お伽話の、『後』の話
戦闘描写あり
砂利の多い道を歩くラインの後ろを、トゥシャルレイがついて歩く。
夜が明けて朝になり少し経った頃に目が覚め、寝袋の中でモゾモゾと動いていると、とても良い香りが鼻に届いた。
一瞬で空腹を感じさせる、食欲をそそる肉の焼ける匂い。
寝袋から這い出してみると、ラインが昨晩のかまどに火をつけていた。
さらに、スキレットと言っただろうか?小ぶりの分厚いフライパンで、何かを炒めている。
パチパチと油の跳ねる音と、胡椒と香草に彩られた肉の香りに、思わず喉が鳴る。
ラインはチラリとトゥシャルレイを見ると、すぐにスキレットに眼線を戻した。
昨晩のシチューもそうだが、粗野に見えるのに、料理は非常に繊細で、妥協を許さないようだ。
トゥシャルレイはたまらず覗き込んだ。
そして感嘆の声を漏らす。
乾パンとジャーキー、飲み水くらいと思っていたというのに、ふっくらとした鳥のもも肉が、綺麗な焼き目をつけてそこにあったのだ。
近付く事でさらに匂いが増す。
我慢出来るはずもなく、腹が鳴る。
トゥシャルレイは羞恥心にパッと離れたが、ラインは全く気にしていなかった。
彼が満足いくほどの物になった肉を、木製の平皿に移す。
そこで気付いたが、既にスクランブルエッグまで添えられていた。
首都の宿屋の朝食でも、ここまで手の込んだ物は出ないのではないか?
せいぜい乾いたパンとチーズ、燻製肉くらいでは?
「冷めるぞ。今日は歩くんだから食べておくんだな」
「あ、うん。いただきます」
礼をして、フォークを持ち、期待と不安を膨らませて一切れ、口にパクリと入れる。
昨晩と全く同じく、「美味し!?」と混乱混じりの叫びが出たのは、当然だった。
そんな朝食を終え、二度も世話になったかまどを、ラインは跡形もなく片付けた。
ただ石を散らばすだけでなく、焼けて黒くなった薪や土を、掘って埋めるという徹底ぶり。
立つ頃には、そこで誰かが野営をしたという痕跡一つなくなっていた。
何もかも手慣れたラインの背中を、トゥシャルレイはジッと見つめた。
相変わらず、不釣り合いな布で覆われた長剣を胴にくくりつけているのに、意に返す事なくスタスタ歩いている。
服装そのものは、旅に慣れたそれだ。
黒いジャケットにシャツ。
どれも袖や裾は擦り切れほつれており、ズボンも黒でなければもっと汚れが目立っていただろう。
よく見れば、肩や腕、ももの辺りなど所々に、何か繋ぐための金具が付いている。
トゥシャルレイの脳裏に、父の知人が登山に行く直前の格好が浮かんだ。
腰の使い古された革ベルトには、昨夜缶を開けたりなどにも使った大型のナイフ。
先ほど少し強めに風が吹き、ジャケットが揺れてその裏側がわずかに見えたが、何本もの細いナイフが縫い付けられていた。
グローブもブーツも無骨で、どことなく一回りサイズが大きいように見えるが、フィットはしているのだ。
まるで、内側に何かを仕込んで膨らんでいるよう。
トゥシャルレイは自分の格好を見下ろした。
防寒具も兼ねた上着の下は、普通のシャツ。
ズボンもブーツも履き慣れた物。
唯一の護身具は、小遣いをはたいて買った短刀一振り。
鍋やスキレットまで出てくるバックパックを肩に担ぐラインに比べ、トゥシャルレイの持つのは、大きめのショルダーバッグだ。
中に入っているのは水筒と、固形保存食が数種類と地図。
タオル数枚に携帯寝袋、傷薬と絆創膏・包帯の応急セット、そしてミニサイズの裁縫ケース。
これでも家を飛び出して1日2日は、少し多過ぎたかも、などと思ったと言うのに。
やりようのない憤りを、転がっていた小石を蹴飛ばしてはらす。
「そう言えばさ」
さらに気晴らしに、ついでに疑問に思っていた事を訊く。
「朝食で出たあの、香草焼きのお肉、どうしたの?」
「獲った」
「ふぅん………………って、は?獲った!?」
あまりにも当然のように言うものだから流しそうにらなったが、流し切る寸前で止まった。
「獲ったって、何!?」
「野生のキジバトを獲った。しっかり処理はしたし、熱も念入りに通したから安全だぞ」
「そうじゃなくて!貴方、わたしが起きる前に狩りしてたって事?!」
「ああ。欲を言えば、鴨が良かったんだがな。丁度いい所にいたキジバトにした」
「どうやって……?」
訝しむトゥシャルレイに、ラインは振り向いてニンマリと見下ろした。
それからすぐに周囲を見渡し、丁度良い場所にヒョロリと飛び出た、細い木の枝を見つける。
