第7話・火石巨人と決着
「会話!」
すると、今まで岩が擦り合う音しか聞こえてなかった火石巨人の口から、意味を持った音が聞こえてくる。
「貴様らにこの山に入る権限なんてないワ!ぶちのめしてくれル!!」
うわ〜。またこのパターンですか。
「おい、聞こえるか?」
「んンッ?ニンゲンが俺の言葉に反応しているように聞こえるのだガ….?偶然カ?」
「聞こえてるよ、ちゃんと。….どうせこの山で暴れまわっていた石人たちの親玉はお前だろ?頼むからそういうのやめてもらうわけにはいきませんかね。」
「はっっ!!貴様らニンゲンにここの資源を与えてたまるカ!!ここの資源は俺にとって素晴らしイ!お前は俺と喋ることができるという珍しい….、いや、神に選ばれたニンゲンのようだが、そんな戯れ言をぬかしてしまうのカッ!ハハ、片腹痛いワ!!」
低姿勢にでた俺に対し、尊大そうにそう言う火石巨人。
あーなんか、こいつすげぇむかつく。
「一応最終通告だけど、ほんとに止める気はない?なければ俺がお前をぶっとばすけど。」
モフれる毛がないやつに慈悲はない。
「ハハハハッッ!!!笑止千万ダ!!貴様みたいなちびっこいやつに俺が負けるわけがないのに、そんな無謀なことをするの意味がどこにあル!?
貴様の質問への答えはこれダ!」
そう言ったやいなや、開いた口から、石の礫を飛ばしてくる火石巨人。
俺とカエデは、さっとステップを踏んで左右にわかれそれを避ける。
どうやら交渉決裂らしい。
….おいおい、石の礫があたったところが草もないのに燃え始めたよ。こいつ親玉だけあって、中々の魔力量なのかもしれないな。
「オラオラオラァ!!」
息つく間もなく石の礫を飛ばしてくる火石巨人。
すでに、あたり一面は火の海と化していた。
「カエデ!大丈夫か?」
「こっちは大丈夫です!….しかしどうしましょう、あの親玉の周りも火が覆ってて近づけません….。」
カエデが言った通り、火の海はやつの周りも覆っていた。
「まあ、ちょっとみてて。」
俺はそう言うと、魔法を唱える。
「水環!」
なんてことはない。さっきカエデが使ってくれた水属性の初級魔法だ。
「ほえぇ….。」
やっぱりカエデは戦闘中にも関わらず口をあんぐりあけて俺の方を見る。
俺の手の上には、カエデが出したものより4倍ほどの大きさの水のリングができていた。
「よっと!」
俺はそれを投げる。
シューーー。
あっけなくそれを受けて、火石巨人の周りを覆っていた火の海は消えた。
「ホ?」
火石巨人も呆気にとられた顔で俺を見る。
その頃には、俺の手はやつの胸元にあった。
「破裂!!」
刹那、断末魔さえ残させずに、あっけなく火石巨人は真核もろとも粉々に砕け散った。
爆発想像して、なんとなくやってみたけどなかなかの威力だな、これ。
ていうか、使う相手選ばないと、かけらも残さないで倒しちゃうから気をつけないとな。
呑気な感想を考えている俺の横で、何故か悟りきった表情で尻尾を垂らすカエデがいた。
「….あっけなく倒しすぎですよ….。というか、固有魔法幾つ持ってるんですか….。もう私はキョウさんが何をしても驚きませんよ、ほんと….。」
何故だか落ち込んだ風のカエデには、しっかり尻尾をモフって回復させといてあげた。
とにもかくにも、こうして俺の初陣は完全勝利に終わったのだった。
いつも応援ありがとうございます!
追記:魔法名を修正しました。




