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「驕り高ぶりがすぎるんです。存在してはいけない生き物など、この世にはいません。それを云ったら、他の多くの生物にとってゆるしがたい存在なのはほかでもない、われわれ人間です。神ではないんですよ、われわれは。命をジャッジする権利なんて、どこにもありません」

 かまわず、派手なネクタイの男がつづけた。

「彼らが、どんな理由で、どのようにしてやってくるのかはわかりませんが、われわれの知らないところで、人間などの手の及ばないところで、この世の中の道理が変わってしまった、それが可能になってしまったんです。そうなってしまった以上、われわれは妥協し、ある程度それを受け入れるしかない。存在してはいけない者として、処分という名目で、彼らを永遠に殺しつづけるわけにはいかない。ルールが変わってしまったんです」

 ひげの男が、派手なネクタイに、指をつきつける。

「もうすでに日本全国で、三十名以上の被害者が出てるんですよ? 先週は北海道で、警官含めて九人食い殺されたばっかりだ。そんな凶暴な生き物と、どうやって共生しろって云うんですか?」

 派手なネクタイの男が、子どもにいいきかせるように、ゆっくり云った。

「好き好んで殺しているわけではないんです。どんな生物だって、生きていくためには、他の生物を殺して食べないといけないんです。腹がへった、そこに人がいた、だから食った、と。今回は、人間が食われる側にまわったと、それだけの話です。彼らも生きるのに必死なんです。好き好んで、他の生き物を殺すのは、人間ぐらいだ。人間ほど、あくどい生き物はいないんだから」

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