右手の人差し指で、その枝を指す。
トゥシャルレイが枝を見た、直後。
「【code: d7003a=KuR】」
赤い閃光が宙を走り、風船の破裂に似た音を立てて枝を焼き落とす。
1秒にも満たない、わずかな時間だった。
狙撃、と言っても差し支えない程の。
「わかったか?」
「……わかった、けど……寝てる間にそんな事してたって思うと……怖」
トゥシャルレイは引き気味に、ラインから少し距離を取った。
わずかに口を歪めてから、ラインは息を吐いた。
「そうだな。お嬢様には刺激が強かったか。それは悪かった」
見せつけるようにわざとらしく肩をすくめられ、トゥシャルレイはムッとして、自ら空けた距離を飛び越えた。
「お嬢様ってやめて。わたし、そういう人たちと仲良く出来ないから」
「あー、だろうな。じゃじゃ馬」
「どっちにしろ腹立つ!」
地団駄を踏むトゥシャルレイを脇目に、ラインは歩いている道の先を見た。
スン、と鼻を鳴らし、険しい顔をさらにしかめる。
「ねぇ!ちょっと」
さらに詰め寄ろうとするトゥシャルレイを手で制し、ジッと道の先に目を凝らす。
急に、彼の紅の瞳が鋭くなる。
親の仇でも見つけたようだ。
トゥシャルレイがそう思った刹那、素早く抱え込まれた。
「なっ、ちょ」
「黙ってろ。音も立てるな」
次の瞬間に、ラインはトゥシャルレイを抱えたまま真横へ跳躍し、森の茂みの中に飛び込んだ。
音を立てずにバックパックを下ろし、背中の長剣を右手に握り、左手でトゥシャルレイの頭を抱え口を塞ぐ。
尋常ではない警戒具合に、思わずトゥシャルレイは固まった。
何かあると言うのだろう?
盗賊?それとも武装強盗?
まさか、昨日話していた天使信仰の人々?
息をする事すら躊躇ってしまうような、彼の顔。
目は真っ直ぐに、先ほどまで彼らが歩いていた道に向けられていた。
何が来るのだろう?
トゥシャルレイも、道を見つめた。
森の中の、しかも茂みの中に屈み込んでだったので、視界は非常に悪い。
葉のわずかな隙間から、覗き見るような形になる。
待つ事数分。
歩いて来たのはーーー
ーーーたった1人の子供だった。
呆気に取られて声が出そうになったが、ラインの手がさらに力を込めて押さえてきたので、出せずにただ眺めるだけにとどまった。
男か女かもわからない幼い子供が、時代錯誤な白いフード付きのローブで、悠々と歩いている。
それだけでも十二分に奇妙。
だが、異常とも言える違和感があった。
何が、なのかトゥシャルレイは考えた。
フードの縁、袖口、襟、裾には金色の細かな刺繍があり、ゆっくりとした歩みに合わせて光っていた。
腰にはベルトの類いではなく、太いロープ。
歴史の教科書の挿絵のような格好で、全て汚れ一つなく綺麗なものだ。
そこで気付く。
そう、綺麗なのだ。
綺麗過ぎる。
ここは街中ではない。
街道からも離れ、舗装すらされていない道の多い郊外。
だと言うのに、真っ白なローブは汚れ一つどころか染みもほつれもない。
陽光で反射されているようにすら見えるほどの白。
まるで、大理石の彫刻がそのまま動いているような。
ふわっと一瞬だけ風が吹く。
フードが揺れ、陰っていた子供の顔が見えた。
トゥシャルレイはゾッとした。
大理石の彫刻が動いている。
顔が見えない時点ですら、そう思えていた。
しかし、顔が見えた事で、その印象はさらに強まった。
表情がまるでない。
何も考えていない、などではなく、抜け落ちたように『無い』のだ。
口は真横に結ばれているが、目は虚ろで半分しか開いていない。
瞼に長いまつ毛が掛かり、ほとんど開いていないようにも見えた。
ぼんやりした表情、とも取れるが、そうではない。
そうではないと確信出来る『何か』があった。
まるで、周囲の何もかもを見ていないよう。
身体の芯から凍るような感覚が駆け抜ける。
小さな子供。
それに違いはないのに、得体の知れないものにしか見えなかった。
震える。
だがそれは、トゥシャルレイではない。
彼女の口を押さえるラインの手が、かすかに震えていた。
自分よりも巨体の男を、軽々と吹き飛ばす、彼が。
また、風が吹く。
木々がざわめく。
ハラリと木の葉が一枚落ちる。
その落ちた葉が、子供の肩に触れるーーー寸前で、内側から弾けた。
そして。
無感情な目が、こちらを見た。
「チッ」
舌打ちし、ラインはトゥシャルレイを抱えたまま立ち、右手の長剣を振るった。
布の鞘が、まるで経年劣化したようにボロボロと朽ちる。
