69話 公園での2人
折り返し家路に向かっていると公園があったので、中を通って帰る事にした。
そこは、小学生が野球やサッカーが出来るくらいの広場と、遊具の広場に分かれていて割かし大き目の公園だ。
お母さんと一緒に遊んでいる幼稚園ぐらいの子供や、鬼ごっこでもしているのか小学生達が走り回っている。
すると遥は突然小走りに走りだし、ブランコに座ってこぎ出すと、僕もその後をついて行き、彼女の背中を押して勢いをつけた。
彼女は、「わぁ~」と言う顔をして無邪気に笑っている。まるで童心にでも帰ったかの様だ。
彼女が気持ちよさそうに笑うので、僕も隣のブランコに座ってゆっくりと前後にこぎ出した。
空を見上げると、小さく見える飛行機が目に入った。
彼女は徐々にブランコの勢いを弱め、足を地面につけるとズズズズッと言う音と共に静かに止めた。
そして、ポケットに入れていたスマホを取り出し文字を入力してきた。
『あぁ~、何だか懐かしいですね』
「そうだね」
『昔を思い出します』
「小学生の頃?」
『それも有りますが、喋れてた時の事を』
「うん」
『前は、亜季さんほどじゃ無いですけど、今より活発だったんですよ(笑)ᕦ(ò_óˇ)ᕤ』
「へぇ~、どんな感じだったんだろ。昔の写真、見て見たいなぁ」
『スマホに一部入っていますから、また家に帰ったらお見せします(#^.^#)』
「それは、楽しみ」
『でも、今は喋れなくなってから、人目をきにしたり、態度や言葉を必要以上に敏感になったって言うか』
「うん」
『でも、そんな事気にしても仕方がないんですけどね。だから私も、亜季さんみたいに前向きに、自分の気持ちに素直になろうって』
「良いんじゃない、無理に人に合わせなくても自分は自分で」
『はい、そうですね。そうします ♪( ´▽`)』
遥は、下を向いていた顔を上げて、もう一度ブランコをこぎ始めた。
すると小学生の女の子が1人がやって来て、言ううか言うまいか近くでモジモジしていたので、後から駆け寄ってきた同じ位の男の子がその女の子の為に、「ブランコ貸して~」と、僕等に言って来た。
遥は「えぃ!!」とブランコから飛び降りると、その男の子にブランコを渡し、その子もまたモジモジしていた女の子に「ほらっ」と言って渡した。
僕等はその場から離れて公園を後にしようとした。歩いていると彼女が僕の右腕をトントンと軽く叩いた。
「うん?どうしたの」と聞くと、彼女は後ろを振り向き笑顔で指差した。
僕は彼女が指差した方向を見てみると、仲良くブランコに乗っているさっきの男の子と女の子が姿が見えた。
『私達もいつまでも、あんな感じでいたいですね』
「うん、そうだね」
お互い目を合して微笑むと、あの子供たちの様に2人して仲良く手を繋いで家路に向かって歩き出した。




