表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただ、君だけをみつめて  作者: 新木 そら
PR
55/136

55話  伝言ゲーム(2)

1時間目の教習が始まる前に、長谷川さんと相原は、教習車をタオルで拭きながら話しをしていた。


「おぅ、相原。何や片瀬、昨日の2輪教習で熱が出たらしいで」


「へぇ、何度あるんですか」


「え~と、確か~、何か38度から39度半ばって言ってたんやったかなぁ?」


「あの気温の変化ですからね~、そりゃ、体調も崩すでしょう」


「遥ちゃんは、知ってんのかなぁ」


「そりゃあ、知ってるでしょう。何だって付き合ってるんですから」と、ぶっきらぼうに相原は答えた。


「う~ん」

 長谷川は、拭いていた手を止めて、何かを思い出す様に目を瞑りながら空を見上げた。


「どうかしたんですか?」

 変に思った相原は、長谷川に話し掛けてみた。


「片瀬な、電話越しで必要以上に『はぁ~、はぁ~』言いよるねん」


「そりゃ、風邪でしたらしんど、い・・・でしょ!?」


「ほんまに風邪なんやろか」


「はぁ、はぁ、ですよね」


「そやね~ん、あの必要以上の『はぁはぁ』は怪しいで」


「一応、絵里ちゃんにメールして、情報を探らせましょう」


「うん、宜しく頼む」


「任せて下さい」と相原は、にやけながら長谷川に敬礼した。


 すぐさま相原は、遠藤さんに電話を掛けてみた。


「おはよう、絵里ちゃん」


「あっ、おはようございます」


「今、大丈夫?」


「えぇ~、今、バスから降りた所ですから」


「遥ちゃんと一緒?」


「うううん、違いますよ。どうかしたんですか?」


「いやぁ~、片瀬さんが風邪をひいたらしくてね」


「あらぁ~、大丈夫ですか?」


「うん、大丈夫大丈夫。所で遥ちゃんは、この事知ってるのかなぁ~と思って?何かやけに『はぁ~、はぁ~』と言ってたらしくって」


「『はぁ~、はぁ~』ですか?」


「そう、『はぁ~、はぁ~』なのよ」と、声のトーンを落として、相原はそう呟いた。


「あっ、ちょっと先に遥が歩いていますから、確かめてきますね。それでは後ほどメールにてお知らせします。それでは」


「遥、おはよう」

 通話を終えた高野さんは、遥の元へ小走りに走っていった。


『あっ、おはよう、絵里』と、口元を動かして答えた。


「ねぇ、遥。片瀬さん元気?」


 遥は、スマホを取り出して、文字を入力した。

『何か昨日疲れてたみたいで、横になったら直ぐに寝てしまったんだって。朝、メールもらったよ』


「へぇ~、そう、なんだぁ・・・。」

 相原さんの話しと、遥の話しが合わないので、高野さんはいぶかしげな表情を浮かべた。


 それを変に思った遥は、『どうしたの?』と、絵里に聞いてみた。


「う~ん、さっき相原さんから電話があって、何だか片瀬さん、風邪をひいてるみたいな事を言ってたんだけど」


『えっ、そんな事言ってなかったけど』


「そう?う~ん」

 絵里は、遥に言って良いのか、言わない方がいいのかを迷っていた。


『どうしたの、絵里?』

 歯に物が挟んだみたいに、歯切れの悪い喋り方をするので、直ぐに遥は、絵里に問い掛けた。


「う~ん、何かね『はぁ、はぁ』何だって」


『はぁはぁ?』と、遥は首を傾げた。


 2人は歩きながら、自分の学部の掲示板の前まで辿り着くと、今日の教授の講義は休講となっていた。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