瞬間、トゥシャルレイは唐突にわずかな息苦しさを感じた。
胸を押さえつけられるような、喉の奥を軽く締められるような。
「【code: a0d2f2=CeLB】!」
半ば叫んで、ラインは魔術を発動させた。
彼らを包む青い瞬き。
直後、全ての物理法則を無視したかのように、浮遊、そして高速移動する。
昨日とは全く違う。
魔術の知識がないトゥシャルレイでもわかった。
昨日は、速度『だけ』が上昇していたが、確かに彼は走っていた。
地面に足がついていた。
だが今度はそれすらもない。
人の手が入っていない森という、複雑な地形の中を、凄まじい速度で『飛んで』いる。
「クソ……!」
その中で、ラインは怒気を含めて言った。
「ネフィリム!」
木々の間を抜け、隆起した地面も倒木も岩も飛び越える。
急に視界が開けた、と思ったら澄んだ空。
断崖絶壁。
「きゃっ……!」
「口、閉じてろ!」
そのまま、空中に飛び込む。
一瞬の間の後、自由落下。
口を閉じろと言われていなければ、絶叫していたところだ。
真下に見える木々に叩きつけられる、その間際に、フッと落下の速度が落ちる。
そして、何事もなく着地。
ラインはトゥシャルレイを下ろした。
ジャケットの内側から、薄いストールのような布を取り出し、乱雑に剣に巻き付け、そして地面に剣を突き刺した。
「ちょっと、何なの!?」
「【code: 240e03= Bk_3】!」
ラインが唱えると同時に、周りに真っ黒な壁と天井が出現する。
高さはラインの背よりも低く、かなりの閉塞感があった。まるで黒い立方体の内部に閉じ込められたようだ。
立方体が閉じる。
と、同時にラインは息を吐いてその場に片膝をついた。
長く長く息を吐き、地面に突き立ったままの剣にもたれるように。
「ね……ねぇ!いい加減にしてよ!」
我慢出来ずに、トゥシャルレイは食ってかかった。
それでもラインは変わらず、呼吸を整えていた。
「説明してよ!何なのよ、一体!?」
「……説明……どれから?」
「えっ?…………じゃあ、まず……コレ」
どれ?と訊かれるとは思っていなかったらしく、トゥシャルレイは数秒ほど戸惑ってから、真上を指差した。
真っ黒な立方体。
完全に閉ざされ、外の様子も何もかもがわからない。
「ああ、干渉遮断の魔術だ」
「は?か、かん……?」
「外からも中からも、互いに何も手を出せない、何もわからない、そういう魔術だ」
「じゃ、じゃあ……さっき、凄い速く飛んだのは?」
「重力操作の魔術。……シンプルに言うと、飛べる上に速く移動出来る」
次から次へと出てくる理解を超えた説明に混乱するトゥシャルレイに、ラインは口の端で苦笑しつつ、剣から手を離して尻もちをついた。
「と言うか君……アレは何だ、とか……まだ聞かないのか?」
濃い隈で縁取られた目が、呆れたように細められる。トゥシャルレイは二度、三度とまばたきした。
そして真っ黒い壁を見渡して、数秒考え、ああ!とやっとそこで声を上げた。
「あの、おかしな…………子……?」
自分で言いながら、その単語に疑問を感じる。
子供。
何故だろうか。
その呼び名が、相応しくないように思えてならない。
背丈も顔つきも、全て幼子のものに違いないのに。
あの一瞬で感じた、凍りつくような感覚のせいだろうか。
「ネフィリムだ」
トゥシャルレイの思考を遮り、ラインが告げる。
「ねひ……?」
「ネフィリム。見た目はガキだが、中身は全くの別モノ。天使信仰の幹部だ」
青い双眸が見開かれる。
「幹部!?だって、あんな……ちっちゃい子が!?」
「だから中身は別モノなんだって」
「中身って……」
「天使」
今度は声すら出さずに、ポカンとする少女に、ラインは顔を上げた。
ああ、やはり、と、真っ黒な天井を見上げ、彼女には見えないように満足げに微笑する。
「『巨人』ネフィリム」
見上げた体勢のまま、続ける。
「アレは子供じゃない。人間ですらない。
人間の子供の体って殻の中に、天使が入ったものだ」
見上げたままであったため、トゥシャルレイからは見えなかった。
その赤い目に、一転して憎悪が滲んでいる事は。
==========
お伽話をしてあげる。
続きのお話。
恐ろしい魔獣から逃げて、扉から別の場所へ逃げ込んだ人たちの、その後のお話。
お父さんの、アダム。
お母さんの、イヴ。
三人の子供たちのカイン、アベル、セト。
西の国の王様。
戦士の弟子。
他にも何人もの人たちが、ここへ逃げて来ました。
