止まり マリーンに
後ろから 抱きしめられた
「マリーン、、」
「シバ、、
ごめんね
生まれた時から 目の前の 家に居て 一緒の 幼馴染の貴方に 甘えて」
マリーンに、後ろから、抱きとめられて
シバは
マリーンの体感から 心臓の音まで 聞こえそうだ
ドクッ ドクッ と、 二人の 血の流れまで 重なるのが
分かる
シバを 後ろから抱きしめる マリーンにも
それが 同じように シバの体感を 熱く感じる
「マリーン 離して、、」