けれど。
そこは天使たちの住んでいる土地でした。
天使たちはとても怒りました。
勝手に入ってきた人間たちに。
しかし、通ってきた扉はもう壊れてしまっていましたし、こちら側の天使たちでは、人間を元の場所に戻す事は出来ません。
あの扉を作ったのは人間であるためでした。
ただ1人、それが出来ると思われる力ある天使は、今はまだ帰ってきていません。
天使たちが悩み迷っている内に、人間たちは家を作り、田畑を作り始めていました。
天使たちはさらに怒りました。
そして、こちらでもまた争いが始まってしまったのです。
アダムも、西の国の王様も、他の人たちも抵抗しました。
そして必死に訴えました。
自分たちは恐ろしいものから逃げて逃げて、友を置いてまでしてここに来た。
少しの土地だけでいい。
自分たちを置いてくれ、と。
しかし、天使たちは聞く耳を持ちません。
戦える人たちはどんどん減っていってしまいました。
これに深く悲しみ、嘆いたのは、イヴでした。
ようやく愛おしい我が子たちに、平穏な暮らしをさせてあげられる。
何にも怯える事のない生活をさせてあげられると思っていたから。
誰でもいい。
誰か子供たちを救って欲しい。
子供たちを守ってください。
そのためならば、どんな事でも、どんな苦痛でも受けましょう。
深く深く懇願しました。
暁に光る星に祈りました。
そこに、一人の天使が現れました。
それはなんと、扉の向こうで彼らを守ってくれた天使、ルシフェルでした。
天使の中でも最も力がある彼は、扉の欠片とイヴの必死の願いで、どうにかこちらに来る事が出来たのです。
ルシフェルは問いました。
どんな事でも出来るか、と。
イヴはすぐに答えました。
可愛い我が子らのためならば、何も恐れる事はない、と。
そう言って、両手を広げました。
ルシフェルは、自分の【盾】をイヴに渡しました。
すると、なんとイヴは、【盾】の中に入ってしまったのです。
ルシフェルはそれを五つに分けました。
人間たちが暮らし始めていた土地の周りの海に、大陸を囲むようにイヴの入った五つの【盾】を置いたのです。
するとたちまち、大陸は巨大な【盾】で包まれました。
最も力ある天使の力で作られた【盾】は、他の天使を寄せ付けません。
その代わり、人間たちも外に出られる事は出来ません。
それでも人々は、今度こそ訪れた平和に喜びました。
向こうでもこちらでも守ってくれたルシフェルに、とてもとても感謝しました。
アダムは奥さんを失ってしまいましたが、彼女の強い願いに生かされた事に、泣きながら祈りました。
1番目の息子のカインと、2番目の息子のアベルは、何も言わずにうつむきました。
最も幼い、3番目の息子のセトは、大声で泣きました。
お母さんを求めて、毎日のように涙をポロポロ流しました。
するとある日の、暁の星が光る夜。
セトの前に、小さな光が降りてきました。
泣きじゃくる小さなセトを心配した、お母さんのイヴの心を受けてこぼれた、ルシフェルの羽根の一枚でした。
セトはそれを、大事な大事な宝物だと、抱きしめて離しませんでした。
何日、何年たっても離しませんでした。
やがてその羽根は、セトの中に溶け込んで一つになりました。
お母さんと、ずっと一緒に居られるようになったのです。
その時から、セトの髪の色と瞳の色が変わりました。
ルシフェルと同じ、星々と同じ銀色の髪と、朝焼けの空と同じ、真紅の瞳に。
……そう。
これが、『私』の話。
『私』の中に眠っているものの、話。
五つの【盾】は、外側を支える支柱に。
そして。
イヴの心を持ったルシフェルの意思は、内側から支える主柱に。
セトの中のそれを、『血族』が今まで受け継いできた。
賢者セトの血族。
【盾】ーーー結界の主柱。
それが『聖女』。
天使信仰が、最も憎んでいる者。
ネフィリムが、1番消したい者。
それが、私。
ごめんなさい。
お伽話なんて言って話して。
これはね、本当の話なの。
……ねぇ、わかる?
ピンと来ないかもしれないね。
私はね?
いつ、
どこで、
どうやって、
顔も名前も知らない誰かに、後ろから刺されるかもしれない。
友達だと思ってた子に、急に首を締め上げられるかもしれない。
勉強を教えてくれてた人に、毒入りのジュースを飲まされるかもしれない。
そんな子なの。
…………うん、そうだね。
私は何もしてない。
ただ、ここに居るだけだね。
……関係ないって?
それ、どういう意味?
だって。
だって、私は……ーーー
ああ。
いつから泣いていたんだろう。
どれだけ欲しかった言葉だろう。
それを、あなたは何ともなく言ってくれる。
それだけで。
それだけだからこそ。
私は、嬉しい。
諦めていたの。
苦しくないと思い込んでいたの。
悲しくないと言い聞かせてきたの。
消えかけていた想い。
薄れていた願い。
繋いでくれてありがとう。
だから。
あなたは、
あなたの名前はーーー
繋いで。
これからも。
私とあなたと、他の誰かとを。
これからを。
繋げて。
離れ離れの点と点を、どうか繋いでいって。
あなたと、私と、 。
==========
天使に救いを求める者は、この大陸の歴史の始まりと同時に現れた。
この大陸は、元々は天使のものである。
人間よりも神に近しい存在である天使の土地。
そこは本来なら、病も貧困もない楽園であるはずだ。
しかし。
勝手に土足で踏み込んで来た人間たちには、病も貧困もある。
さらには魔力などという、目には見えない謎の物質が漂い始めた。
これは罰である。
天使の地を穢したという大罪。
ルシフェルに感謝する人々の傍ら、別の思想を持った人々も居た。
当然だった。
『盾』が出現した直後から漂ってきた魔力は、その頃の人々の体を蝕み苦しめてきていたのだ。
そしてさらに思考を進める。
罰ならばどうするか。
罪ならば何をするか。
贖罪をしなければならない。
天使から赦しを得なければならない。
どうするか?
答えは簡単だ。
盗んでしまった物を返し、懺悔する。
全てを返し、赦しを乞う。
罰を与えられるなら、慎んでそれを受ける。
簡単な理屈だ。
だが、手段がわからない。
どうやって返すか。
赦しを乞うか。
これも簡単な事だ。
『当人』に聞けば良い。
イヴが我が子たちのため、その身を犠牲に天使たちを寄せ付けない結界となった、その内側で。
天使と接触しようと試みる者が居た。
最も力のある天使であったルシフェルの結界を生身で突破する事は、他の天使たちには不可能な事であった。
では、生身でなければ?
何がきっかけであったのか、どういう手段を用いたのかもわからない。
それは天使信仰にとって、最大の秘密であるからだ。
ただ、その成果ーーー存在だけは、天使信仰でない者にも知られている。
結界内部の、まだ穢れていない無垢な子供の中に、意識のみを宿らせたもの。
天使信仰教徒らの指揮者。
崇拝対象である天使の『端末』。
『巨人』
ネフィリム。
『巨大な力持つ、人ならざるもの』
誰かがそう呼び始めたのか。
それとも、最初に『それ』になった者が名乗ったのか。
それはわからない。
わからないが。
小さな子供の身体を持ちながら、『巨人』など。
何と酷い皮肉か。
闇色の壁と天井の中では、時間の感覚が狂う。
それでもいくらか時間が経ったとわかる頃。
ラインはフッと顔を上げた。
「どうしたの?」
トゥシャルレイが尋ねる。
暇つぶしに地面に描いていた落書きを、靴底で消して。
ラインはそれに答えず、狭い空間の中で立ち上がった。
地面に刺さったままの剣の柄に触れ、ボソリと口の中で何か言う。
すると、まるで卵の殻が割れるようにパキパキと黒い壁が剥がれ落ちていく。
太陽の光が不意打ちのように入ってきて、トゥシャルレイは咄嗟に瞼を閉じた。
彼女が目を恐る恐る開けると、ラインは彼女から数歩ほど離れていた。
しかも、何やら距離感を確認している。
「ねぇ、なに」
訊くより先に、ラインの口が開く。魔術だったが。
「【code:00000f= Bk_2】」
瞬時に、地面に刺さった剣を中心にした半円の黒いガラスのようなものが、トゥシャルレイを包む。
魔術に知識のないトゥシャルレイでも、先ほどの黒い立方体を作った魔術と似たものだと理解は出来た。
ただし、ラインはその外だ。
立方体の魔術と異なり、薄っすらと外の様子は見える。
「ちょっと!」
彼女が抗議の声を上げた直後、森の茂みが揺れ、ラインが無造作に腕を振り下ろした。
パキ、と軽い音の後に、地面に転がるそれを見て、トゥシャルレイはギョッとする。
矢だ。
それもおそらく、ボウガンの。
武装強盗団の下っ端が持たされる事が多い、とどこかで知った話が頭をよぎる。
茂みをかき分ける音に顔を上げる。
が、そこでもトゥシャルレイは首を傾げた。
出てきたのは、彼女の予想していた荒々しく、薄汚れた男の集団、ではなかった。
出てきた数人が全員、白い外套を身に付け、フードを目深に被っている。
背丈で大人であるという事以外、容姿も性別もわからない。
「さっきの……?」
「違うよ」
トゥシャルレイが発した疑問形の言葉を、ラインが軽く否定する。
やや腰を落とし、片足を半歩後ろへ引きながら。
「ただの天使信仰の教徒だ」
半歩下げたその足のつま先で、トン、トン、と地面を叩くと、
トゥシャルレイの視界からラインがかき消えた。
魔術ではない。
単純に駆けただけだ。
ただ徐々にスピードが上がるような駆け方ではなく、始めからトップスピードで走ったのだ。
茂みから最初に出てきた教徒の眼前まで迫る。
完全に不意を突かれ、教徒は手にしていた斧を振り上げる事すら出来ない。
ラインはまず、その斧を持つ右手の肩に掌底を叩き込んだ。
「うわっ」
間抜けな声を上げて斧を手放してバランスを崩す男の左手を掴み、膝をブーツの底で踏み抜く。
砕けた音と野太い絶叫。男だったらしい。
ラインは手を離し、落ちた斧を次に出てきた教徒に向かって蹴り飛ばした。
当たるはずはない。
だが、大木を切り倒す斧が飛んできた事で、その方向にいた教徒二人が、慌てて別々の方向へ逃げる。
二人の内、一人の手にあるのは鉈。
もう一人は……何故か縄。縛り上げる気だったのだろうか?
ラインは腰からナイフを抜きながら、鉈を持った教徒に向かった。
その教徒が気付いて、遅まきながらも鉈を真正面に構える。
間合いに入る。
その寸前。
バチン!と何かバネが弾けた音が響き、その瞬間にラインの体が消える。
「えっ!?」
思わず、トゥシャルレイは声を上げた。
縄を両手に追いかけてきていた教徒が、鉈を構えていたもう一人と向かい合う。
キョトンとしているその脳天に向かって、ラインは『真上』から肘を打ち下ろした。
ギョッとしている縄持ちの教徒に、ラインは近付きながらナイフのグリップに仕込まれているスイッチを押した。
風を切る音と共に、ワイヤーに繋がっていたナイフの刀身が柄に戻る。
やや離れた位置にいたトゥシャルレイには、どうにか見えた。
あのバネの音の後、ラインの体は鉈を持った教徒の背後の樹に向かって、引っ張られたようにすっ飛んだのだ。
わずかに光って見えた、鋼線の軌跡。
それで何とか理解出来た。
ナイフの刀身が射出されたーーーおそらく、内部に強力なバネが仕込まれているのだろう。
刀身が樹木の幹に突き刺さる。
ナイフの刀身にはワイヤーが繋がっている。
それをまたナイフのスイッチで、瞬時に巻き取る。
これらを数秒でやってのけ、変則的な動きで翻弄された教徒の一人を、一瞬で無力化させた。
「何……あれ……」
見た事も聞いた事もない戦い方。
彼女も一応、護身術の心得はある。
短剣の扱い方も教わった。
体さばきの基礎も。
それでも理解できなかった。
武術はどんなものでも「型」がある。
構えや技にそれが現れる。
しかしラインのあの動きには、全くと言って良いほどそれがない。
強いて言うならば、独学でしかあり得ない事だ。
しかし、独学では限界がある。
組み手の相手の不足や、技の数の少なさ。
独学ならではの強みというものは確かにあるが、それらを補うには多大な経験が必要になる。
では。
ラインの『それ』は独学か?
それともどこかの流派の武術か?
経験の浅いトゥシャルレイでもハッキリとわかる。
それは否だ。
複数人相手に一人。
初撃で不意を突く。
瞬時に死角に入る。
一撃で相手を行動不能にする。
手段は何でも構わない。
一人を無力化出来たら、すぐにまた別の者を無力化する。
彼女が経験した事のある、試合や模擬戦とは全くの別物。
独学ではあり得ない判断と攻撃の鋭さ。
何より複数人を相手取って、全く引けを取らないどころか、有利にすら見える。
では、何か。
それは至極単純明白な答えと、トゥシャルレイはわかった。
躊躇はなく、無駄もない。
恐れもなく、容赦もない。
あれは、『戦闘』だ。
審判もなく制限時間もない。
相手を行動不能にさせる。それだけがルールのシンプルなもの。
ラインはいまだに縄を手にしたまま、後ろに下がる教徒に、ナイフを振り上げた。
それなりの太さのあった縄が、アッサリ切断される。
「ヒッ……!」
転がるように逃げ出す。
そこに。
「おい!逃げるな!天使様が」
もう一人。
間抜けな信徒が、ボウガンを手に怒鳴りながら現れた。
ラインはまたも、トン、とつま先で地面を叩く。
あれは癖か何かなのだろうか?
トゥシャルレイがそう思った時、またもあの『バチン!』という音が響き、ラインの姿が消える。
「あっ」
今度は完全に見えなくなった。
手始めに、先ほどのボウガンを持った信徒が倒れ伏す。
トゥシャルレイは思わず口を押さえた。
悲鳴を上げずにいれたのは何故なのか自分でもわからない。
倒れたその足の膝が、あり得ない方向に曲がっていた。
そしてさらに、周囲の茂み、木々の隙間から「ギャッ!」だとか「グエッ!」だとかいう悲鳴。その間に、バチン!バチン!とあの音が入る。
そして。
「ひぃっ……!」
木の枝に外套のフードを引っかけながらも、男が一人、木々と茂みの間から転がり出てきた。
「なんだ……アレは……」
怯えながら膝をついて呟く。
恐れながら頭を抱える。
顔を伏せる、その合間に、トゥシャルレイと目が合う。
まずい、と思った。
思わず突き刺さったままの長剣の柄を握る。が、抜けない。動かない。
男は、近くに落ちていた鉈を拾った。
「このっ……堕天使の、雌犬が!」
半狂乱で、男が鉈を振り上げて走ってくる。
「……!」
トゥシャルレイは悲鳴を、
上げ損ねた。
「ごっ……が……」
あと数歩という位置で、男が喉を押さえて止まる。
ヒュー、ヒュー、と喘息のような呼吸音で、ヨロヨロと半歩下がり、
今度は絶叫した。
男が膝をついて、情けない四つん這いの格好になる。
何があったのかはすぐにわかった。
男の両足の後ろに、細く短いナイフが、それぞれ四本突き刺さっている。
太もも、膝の裏、ふくらはぎ、足首と、両足それぞれ正確に。
ラインが木々の隙間から現れる。
片手には先ほど何人も翻弄していた大型のナイフ。
もう片方の手には、倒れ伏した男に刺さっている物と同じナイフ二本が、指の間に。
そうだろうとは思っていたが、改めて見てトゥシャルレイはさらに驚いた。
あれを、姿が見えない位置から投げて、正確に当てたのか、と。
全て、護身術を習う上で教えられた、足における急所だ。
小さなナイフでも、あんな場所に刺さったら立っていられなくなる。
実際、出血はひどくないものの、倒れた男は呻くばかりでその場から動こうともしない。
先ほどから思っていた事が、確信に変わる。
彼は、個人対多数を前提とした戦法の手練れなのだ。
そしてふと疑問に思う。
先ほどから自分が無意識にしがみついている、この長剣は?
明らかにその戦法にはそぐわない武器だ。
実際に今、全く使おうともしない。
それなら一体、何なのだろう?
ラインはスタスタと歩いてくると、小さく呻くだけの男のすぐ後ろに立った。
足をもう一歩出そうと上げーーーチラッとトゥシャルレイを見る。
視線が合い、キョトンとする彼女に、ラインはため息をついた。
手にしたナイフをしまい、パチン、と指を鳴らす。
すると、彼女を包んでいた半透明の黒い球が、シャボン玉のように割れた。
が、すぐにラインは指で長剣を差した。
「【code: 240e03= Bk_3】」
「え、ちょっ」
パキン、と音が鳴り、先ほどラインごと包んだ漆黒の立方体が、今度はトゥシャルレイだけを包んだ。
彼女の姿が見えなくなる。
彼女の声も聞こえなくなる。
そしてそれは、こちらの事も同じ事。
こちらで何があっても、何をしても、トゥシャルレイには見えないし聞こえない。
「……よっ、こらせ……と」
ラインはおおよそ現状に似つかわしくない声と共に屈み込んだ。
そして、男の足に突き刺さったナイフの右足首の一本を、無造作に抜き取る。
「ぎゃっ!?」
「あぁ、痛いよなぁ」
抑揚もなく言いながら、今度はふくらはぎの一本を抜く。
男がまた短い悲鳴を上げる。
「でも、死なない」
次は膝の裏の一本。
「毒なんか塗ってない。念入りに手入れもしてるから、破傷風にもならない。
……痛くて立ち上がれない。それだけだ」
右足の最後の一本、太ももに刺さったナイフも抜く。
男は歯を食いしばり、地面に爪を立てていた。
「さて……左だが、今までと同じように抜いてやっても良い。
少し捻ってやっても良いな。
その後はその辺りの土をすり込んでやろうか。おっと残念、砂利が混じってるな。可哀想に。
……ああ、加えて一回ずつ踏んでやるか。それとも、刀身の根元を火で炙るか」
淡々と他人事のように言いながら、ラインは指先で、男の左足をつついた。
「ひっ……」
「どうするかはお前の答えで決める」
「な、なに……」
「【名前】を教えろ」
男が振り向く。
恐怖と焦りと葛藤。
漆黒の隈が強調する、鋭利な真紅の瞳に見据えられた、怯え。
「【名前】だ。意味はわかるよな?」
「そ、れ、は……」
男が言い淀む。
当然だ。
ラインが命じたのは、信仰を捨てろ、かの者を売れ、という意味なのだ。
「で、できるか!このっ……堕天使の」
ラインは、人差し指で男の左足首のナイフの先に触れた。
「俺は、戦災孤児だ」
その一言が、全てを物語る。
男の顔から血の気が引いた。
ラインは男の髪を無造作に掴んだ。
「俺は覚えてはいないんだがな?医者がな?精神的なヤツだろうってさ。
……で、俺はどこで医者にかかったと思う?」
ニィッと口許だけで笑ってみせる。
目には憎しみをたたえて。
「オラトリオ聖堂だ」
「なっ!?」
「どうした?ああ、……『跡地』って、付けた方が良かったか?
まぁ、どうでもいい」
ぐり、と指先だけでナイフをねじる。
「ぎっ……!」
「まずは捻る。次は踏む。次は炙る。
最後は…………三本目までに考える」
ラインは冷徹に告げた。
「お前の罵倒なんて、俺にとっては羽虫の音以下だ」
一本目のナイフを、ラインは握りしめた。
男の顔が絶望に染まる。
「せいぜい祈ってみろよ。そうすれば助けてもらえるんだろ?
ーーーアレがお前らを助ける気があるなら、なぁ?」
クックッ、と喉の奥だけで笑いながら、ラインはさらにナイフを捻った。
ラインの手が三本目のナイフに触れたところで、男はみっともなく泣き叫び、失禁し、
ようやくその【名前】を口にした。
何の説明もなしに、また黒い箱の中に入れられ、トゥシャルレイは口をとがらせた。
何と言うか。
いや、最初からか。
わからない事だらけだ。
父は、何故あんな男に自分を迎えに寄越したのか。
トゥーシャ。最初に彼が呼んだのは、自分の愛称だ。それを何故彼が知っているのか。
周囲は一面の黒い壁。
なのに何故か自分の手や体は見える。
それすらも何故なのかわからない。
ふと、刺さったままの剣を見た。
大きな剣だ。
長身のラインが背中に背負うしかないのもわかる。
何となしに、トゥシャルレイは人差し指を伸ばした。
すると不思議な事に、金属製にしか見えないその剣の刀身に、温かみを感じた。
感触は金属の固さ。
なのに、ほんのりと温かい気がする。
「何かの魔術……?」
彼女にはそうとしか思えない。
が、どうも引っかかる。
ずる、と剣を覆う、隙間だらけの粗末な布が更にずれる。
布がずれた場所。小さくだが文字が書かれていた。
模様とも思えないほど小さく、刀身と柄の付近に。
見た事もない文字だった。
共通語ではない。
角ばって、直線が交じり重なった、複雑な文字。
なのに。
「…………ひ……さ、かた……の、」
何故か言葉が出てくる。
「あ、ま……つ……」
読める、のではない。
出てくるのだ。見た、だけで。
掌ですくった水が指の間からこぼれ落ちてくるように、ゆっくりと。
続きが出てくる、その前に。
周囲の黒い立方体がバキン!と開いた。
「は!?」
我に返って上を見上げる。
接着された箱を力任せにこじ開けたように、黒い壁が割れて開いていき、空が見える。
「ーーー読むな」
声が聞こえてハッとなる。
ラインが一人で立っていた。
元々鋭い赤い目を、さらに鋭くさせて見てきていた。
トゥシャルレイは剣から手を離し、ペタ、と地面にへたり込んだ。
それから周囲を見渡す。
誰もいない。
「さっきの、人たちは?」
「川に放り込んだ」
なんて雑なんだ、とトゥシャルレイは顔を引きつらせた。
ラインが足早に近付いて、片手で剣を地面から引き抜く。
ダラリと伸びた布の両端を取り、背中に括り付けて結ぶ。
「悪いが、少し急ぐぞ」
「え?何で?」
「そう遠くない場所にヤバいのが居るからな。
早いとこ街道に出た方がいい」
「ヤバいの……」
言われて、ふと浮かぶ先ほど見た『子供』。
「……あなた、そんなに強いのに?」
体格差もさる事ながら、腕力も技術も何もかも上だろう、と思う、
はずなのだが。
たった数秒間見た、あの姿を思い浮かべただけで、背筋がぞわりとした。
本能的な忌諱、とでも言おうか。
崖っぷちに立ち、見ず知らずの誰かに背後に佇まれているような、至極まっとうな恐怖。
トゥシャルレイのその様子を見下ろし、ラインは無言だった。
彼女の小さな手を取り、手早く砂や土を払ってやってから、ゆっくり引っ張って立たせる。
「言っただろ。外っ側と中身が別モノだって」
今度は彼女の膝を払ってやる。
乾いた地面だったので、汚れはそれでほとんど落ちた。
「…………すぐ、嫌でもわかる」
言うや、ラインはトゥシャルレイの手を引き、少しばかり早めに歩き出した。
【補足】
この世界観の『魔術』の呪文は、HTMLカラーコード+色の頭文字などで構成しています。




